小太郎 わしをスキーに連れてって 33
「それでどうなった…」
小太郎はそれ以上聞かなかった
お姉さんが泣いていたのだ
「お姉さん殿 もうよい…そうか そんな事があったんじゃな」
「それから小太郎くんのお母さんとは仲良くなってね」
「そうですか 太郎ちゃんのお母さんとお姉さん なんとなく性格が似てますもんね」
「うん 似てる…すぐ頭グリグリするとことか…」
「だって小太郎くんのお母さんに教えてもらった 技 だもん」
「そんなに痛いのか?」
「痛い!奥歯が抜ける感じになるんだぞ!」
「それは痛そうじゃな…」
「あっ!もしかして ビリビリジュースって母ちゃんから聞いたのか?」
「違うよ お姉ちゃんの弟 拓海が言ってたんだよ」
「そうなのか!」
「そうだよ 多分 小太郎くん お母さんから聞いたんじゃないビリビリジュースって」
「ん〜 どうだろう?気がついたら言ってたような」
「小太郎殿…わし…眠い…」
「おっちゃん眠いか もう寝ろ 今日は疲れただろ」
「おやす…ガァ〜スゥ〜ピィ〜」
「早っ!」
ギネス級の早さ
「小太郎くんもそろそろ寝たら」
「うん…あ〜ぁ もう終わりか…楽しかったなぁ」
「また みんなでおいでね」
「うん!また一緒に雪合戦やろうな!」
「いいよ〜!」
「あっ 船旅…一緒に行ける?」
「どうかなぁ」
「一緒に行こう!晶ちゃんも言ってたぞ 一緒に行ったら楽しいって」
「誰か行く人居ないの?」
「10人だぞ!晶ちゃんとこで3人俺ん家は…父ちゃんの船だから父ちゃんは入れないで………」
「太郎ちゃん 3人ですよ」
「そう 3人!晶ちゃんとこで3人 俺ん家3人で全部で5人だから 後3人行けるんだぞ!」
小太郎…滅茶苦茶だ…
「考えておくね」
「絶対だぞ!こまっちゃんも連れて来てね!」
話しも噛み合ってないぞ
「小太郎殿 わしらも良いのか?」
「もちろんだろ!おっちゃんとこまっちゃんが居なかったら優勝出来なかったんだから」
「いや…わしらはほとんど何もしておらんが…」
「いいんだぞ!おっちゃん達は頭数にも入らないし それに約束したろ!今度父ちゃんの船に乗せるって」
「太郎ちゃん 遠慮しないで行かせてもらいますね」
「おぅ!静おばちゃん 迎えに行くからな」
「楽しみじゃのぉ 海の上は初めてじゃ」
「……おっちゃん 先寝たよな?」
「わしが?寝た?」
「うん…寝た…」
「いつ?…ガァ〜スゥ〜ピィ〜」
「まさか寝ぼけたのか?」
「…のようですね」
どこまでもスゴいぞおっちゃん…
次の日
「太郎ちゃん おはよ」
「ん…もうちょっと…」
「おっちゃん 起こして」
「晶殿 任せるのじゃ!」
小ちゃいおっちゃんが小太郎の耳元に立つ
「小太郎殿…起きるのじゃ…」
「うわぁ!」
小ちゃいおっちゃんが小声で起こした
「おっちゃん…耳がキーンってなったぞ…」
「安心せい!小声じゃ…」
小ちゃいおっちゃん…普通に喋ったらかなりな殺傷能力がある声なんだな…
「ほら 朝ご飯食べに行くよ」
「お姉さん殿 頼みがあるのじゃが…」
「ん?おっちゃん何かな?」
今度はかなり小さな声でお姉さんの耳元で囁く
「な〜んだ そんな事か いいよ!」
「おぉ!かたじけない!」
小ちゃいおっちゃんが頼んだのは
「はい あ〜ん!」
「モグモグ…美味い!納豆はやっぱり美味いのぉ!」
納豆を食べさせてもらう事だった
「おっちゃん 納豆は御飯にかけて食うのが美味いんだぞ!」
小太郎 余計な事を言う
キラキラした目でお姉さんを見る小ちゃいおっちゃん
「御飯と一緒に食べたいの?」
コクッコクッ
思い切り縦に首を振る小ちゃいおっちゃん
「はぁ…全く 小太郎くんは…」
お姉さんが御飯粒と納豆を箸で小さくして小ちゃいおっちゃんの口に運ぶ
「モグモグ…おぉ!美味い!小太郎殿 美味いのぉ!」
「だろ!でもな おっちゃん!それにネギを混ぜるともっと…」
「小太郎くん!」
お姉さんが小ちゃいおっちゃんを見る
「今の聞こえた?」
コクッコクッ
キラキラ目の小ちゃいおっちゃん
「はぁ…指が攣る…」
今度は ネギも細かくして小ちゃいおっちゃんの口へ
「モグモグ…!わしは幸せじゃ…小太郎殿 他には?」
「もう ありません!これが納豆の究極の食べ方です!小太郎くん そうだよね!」
両手に握り拳を作るお姉さん
「そ…そうだぞ…」
「これが究極か…小太郎殿 帰ってもたまに納豆を食わせてはくれぬか?」
小太郎と食ったらベタベタになるぞ…




