小太郎 わしをスキーに連れてって 20
「ところで 船旅って何人なんだ?」
「10人までだよ」
「そんなにか!」
「スゴイ豪華な賞品だよね」
「10人か おばちゃんも一緒に行ってくれるかなぁ」
「明日 聞いてみよう!お姉さんと一緒だと楽しいもんね!」
「ハラハラドキドキでスリル満点!」
「太郎ちゃんが ちゃんと お姉さん って呼べばいいんだよ」
「だって…おばちゃん面白いんだもん」
「だと思った わざと言ってグリグリされてんだよね」
「小太郎殿 カレー!」
「カレー?」
「さっき約束したじゃろ」
「あぁ!おっちゃん腹減ったのか?」
「カレーは別腹じゃ!」
聞いた事ないぞ…
ルームサービスでカレーが届く
「小太郎 あんなに食べたのに足らなかった?」
「あっ…ん〜と カレーは別腹だぞ!」
「そんなの聞いた事ないけど…残さないで食べるんですよ」
「お…おぅ!」
「おっちゃん 全部食えな!」
「無理を言うでない!」
「これどうすんだよ!」
「飯粒 3つも食えば 満足じゃ!」
「えぇ!俺 夕飯いっぱい食って 食えないぞ…」
「太郎ちゃん 僕も食べたい」
「おぉ!食え!静おばちゃんは?」
「いただこうかしら」
それでも全部で飯粒10粒ほど…
結局 小太郎が平らげた
「もう食えない…」
「んじゃ 風呂行くか!」
「待ってました!小太郎殿早ぅ!」
「慌てると毛が抜けるぞ!」
ピタッ
ソワソワ…ソワソワ…
「慌てておらんが…まだか?」
「今 晶ちゃん用意してるから待ってろ」
「静殿も…全く…女子は用意が遅いのぉ…」
十数分後…
「お待たせ!」
「慌てておらんが…遅い! 決して慌ててはおらんぞ」
「何の事?」
「おっちゃん 風呂で騒ぐなよ」
「誰にもわしの声は聞こえんぞ?」
「反響して俺がうるさいんだぞ」
「そうか そうじゃな!あいわかった!」
ガラガラ……
「小太郎殿…誰もおらん…」
小声で話して普通に聞こえる小ちゃいおっちゃん
「貸し切りだな」
「ヒャッホー!ャッホー!ッホー!ホー!……」
キーーーーーーーン
「おっちゃん…声高いんだから…」
「小太郎殿!なんじゃあれは?」
「ん?どっかの子供が忘れていったんじゃないか?」
黄色いアヒルのおもちゃ
「おっちゃん乗ってみろ」
「良いのか!」
ピョ〜ン!
「おぉ!これは良い!」
プカ〜〜プカ〜〜
「どうじゃ小太郎殿」
アヒルにまたがりご満悦の小ちゃいおっちゃん
「おっちゃん…正面に来るな…丸見えだ…」
「何がじゃ?」
「ナニが……」
ひとしきりアヒルで遊び
「小太郎殿 外に行こう!露天風呂じゃ!」
「いいぞ!」
「これ持ってくれ」
「これ持って行くのか?」
「そうじゃ」
「風邪ひくぞ!」
「大丈夫じゃ!丈夫だけが取り柄じゃ!」
露天風呂にアヒルを浮かべる小太郎
「ヒャッ………」
アヒルに飛び乗ろうとした小ちゃいおっちゃん
空中で凍り固まる
「だから言ったろ…外は寒いんだぞ!おっちゃん 小ちゃいからすぐ凍るだろ…」
釣り上げられて凍ったカワサギのような小ちゃいおっちゃん
「ブルブルブルブル…死ぬかと…思おた…ガチガチガチガチ…」
「全く… おっちゃん 楽しそうだな」
「楽しいぞ こうしてみんなと居ると嫌な事を全て忘れられる」
「嫌な事か…長く生きてると嫌な事も沢山あったんだろうな…」
「そうじゃな…嫌な事も良い事も…小丸は楽しんで居るかのぉ」
「大丈夫だ!おばちゃんとこまっちゃんと一緒だから」
小丸は お姉さんが帰る時
「僕 小町お姉ちゃんとこに泊まりに行きたい」
ついて行ったのだった
「小太郎殿」
「なんだ?」
「ありがとう」
深く頭を下げる小ちゃいおっちゃん
「どうした?また凍るぞ」
小ちゃいおっちゃんが動かない…
「ほらまた…」
「ブルブルガチガチ…寒い…」
「だから言ったろ…どうしたんだ?」
「小太郎殿と晶殿が居らんかったら わしらは小丸 静殿 小町 その他の妖精に会う事が出来んかった いや 居ったとしてもわしらが見えなくてはどうしようもなかったんじゃ」
「本当に他の人には見えないのか?こんなにはっきり見えんのに…」
「見えぬ!もし誰にでも見えたとしたら わしらを悪用しようとする者が必ず居る」
「そうか…だよなぁ」
「大人で見える者など 稀 と言ってもよい」
「おばちゃん 見えんだもんなぁ…スゲーよな」
「そうじゃな それも あの ヤンチャな小町と仲良うやっておる」
「こまっちゃんがおっちゃんの妹か…」
マジマジと小ちゃいおっちゃんを見る
「どことなく似ておるじゃろ」
「ん〜〜目も違う…鼻も違う…もちろん頭も…どこか似てんのか?」
「つむじじゃ!」
つむじ…おっちゃん つむじあんのか?
敢えて小太郎は何も言わなかった




