小太郎 わしをスキーに連れてって 1
「小太郎殿…また母上に怒られるぞ!」
「ん…寒い…もうちょっと…」
小太郎小学3年生
今日は2学期の終業式
「母ちゃん おはよ…」
「ほら 早くご飯食べなさい」
「グゥ……」
「小太郎!立ったまま寝ない!」
器用な小太郎…
「母ちゃん!明日から冬休みだぞ!」
「わかってますよ」
「もうすぐお正月か…」
「小太郎 今年は父ちゃんと一緒にお正月を迎えられますよ」
「本当か!お正月は父ちゃん忙しいんじゃないのか?」
「父ちゃんの後輩がいたでしょ?あの人が試験に受かって父ちゃんの代わりが出来るようになったみたいで」
「そうか!」
父ちゃんの船が事故に遭った時 会見で父ちゃんからの小太郎と小次郎にメッセージを伝えた あの若い船員
「晶ちゃん 後でね!」
「うん!後で!」
「母ちゃん ただいま!」
「おかえり」
「やっと明日から冬休みだ!」
「早めに冬休みの宿題やっちゃいなさい」
「えぇ!休みは3週間もあるんだぞ!」
「じゃあ 父ちゃんが帰って来た時 小太郎は宿題やってるんですね」
「………」
痛いところを突かれる小太郎
「太郎ちゃん!」
「晶ちゃん来た!あがって!」
「太郎ちゃん 冬休みにスキー行かない?」
「スキー?行きたい!」
「今年はお父さん早くに休み取れたみたいで この前のキャンプの時 スキー行く約束したから 『小太郎くんも誘いなさい』って」
「母ちゃん!父ちゃんはいつから休みなんだ?」
「クリスマスイブの朝に帰って来て それから2週間って言ってましたよ」
「太郎ちゃんのお父さんも休み取れたんだ!」
「母ちゃん!」
「後で 父ちゃんに聞いてみましょう 父ちゃんもスキー好きだから多分大丈夫ですよ」
「やったー!」
「それじゃ 冬休みの宿題早く終わらせないとね」
「太郎ちゃん クリスマスまでに終わらせようね」
「う…うん…」
元気がなくなる小太郎
「太郎ちゃん楽しみだねぇ」
「そうだね!やっぱり行くなら おばちゃんとこのスキー場だな」
「太郎ちゃん おばちゃんって言っちゃダメだよ」
「小太郎殿 何が楽しみなんじゃ?」
「おっちゃん スキーに行くんだぞ!」
「ほぅ!スキーか!」
「おっちゃん スキー知ってんのか?」
「もちろんじゃ!わしが若い頃はここいら辺も雪が積もってのぉ 静殿とよくスキーをしたもんじゃ!」
「そんな昔からスキーってあったの?」
「うむ 昔はスキーとは言わなかったのぉ じゃがテレビと申す箱で観るスキーはわしらがやっておったものと同じじゃ」
「そうか!おっちゃんも行くか!」
「連れて行ってくれるのか?」
「じゃあ みんなで行こう!私 小丸くんに帰ったら言っておくね」
「小丸は何故晶殿と遊びに来んのじゃ?」
「なんか観たいテレビがあるんだって」
「わしよりテレビを取りおったか…」
「静おばちゃんにも言っておかないとな」
「よし!わしが今 これ で連絡するとしよう」
「電話だな」
「ちょっと違うぞ わしらは念力を使って話すんじゃ」
「なら それ無くてもいいじゃん」
「……気分じゃ」
気分なのか…
「わしじゃ…まぁ…う…うん…すまん…いや…うん…しかし う…うん…すまん…」
どうした?
「楽しみにしておると言っておったぞ!」
今の小ちゃいおっちゃんだけの話を聞く分には…
どこにも スキー という単語がなかったが…
ただ 謝って終わったような…
この日 晶ちゃんが帰る途中 静おばちゃんの所に寄って伝えた
やっぱり 静おばちゃんには伝わってはいなかったのだった
「晶ちゃん 楽しみにしてますよ」
「うん!じゃあね」
そして…
「太郎ちゃ〜ん!」
「晶ちゃん…おはよ…」
今日はクリスマス
「おはようございます」
「また お世話になります」
「こちらこそ」
「太郎ちゃん?具合悪いの?」
「晶ちゃん 違うのよ…小太郎 昨日 夜遅くまでかけて冬休みの宿題 全部終わらせたの」
「えぇ!太郎ちゃんスゴ〜イ!」
「えへへ…これで後はいっぱい遊ぶぞ!」
「小次郎くん また大きくなったなぁ!」
「あい!」
小次郎は父ちゃんに抱っこされて満面の笑み
「小次郎ちゃんモコモコで可愛い!」
「父上 母上 僕早くスキーやりたい!」
「小丸は初めてですもんね」
「わしらも久しぶりじゃのぉ」
小ちゃいおっちゃん家族は小次郎のモコモコフードの中に居た
ジリリリリ……
小太郎 晶ちゃん 小ちゃいおっちゃん家族は楽しいスキー旅行へ出発!




