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小ちゃいおっちゃん物語 其の十一

「小太郎殿!良いか!半刻じゃぞ!」

「わかった!」


「若返ったところで お主1人ではわしは倒せん!」

ブォーーーー!

炎を吐く 龍

「キェーーーーーー!」

おっちゃんの奇声で 炎を押し返す


「今じゃ小太郎殿!」

「おっちゃん…耳が……」

「……」

「サスケ!」

「おぅ!」

サスケと才蔵が小太郎の左右の耳へ


「小太郎殿 聞こえるか?」

「なんとなく…」

「若!ご指示を!」

「わしの能力は皆に迷惑をかけるのかのぉ…」

いじけるおっちゃん


『禿げや!』

「ん?誰じゃわしを呼ぶのは?…って!わしは禿げではない!今から生え揃うんじゃ!」

『相変わらずじゃのぉ 禿げは!』

「…その声は」

『やっと気づきおったか』

「晶殿…晶殿なのか?」

『わらわの事はまだ伏せておくのじゃ!』

おっちゃんの頭の中に話し掛けて来たのは晶殿だった

「じゃが何故…」

『おぬしがわらわを助けようとした時 おぬしの中にわらわの 気 を流しておいたのじゃ』

「なんと!全然気がつかなかった…気 だけに…」

『………』

「気 だけに…」

『黙れ!黙らぬか!』

「ヒィ!」

『禿げ よく聞くのじゃ!あやつの弱点は 両の髭じゃ!』

「髭とな!」

『そうじゃ!両の髭に同時に攻撃するのじゃ!』

「なんと!じゃから素盞嗚尊は1人では無理じゃったのか!」

『そう言う事じゃ!』

「それなら…小太郎殿が1人で頑張ったところで…」

『お爺様が若返っていれるのは後どれ程じゃ?』

「四半刻(15分)じゃ」

『そうか ならばお爺様に雷遁は使わぬように申すのじゃ!』

おっちゃんが振り返ると


「雷遁の術!」

バリバリバリ!


「もう使ったが…どうする?」

『禿げが悪い!さっさと伝えぬからじゃ!』

「わしか…わしが悪いのか…伝えようと振り向いた時は もう打っておったのに…わしが悪いのか…」

『ブツブツうるさい!もう打たないよう早く伝えるのじゃ!』

「全く…」

『早く!』

「はい はい…小太郎殿!雷遁は使わず気を溜めるのじゃ!」

「小太郎殿 雷遁は使わず気を溜めよとの事です!」

「気を溜める?おっちゃんからか?」

「そうです!」

「何か考えがあるんだな…でも 攻撃をかわしながら気を溜めるのは難しいぞ…」

「あっしらにお任せを!行くぞ才蔵!」

「おぅ!」


サスケと才蔵が 龍 に飛び移る

「気をつけるんだぞ!」


「小太郎殿!」

「おっちゃん 何か思いついたのか?」

「わしではない 晶殿じゃ!」

「晶?何言ってんだ?」

「小太郎殿には説明が難しい…」

『禿げ 代われ!』

「どうやるのじゃ?」

『黙れば良い!』


「お爺様!」

「おっちゃん何言ってんだ?」

「ちゃんと声を聞くのです」

「声?そういえば…甲高くないぞ」

「お爺様 晶です!」

「おぉ!おっちゃん 晶の声色上手いな!」

「……お爺様 ふざけてる場合ではありません」

「ふざけてないぞ…」

「お爺様!合図を出したらお爺様は左の髭に雷遁を打ち込んでください!」

「龍 の髭?左だな!わかったぞ!」

「ちなみに…向かって左とはどちらですか?」

「どちらですか?って…左だろ?」

「…左手を挙げてみてください」

ヒョイ!

「その逆が左です…」

「こっちが左か…」

1/2をことごとく外す小太郎


「若!小太郎様の時間がそろそろ!」

「そうか!晶殿!」

『うむ!』

「サスケ!才蔵!戻るのじゃ!」

「御意!」


『禿げや!わらわが合図を出したらこうべを垂れるのじゃぞ!』

「なんか嫌な予感しかしないのじゃが…」

『考えてる暇はないぞ!お爺様に合図を出すのじゃ!』

「小太郎殿!」

『待て!お爺様の左手に噛み付くのじゃ!』

「おぉ!そうか!小太郎殿すまん!」

ガブッ!

「痛っ!おっちゃん…腹減ったのか?」

「違うは!小太郎殿 そっちが左じゃぞ!」

「こっちが左…おっちゃん わかった!」

「いいか小太郎殿 間違うでないぞ!」

「大丈夫だ!」

『禿げよ!こうべを垂れよ!』

「小太郎殿!今じゃ!」

「おぅ!」


「雷遁の術!」『水遁の術!』

バリバリバリ!シャーーーー!

小太郎の雷が見事 左の髭へ


「おぉ!若の頭から物凄い勢いで水が!」

「ぬぉぉぉぉぉ…わしの頭が〜〜〜!」


「ぐぉぉぁぁ〜〜〜!!」


「おぉぉ 龍が縮んでいくぞ!」


龍は消えた


「おっちゃん!やったな!」

「小太郎殿!見事じゃ!ところで 体はなんともないか?」

「疲れた〜〜」

「それだけか?」

『禿げや お爺様は大丈夫じゃ!若くなっての邪精との闘い 50年の時を差し引き 今 ただのジジィに戻っただけじゃ!』

「ジジィって…晶殿は相変わらずじゃのぉ…」



「皆の者!大儀であった!皆の力のおかげで龍を倒す事が出来た!礼を言うぞ!」

「若様!いつの間にあのような技を!」

「あっ…そうじゃった 小太郎殿 わしの頭どうなっておる?」

「禿げてるぞ!」

「ぬぉぉ!やはりか…」

「いや…いつもと変わりないけど…」

「仕方ないか…」


『禿げよ 大儀であった!わらわはこれでさらばじゃ!』

「晶殿 このままわしの中にいる事は出来ぬのか?」

『このような 隙間風がスゴイところに長居は無用じゃ!』

「上手い!隙間風!わしの頭は隙間風…はぁ…」

『薄殿 小次郎の事 頼みましたよ』

「晶殿 泥舟に乗った…」

『沈むであろう!』

「せめて 最後まで言わせてくれても…」

『薄殿になら安心して任せられます』

「晶殿…」

『頼みましたよ』

「御意!」

『妖精界の若君がそのような言葉を使うでない』

「晶殿はわしの師じゃ!」

『禿げが何を申しておる では さらばじゃ薄若丸殿』

「晶殿…そちらの世界でもお元気で…」



小太郎と晶殿の活躍により (オロチ)は退治された



















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