小ちゃいおっちゃん物語 其の十
バリバリバリ!
「ぐわぁ〜〜〜!」
「小太郎殿!」
「おっちゃん!大丈夫か!」
「何故来たのじゃ!」
「『何故来たのじゃ!』じゃないっての!妖精が嘘ついていいのか?」
「いや…しかし…」
「おっちゃん…ありがとな!話は全部聞いたぞ!」
「小太郎殿…いつからそこにおったのじゃ?」
「今 来たんだぞ!」
「なら何故話が聞こえたのじゃ?」
「おっちゃんの声がデカイんだぞ!来るのが遅くなったのも おっちゃんの奇声で耳が痛かったからだし…三途の川が見えたぞ…」
「小太郎殿…すまん…」
「全く…おっちゃん!いくぞ!」
「待て 小太郎殿!あやつは手に負えん…相手が悪い…」
「なら俺1人で行く!雷剣!」
小太郎は雷の剣でオロチに飛び掛かる
「言ったら聞かぬところは昔のままじゃ…皆の者!小太郎殿を援護じゃ!サスケと才蔵は小太郎殿に力を貸してやってくれ!」
「御意!」
「おっちゃん!こいつ本当に妖精の類いか!デカすぎるだろ!」
「体型のデカさが妖気のデカさに繋がるんじゃ!」
「まぁ デカイだけ的もデカイって事だ!」
「お主のような老人にわしが倒せると思っておるのか!」
「サスケ!見よ オロチがだんだん縮んでおる」
「小太郎殿 なかなかやりおる」
小太郎はありったけの力を振り絞って闘った
「くそ!人間如きにわしがやられるはずがない!」
「おまえになんか負けるか!」
「紅!わしと一緒に来るのじゃ!」
「は!」
おっちゃんと紅が小太郎の肩に乗る
「紅!小太郎殿の体力を回復するのじゃ!」
「御意!」
「小太郎殿!オロチの首を切り落とすのじゃ!」
「どの首だ?」
オロチは元々八つの頭を持っていたが今は三つ首になっていた
「向かって左じゃ!」
「左だな!わかった!」
小太郎が首を狙いジャンプ一番!
「オロチ!覚悟!」
ズシャッ!
「小太郎殿!そっちは右じゃ!」
「何!」
「全く…未だに左右がわからんのか…」
「……」
「まぁ よい!後2つじゃ!」
「ひぃじっちゃんって…左右がわからなかったの?」
「……うむ…何をするにも100%の確率で逆に行っておった…」
「じゃあ 逆を言ってあげれば良かったのに…」
「わしもそう思ったのじゃが…」
「小太郎殿!よいか!右じゃ!右を狙うのじゃぞ!」
「わかった!右だな!」
サスケと才蔵がオロチの注意を引き 小太郎が隙をつきオロチに斬りかかる
「おりゃ!」
ボトッ……
「おっちゃん!やったぞ!右だろ!」
「確かに右じゃ…逆を言った時に限って…」
「って事は…あれが本命なのか?」
「そう言う事じゃ…」
「ややこしい事言うなよなぁ…」
「ヌハハハ!この時を待っておったのじゃ!」
「何を言っておる!負け惜しみを!」
「なら教えてやろう!わしが何故三つ首じゃったかを わしは元々頭は一つだったのだ!その昔 暴れるわしに挑んで来おったのが お主らも知っておろう 素盞嗚尊じゃった」
「知らん!」
「小太郎殿…少しは勉強を致せ…」
「勉強嫌い!」
「…まぁよい…オロチよ おぬしは素盞嗚尊に5本の首を刎ねられたのであろう!」
「それは違う!後の人間が 素盞嗚尊を英雄に祀り上げる為に真実を捻じ曲げおったのじゃ!」
「どう言う事だ?」
「あやつは わしの妖力を分散させる為に頭を二つ増やしおったのじゃ!」
「増やした?」
「そうじゃ!やつも忍術使いじゃったのだ!」
「なんでそんなめんどくさい事したんだ?」
「わしを 1人で倒せないとわかったからじゃ!」
「なんで?」
「なんで なんでって…いいか!よ〜く聞けよ!わしを倒すのには一つの忍術では無理なんじゃ!じゃから素盞嗚尊はわしの妖力を分散して祠に封印する事しか出来なかったのじゃ!わかったか!…お主ら何をしておるのじゃ?」
「ちょっと待ってろ!今 相談してるから!」
「あんな事言ってるけど…本当か?」
「あのムキになりよう本当じゃな」
「どうしますか?あっしと才蔵も忍術は使えますが」
「おぬしらの忍術ではオロチには効かぬはず…やはり晶殿の力が必要だったのだ…」
「お主らまだか?」
「もうちょっと!」
「どうすればいいのじゃ…」
「一旦退きますか?」
「お主ら…何故 わしが待たねばならんのじゃ〜!」
「ヤバイ!オロチが気がつきおった!仕方がない 闘いながら活路を見いだすのじゃ!散会!」
「おぉ!」
「見よ!これがわしの本当の姿じゃ!」
オロチが徐々に変化していく
「龍か!」
「ヌハハハ!力が漲るわ!」
「来るぞ!」
ドカン!
龍の尻尾の一撃で地が割れた
「おっちゃん!他の妖精を避難させろ!」
「しかし!」
「守りながら闘うなんて出来ないぞ!」
「わかった!サスケと才蔵…紅以外は退くのじゃ!」
「役に立てず すいません!命を惜しまれよ!」
「ネハハハ!遅いか早いかの違いじゃ!皆わしが食ろうてやるわ!」
「くそ!俺がもっと若ければ…」
「小太郎様 何か策でも」
「わかんない…ただ 力が保たない…」
「若!よろしいですか?」
「…しかたないであろう」
紅が小太郎に念を送る
「小太郎様 半刻の時だけです!それまでは 私の術で全盛期の力が出るはずです!」
小太郎が若返る
「おぉ!おまえスゲーな!」
「小太郎殿参るぞ!」
「おぅ!おっちゃん行くぞ!」
小太郎VS 龍
最終決戦が今 始まる