パトロールしています
もう、夏も過ぎました。
ですが、秋! ホラーの秋、怪談の秋です!
むしろ、秋の方がホラーっぽい。なぜならば、西洋ホラー映画は秋のシーズンの方が似合うから。あの寂れた感じは秋のさみしい雰囲気に似てます。
ということで、まだまだネタはあるので自衛怪ぼちぼち書きます。
部隊でも最も有名な幽霊の話。
その幽霊は、昼間は部隊の建物2階乾燥室に佇み。夜になると、夜な夜な見回りをするように徘徊する。 この話を聞いたとき、私の中ではパトロールする幽霊と名付けた。
ある時、M君はそのパトロール幽霊の話で盛り上がった。ので、同期数名と見える同期で乾燥室を見に行くことになった。
「なんか、いるのかよ?」
乾燥室の入口にたむろって、ワイワイ騒いでいた。
「やばいよ」
見える同期は言った。
「何が、いるのかよ?」
見える同期は、顔が真っ青だ。
「まじ、やばい。いま、目が合った」
一同、顔を真っ青にしてその場から離れた。
やばかったねー、なんだ、お前どーするのよ、などなど興奮気味に言い合っていた。だが、見える同期は顔を真っ青にしたままだった。
夜、みんな集まって団らんしたいた中だった。
昼間の出来事なんてみんな忘れて、馬鹿げた話ばっかしていたときだった。
「どーしよう!」
くつろいでいる空気を裂くような悲鳴じみた叫び。
「どーしたのよ?」
見える同期が顔を真っ青にし、ドアを指さし震えている。
「昼間の奴、昼間の奴、昼間の奴、昼間の奴」
ドアには誰もいない。
「落ち着けってな?」
震えは一向に収まってくれそうにない。
「昼間ってなに?」
「えーっと、確か・・・・・・。乾燥室で――」
「まさか」
一同は顔を見合わせ、声を失う。
「乾燥室の幽霊がやってきた」
その言葉をつぶやき、その同期は気を失ってしまった。