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焦る
Mは、新隊員の教育で困っていたことがある。
それは
なかなか、起きれないこと。
朝、起床のラッパが鳴った。
起き上がって、上だけ迷彩服を羽織る。迷彩帽子を被り点呼に出る。
並んで、点呼を受ける。
朝の流れはたいていそう。
だが、Mはラッパの音で目がさめる。
なかなか、動けない。やっと動けたら、慌て準備。
そんな、流れである。
金縛りなんだけれど、なぜかいつも起床時間である。まるで、Mに嫌がらせをしてるかの如く。
ある日、また現象が起こった。
ラッパが鳴る。目が覚める。動かない。
今度はびくともしない。たいていは力を入れて、なんとか動けた! という感じらしいんだが、この日に限って本当に動かない。
やばい、やばい、やばい。
怪奇な現象よりも、班長に反省をくらうほうが怖い!
やばい、やばい、やばい。
「起きんかっ!」
怒声がして、叩かれる。
すると、ぱって起き上がれた。
当時を振り返り、Mはこう言う。
あの時はほんとうに止めてほしかったわ。
こっちは、焦るんだから。