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06

お花見会を終わらせる所まで書きました。

ではでは、お話をお楽しみにください。


メイド長であるネルファーティエと執事長二人は会場を部下たちに任せて陛下たちに付いていた。



色とりどりのスイーツに会話を楽しむ貴族たち、様子を観察しても問題は起きていなかった。


「ふふ、みんな楽しんでるわねえ。」

王妃たちもスイーツや他愛のない会話で盛り上がっている。



「……そういえば今日のスイーツのメインはネルファちゃんが作ったのよね?」

王妃の言葉に陛下たちも興味津々でネルファーティエの方を見てくる。

ネルファーティエは王妃の情報の速さに感心しながら一礼して、答える。

「畏れながら、わたくしは提案させて貰っただけで作ったのは料理人たちでございます。」と。


そして、見計らったかのように料理長がスイーツのメインをお披露目しようとしていた。


「ご歓談中失礼します。本日のスイーツはいかがでしょうか?これから皆様にお出しするのはこのお花見会の為だけに作られた1品でございます。」


料理長がそう言うと、料理人たちが出てきてスイーツを一人一人に配り始めた。

真っ先に配られた陛下たちはスイーツを見て感嘆の声をあげた。


「スイーツが手元に届きましたか?そのスイーツはうぐいすと言います。どうぞご賞味くださいませ。」

料理長は言い終わると調理場に戻っていった。

貴族たちは、陛下たちの方を見る。

まず最初に陛下がスイーツを食した。

そして王妃、殿下…と食するのを見届けたあと貴族たちは自分のスイーツに手を伸ばし始めたのだった。




「素晴らしいわっ!このもちっとした不思議な感触もはじめてだけど、見た目も可愛らしくてとっても美味しいっ。ネルファちゃんは料理の才能もあるのではなくて?」

王妃は食した後、スイーツの感想を頬に手をあてて述べた。


「ありがとうございます。」

ネルファーティエはまた一礼して王妃の空っぽになったティーカップに紅茶を注ぐ。

そして、王妃の反応や貴族たちの反応をみても好評なのが分かったネルファーティエはホッと心の中で安心していたのだった。




ネルファーティエはふと、懐中時計を見た。

3時25分、もうそろそろ夜の部の方の指示を確認しなくてはいけない時間になっていた。

ネルファーティエは執事長の方を見る。

執事長はこちらの意図を読み取って軽く頷いてくれた。

ネルファーティエは陛下たちに気づかれないようそっと、音をたてずその場を後にしていった。






「……これから夜の部の確認に入ります。責任者は自分の持ち場で待機してください。」


ネルファーティエは部下に指示を出し最初の持ち場へと向かっている最中だった。


夜の部ではライトアップされた花や珍しい食材を使った料理がメインになっている。

しかし、ライトアップされた花だけでは暗すぎて華やかさが足りないし、春といっても夜はまだ寒い、寒くて料理が冷たくなるのはどう考えても王家主催のものではあり得ない…あってはならないことだ。


ネルファーティエは全部の持ち場を確認した。

幸いこれと言った問題も見つからず、後はもう部下たちに全部任せても大丈夫だと判断する。

ネルファーティエは急いで陛下たちのもとへと戻ろうとまた庭園に入っていった。






陛下たちをやっと肉眼で捉えられる所にネルファーティエは着いた。

やたらと、庭園が広いのも考えものだなとネルファーティエが思っているそんな時だった。

いきなり、城の結界が壊れたのは……


甲高い悲鳴とともに現れたのは翼をもつ魔物ドラゴンだった。

魔物ドラゴンだからこそあり得る純度の高い魔力を放つソレは王都に、現れるはずのないモノだった。


ネルファーティエは一瞬で庭園の状況把握を行う。

部下たちは思いの外優秀で、貴族たちを避難させていた。

しかし、魔物の目の前にいたのが逃げ遅れた王妃だった。

それに気がついた騎士たちが王妃のもとへ駆けつけようとする。

それに気がついた魔術師たちが魔物に魔法を放とうとする。

しかし、ネルファーティエはそれでは間に合わないと気がついていた。

あの魔物はそれよりも速く攻撃を仕掛けられることを知っているから。

ネルファーティエはただ王妃を死なせるには惜しいとそう思った。

ネルファーティエにはそれだけで十分だった。



ソレが王妃に火を吹いて攻撃した。



誰もが王妃の無惨な肢体を思い浮かべた。

しかし、無惨な王妃の肢体は何処にも見つからなかった。

そこにあったのは座り込む王妃と横たわる魔物ドラゴンそして…剣を持ったネルファーティエだった。


何が起こったのか誰も分からなかった。

その中で最初に動いたのはネルファーティエだった。

後ろを振り返り王妃に語りかける。


「大丈夫ですか?」と。


「ええ、大丈夫よ…ネルファちゃん。」

王妃はかろうじてネルファーティエの問いに答えた。




そして、幸いなことに魔物ドラゴンに襲われたにもかかわらず王妃を含めて誰一人怪我をしないですんだのだが…結界が壊れてしまい修復するために夜の部は中止となってしまったのだった。







…ネルファーティエはまだ知らなかった。

このお花見会の時から、メイドの日常が壊れていくことを。



いかがでしょうか?

誤字脱字、注意点がございましたら報告をお願いいたします。


1000文字で1日一回と2000文字で2日に一回どちらがいいんでしょう?

少し分かんないです。


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