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結果発表《貴方の力の適性は》

最後まで読んで頂ければ幸いです。

それではお楽しみください。

ガヤガヤ…ザワザワ…


現在午前八時三十分。この学校では始業は八時四十分からのため、生徒達の間には弛緩したムードが漂っている。


かくいう俺も、というか俺らもその中の一部である。


俺は昨日カルムで放課後を過ごしたメンバーと、今日配られるであろう適性検査の結果のことを話していた。



「楽しみだな、自分の適性がわかるってのは」


「こういう○○検査とか心理テストみたいなのってなんかテンションが上がるな〜」


「そうだね。自分の事は自分だけじゃわからないこともあるし。」


「妙希は、すぐそういうのに流されやすい。占いとか。」


「えっ、だって占いとか信じない…?」


「僕は…あまり信じないかな。」


「私も。」


「俺は、自分にとって良い事だったら信じるかな」


「木乃君ってたまにそういう夢がないこというのね…」


「ギャップってやつじゃないかな?」


「ギャップ、ねぇ…」

一体どういう印象を抱かれているのか。



すると、始業を告げるチャイムが鳴り響いた。

今日から学園生活の始まり…

そう思うと、なぜか無性に気分が上がっていた。



―――――――――――――――――――――



「みんな、まずは席につくのですよー」



どうやら今から先日の適性検査の結果が返されるようだ。



「なんか緊張してきたな…」


「木乃君も緊張とかするのね」


「一ノ瀬さん…貴女は俺のことをなんだと思ってるんだ…」



クラスメイトの俺への風当たりが強いように感じるのは俺だけだろうか?


そして十分後。


俺達は、返ってきた結果をお互いに見せあっていた。

この適性検査では

音への適性《聴力》

異能への適性《異能力》

どの高さの音が聞こえるか、つまりどれだけの能力を扱えるかを示す《可聴域》

どれだけ正確に音を判別できているかを示す《音感》

その他の心理テストのような項目にチェックしていき、結果用紙には、前述の四つの項目の他に、演算速度、演算領域の広さ、自分に適した能力、不向きな能力、特化型か万能型か、などが記載されている。

ちなみに四つの項目と、演算速度、演算領域の広さについてはS、A、B、C、Dの5つのランクに分けられている。



(演算速度と領域の広さがA、聴力と異能力、音感はB、可聴域はCか…

欲を言えばSとか欲しいけど、今までほとんどいなかったって言ってたし、Aが二つってのは良い方らしいからな。

欲を言うなら全てB以上が良かったけど…あとは自分次第だろうな。

やっぱり適しているのは加速系の能力か、…ん?苦手なのは幻惑系…確かにそういうのは苦手そうだなぁ俺…

そして案の定特化型か。

皆は、どうだったのだろう。)



そう思っていると、一ノ瀬さんが話し掛けてきた。


「木乃君、どうだった?」


「あぁ、一ノ瀬さん。

どうなんだろう、まぁまぁだと思う。」


「ちょっと見ても、いい?」


「良いよ。はい、これ」


「ありがとう。

……

すごいな、ほとんど高評価なんだね」


「そこは俺も嬉しかったよ。

後はなんとなく予想していた通りかな。

一ノ瀬さんは、どうだったの?」


「私はこんな感じ」


演算速度がCで、後は全てBランクだった。

そして適性のある能力は氷結系の能力。一ノ瀬さんらしいといえばらしい結果だと思う。


「万能型なんだね」


「うん、平均的な評価だった」


「万能型か、やっぱり羨ましいな」


「でも、特徴はないよ?」


「やっぱり応用が色々効くっていうのは羨ましいよ」

そんな話を一ノ瀬さんとしていると、


「あ、中学生コンビ!どうだった?」


「ご挨拶だな、霧島……」


「あ、ごめんね、遥ちゃん…」


「おい、俺もいるんだが、」



霧島 奈々花。

霧島は俺と同じ中学の出身で、クラスのムードメーカーのような存在だった女子だ。

その見た目はおそらく多くの人が美少女と呼ぶものだろうが、同じ中学の友人曰く、「その遠慮の無ささえなければ、ムードメーカーじゃなくてアイドルだっただろうになぁ…」とのことだ。

今のように、人のコンプレックスに簡単に触れてくる、ということが多いのだ…

というか中学生はないだろう、ちゃんと高校一年の平均はあったはずだ。



「私は大丈夫。

それより、奈々花はどうだったの?」


「ん〜あたしは全然だったなぁ。

Aが1つだけあったけど、後は大体BかCだもの」


「何がAだったんだ?」


「領域の広さよ。先生に細かいことは苦手なタイプです?って聞かれちゃったわ」


「実際苦手だろ?」


「んー…そうだけど。

適性のある能力は風を操る系統の能力よ。

その範囲一体に一気に力を与えるって、あたしにぴったりじゃない?」


「似合い奈々花には似合いそう。

…ん、妙希と葵君は?」


「工藤さんは知らないけれど、俊ならさっき先生に呼ばれてたぞ、結果のことでなにか話してるんじゃないか?」

なんで誘ってくれなかったのよ!



「ところで駆!」


「なんだ急に…」


「昨日、みんなとカルム行ったんだって?」


「そうだけど、どうかしたのか?」


「あ、あぁ、ごめん…」


「…次は誘ってね?」


「あぁ、分かったよ。

どうせなら、みんながよければ今日も行くか?」


「ほんと!?ならお言葉に甘えさせてもらうわ!」


「そうね、妙希もそのほうが嬉しいだろうし」


「楽しみだな…沢山話したいし!」


「ほどほどにしといてやれよ?

とりあえずあの二人が戻ってくるのを待とうか。」



あの二人はまだだろうか…奈々花は工藤さんと波長が合いそうな気がするから、二人が話すのを見るのはとても楽しみだ。


しかし、その後俊は合流したのだが、工藤さんは俺達の輪に加わってくる事は無かった。


何か、あったのだろうか…

様々なご感想お待ちしております。

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