《適正検査》~after~
トーク・トーク・トーク!
ずっと喋っておりますね
最後まで読んで頂ければ幸いです。
それではお楽しみ下さい。
…
「木乃君、特化型なんだね、検査員べた褒めだったんだってー?」
「うん、正直嬉しかった。それに頑張ろうって思えたよ。」
「葵君は万能型なのね、らしいといえばらしいけど」
「そうかい?ありがとう。」
喫茶「カルム」
ここは東学からほど近いアーケードにある喫茶店で、その立地から東学の生徒が良く使用する喫茶店だ。
ここで出されるものはどれも大人にも評判が高い。
特にここのコーヒーとパンケーキのセットは雑誌でも紹介される程だ。
ちなみに店名「カルム」の意味をマスターに尋ねたところ、フランス語で「静か」という意味らしい。
しかし客のメイン層が学生なので、静かだと感じる事はあまりないのだが。
俺はここのコーヒーが大好きで、ここに来た時は必ず飲むようにしている。
「…木乃君ってコーヒー飲めるんだ…しかもブラックじゃない?」
「そうだけど、そんな不思議な事か?」
「木乃君、妙希は木乃君がそんな可愛らしい容姿をしていながらブラックコーヒーを飲
むのが似合わないと言いたいんだと思う」
「なっ…俺は可愛らしくなんかないぞ!」
「木乃君は女装とか似合うんじゃないかな?」
「俊は何を言ってるんだ…!」
本当にコイツは真顔で何を宣っているのだろうか。冗談じゃない、確かに、身長は高い方ではないと自覚しているが、顔の方は普通だと(俺自身は)思っているのに。少し華奢なだけなのだ。
「あ、葵君、私もそれ分かるかも。」
「お前ら、いい加減に…」
「失礼します、こちらパンケーキになります。そちらのお嬢様お二人でよろしいですか?」
ちょうどいいタイミングで、話題が途切れた。
…ウェイターには感謝を示さなければならないだろう。
「やっぱりここのパンケーキって美味しいよねぇ…」
「妙希はここに来たらこればっかり食べてる」
「ちょっと!私、そんなに量は食べないわよ!?」
よし、なんとか難をのがれる事ができただろう。
にしても、女装か…
中学の時の悪夢が…
「どうしたんだい、駆君。
顔色があまり芳しくないようだけど」
「いや、ちょっとな、叫んだから酸欠気味になっただけだよ」
「ははっ、まぁまぁ落ち着いてよ。
ところで、本当に女装とかしてみる気は…?」
「あるわけ無いだろ!!」
「木乃君、似合いそうなのに」
「遥と木乃君が並んでると同い年とは思えないわね…」
「妙希、それは私への挑戦状?」
「ち、違う、違うわよ!?」
確かに一ノ瀬さんは小柄だけど、そこに俺も入れないで欲しい…
「まぁまぁ落ち着いて。
コーヒーも来たことだし、一旦休憩しよう」
ナイスだ、俊。
俺は心の中でガッツポーズをしていた。
―――――――――――――――
皆がそれぞれ頼んだメニューに夢中になっていると、話はまた適正検査の話になっていた。
「それで、工藤さんたちはどうだったんだ?」
「私も特化型なんだって。
でも特別なにか言われたわけじゃなかったなぁ」
「私も、でも特化型ではなかった」
「まぁ詳しいことは結果が返ってきたら、だね。」
「こういうテストとかってさ、やってる間はつまんないけど終わると結果が気になるよな」
「それわかる!
でもテストは悪いってわかってる時は返って来て欲しくないなぁ…」
「ま、今日のところはこの辺にしとくか。」
「工藤さん、一ノ瀬さん、誘ってくれてありがとう。」
「俺からもありがとうな。」
「全然、大丈夫」
「クラスメイトだしね、当然よ?」
「それじゃ、また明日。」
「「「また明日ー」」」
いかかでしょうか。
正直会話文苦手ですね、誰が喋っているのか分からなくなったりしますし。
次回はまた学校に戻っていることでしょう。
様々なご感想お待ちしております。
お読みいただきありがとうございました。