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初のオリジナルの挑戦です。試験的に公開します、唐突に非公開になるかも知れません。
『無意識下での参加要請を確認――承認しました。参加要請者を、候補者として承認します』
その日の夢は、いつもと毛色が違った。暗いような、薄蒼いようなそんな背景の中で浮いている自分、だが浮いているはずの自分の体が見当たらない。身体はないのに、浮いていることだけは分かる――そんな違和感。そんな不思議な空間に淡々と響く一定の抑揚を全く乱さない声。
『参加申請受諾による個体識別情報を設定――完了。心象波形による内包方向性を検索――剣、槍が該当』
夢を夢と理解している夢も珍しいな、そんな事を考えている間にも、どんどんと無感情な声が、理解しかねる言葉を紡いでいく。恐らくは重要なことなんだろうが、あまりに淀み無く、まるでコンピューターのプログラム言語のような流麗さで紡がれていくため、内容が脳に刻まれる前に話が進んでしまう。
『同調の×××を設定、把握の×××を設定――完了。精神転送を開始――』
辺りはほの暗いまま、何が起こっているのか分からない。ただ紡がれる言葉をはっきりしない頭で延々と反芻するのみ。ふと気づくと、自分の視界に恐らくは自分の腕があった。思わず辺りを見回すと、さらりという感触と共に黒い糸のようなものが視界を横切る。いつの間にか生えていた指で触って確かめると髪の毛のような感触。引っ張ってみると、何故か感覚は鈍いが引っ張られているような痛みを感じる。と言うことは自分の髪だろうか。視界に入るほど長い髪型ではなかったはずだが……?
『完了、初期設定を起動。形質:【戦士/ウォーリア】、個体登録名――』
その声と同時に、全身が唐突に出現した。胴体、足、そして先程から見えていた腕――全て彼が知る自分の体ではない。自分はこんなにバランスの良い体をしていないし、この腕にしろ足にしろ、細いように見えて高密度の筋肉を内包しているのがわかる。力が漲ってくるような、そんな感触。
『――×××』
その言葉は全く耳には聞こえない雑音のように響いたが、何故か彼の脳内にはそれが歴とした名前の響きと捉えられた。そうか、自分は×××と言うのか――足りなかった何かにピッタリと嵌るようにその名前が自分に浸透する。そして、己を×××と認識した瞬間に世界が変容していく。暗い空間は、赤茶けた大地に、鉛色の空に、そして見たこともないような異形の影に。
「なん……だ、これ?」
『覚醒条件通告。【覚醒標的/フラグ】撃破。解放条件通告。聖戦の勝利、死亡。以上、候補者の承認プロセスを全て完了』
その声を最期に、彼は見たこともない大地へと放置されていた――
「――後衛職は二次防衛ラインまで下がれ、スキルが来るぞ!!」
凄く懐かしい回想を見ていた気がする――意識が戻って最初に感じたのはソレだった。未だに目の前には異形の影が尾を振り上げて威嚇の様を示している。その動きにスキル発動の前動作を見て取った前衛の【戦士/ウォーリア】の男が叫び声を上げて警告したのが先ほどの声だろう。あの尾の一撃は低確率で状態異常を引き起こす、二人一組を組んでいた回復職の女に向かった攻撃に割り込んでダメージを引き受けたは良いが、見事に運悪く状態異常を起こしたらしい。恐らくは睡眠(弱)の状態異常だったのが、至近距離からの男の大声で解除されたというところだろうか。
ともあれ状況は動く。前衛からの警告が後衛の魔法隊に届くとほぼ同時に、異形の影が尾を振り上げたまま毒々しい赤い光で全身をうっすらと発光させる。その巨大な尾での凶悪な一撃を耐え切らん、または回避しようと前衛がそれぞれが得意とする思い思いの体勢を取る。回復職が想定されるスキル範囲外へ退避しきれていないが、それは想定内の話。その為の回復職と前衛職の二人一組であるのだ。即ち、回復職は傷を負った己の相方を即座に癒すことを使命とし、前衛職は柔らかく通常攻撃の一撃ですら体力を大きく削られるであろう己の相棒を庇いきる。回復専門職であり、唯一の回復可能職である【治癒士/ヒーラー】が存在するかどうかで、どんな戦闘でも生還率が変動するし、攻撃を引き受け尚且つ敵の気を後衛から逸らす前衛の腕次第で後衛の生存率が劇的に変化する。つまりはどの職が欠けても話にならないという結論に達する。
少なくとも事前情報によれば、あの仕草はスキル発動の前動作であり、その次に起こす行動は近接範囲攻撃――つまりは前衛の人間に対する強力な範囲攻撃を行使するとされている。この範囲攻撃に前衛が耐えられるならば、勝利の確率は大幅に上がると言ってもいい。その為に貴重な【治癒士/ヒーラー】を前線近くに置いてまで、前衛を回復させて万全の体勢を整えているのだから。
「【其は生の息吹、死を破却する祈り】」
背後から聞こえた微かな囁きは、幾度も聞いた【治癒/ヒール】の起動言語。彼が文字通り身を呈して庇った【治癒士/ヒーラー】が、そのつぶやきと共に彼の背中に触れる。その手が暖かさを増し、同時に体力が漲ってくるような不思議な感覚が湧き上がる。何しろ初めての【覚醒標的/フラグ】討伐戦だ――知らずに獲物である長剣を握る手に力が篭る。そうしてやってくるだろう衝撃に備えて数瞬――。
(様子がおかしい……?)
何時迄経っても攻撃がやってこない事に違和感を感じた時には、既に遅かった。尾を振り上げた敵はそれを振り下ろさずに、代わりに先程からうっすらと光っていた全身を覆う赤い光が明滅し始める。訝しげに思いながらも、ギリギリまで回復を続ける幾人かの【治癒士/ヒーラー】達や前衛へと、それはまるで心臓が鳴動するかのような有機的な脈動音と共に纏わりつくように絡んでいく。
「しまっ……!」
回復途中であった相棒を放置して、慌てて逃亡しようとした一人の【治療師/ヒーラー】が悪態を吐き終わる間もなく、とさり、と崩れ落ちる。見た目には外傷がないように見えたが、恐らくは体力は底を尽きているだろう――そのまま装備やアイテムを残して、まるで雨に濡れた泥人形のように、または灼熱の太陽に照らされた雪達磨のように溶けて消えていったのを確認したからであった。
「ひとが……きえちゃった……きえちゃったよ。く、くるな……くるなっ!!」
「……っ、誰だおい、【覚醒標的/フラグ】相手にこんな素人連れてきた奴はよ」
どうやら素人が混じっていたらしく、半分強行に染まったつぶやきが聞こえる。大概【喪失/ロスト】した人間を初めて目の当たりにした素人はこうやって取り乱すものだ。横目で見れば、その件の素人は半狂乱に陥り、赤い光を払いのけようと短剣を持ったまま身体を払う素振りを繰り返している。そして大きく動くその刃先を、煩わしさを隠そうともせずにその少年の隣にいた前衛の男が顔を顰めながら払いのけている。
赤い光に絡まれて、人が呆気なく淡雪のように溶けて消えたその光景は、こんな場でなければいっそ幻想的な光景にも見えただろう。此処に来て不本意ながら主観時間で三年ほどになるツアレとしてはそれなりに見慣れた光景だが、それでもその有機的な脈動を見せる赤い光がまるで血を連想させて精神衛生としては悪い。その視覚効果と高ぶり過ぎた精神状態が、血まみれに崩れていく肉体、グズグズと生きたまま腐れ崩れるような幻覚を脳裏にありありと描かせる。慣れている彼をしてそうなのだから、さぞやあの素人君にはキツイだろうな、とちらりと考える。そんな中、少年を一瞥した隣の男は、微かに鼻を鳴らしただけで興味なさ気に視線を逸らした。
スキル攻撃を食らっている最中なのに、そんなに悠長な思考を巡らせていられる理由はいくつかある。まず、前衛陣に絡みついた赤光だが、彼らに与えたダメージは微々たるものだったということが大きい。何しろゲームとは違って、数値で分かるものでもない為に感覚的なものとなるが、何にせよ肉体的には大したダメージを感じさせるものではなかった。同じ攻撃を同様の状況で受け他にもかかわらず、片や余りにも呆気なく綺麗に消滅し、片や大したダメージを受けていないという状況は何とも現実味を感じさせないものだった。取り敢えず彼が今言いたいことは1つだけだった。それは即ち、事前の話と違う――それのみだった。
先程退避を叫んだ招集主である【戦士/ウォーリア】の表情を伺うように視線を向けるが、倒すに足る情報を持っている、と豪語していたはずの招集主の男は蒼を通り越して紙の色となった肌に、凍りついたように貼り付いたように引きつったまま変化しない表情を浮かべていた。ソレを見て、見なければよかったと彼は心底後悔した。つまりはあれだけ自信満々だったこの男の、全く想像の範疇外の出来事と言うことなのだろう。
「畜生、駄目なのか?……今回もダメなのか?」
思わずつぶやきが漏れる。この世界に投げ出されてから初めて、そして下手をすれば最後かも知れないこのチャンスを、見事に棒に降っているような気がしてならない。大体が今からして思えば、この無駄に白く煌めく装備に身を固めた【戦士/ウォーリア】の男の話す内容自体が、どうにも胡散臭かったとは思えてくる。「事前攻略情報のある【覚醒標的/フラグ】がいる」というその言葉に、全く信用ならないと離れていった人間がいたことをもっと重要視すべきだった。
つまりはこの男の言葉に、一も二もなく食いついたのがそもそもの間違いだった――今では心からそう思うが、焦りに眼が曇っていた彼には恐らくどうすることも出来なかったろう。それに、今は過去を悔やんでいる暇はない。
そうそう遭遇するレベルのモンスターでは無いが、他の【覚醒標的/フラグ】の取り巻きモンスターとして多少出現していたモンスターである、と男はそう言った。そしてそれらと文字通り命がけで戦闘し、生還した連中が持ち帰った情報から今目の前で死神宜しく立ちふさがる紅い異形に対するある程度のデータは得られている――そう自信満々に語ったその姿は、確かにある程度の説得力と自信に溢れてはいた。何にせよ、それを嘆いても待っている結末は二つに一つだ――即ち、"生か死か(デッドオアアライブ)”の二択。
やたらと神経質に白く輝く鎧の手入れをしていた遠征前の男の顔を思い出して、彼は溜息を吐くことしか出来なかった。ついでに、それを曲がりなりにも信用してしまった数日前の過去の己を蹴り飛ばしてから首まで埋めて、耕してやりたかった。というのも、古代中国辺りに実際にこういう処刑方法があったらしい。
ともあれ、この目の前の蠍のような下半身に鎧のような外骨格で鎧われた人型の上半身を持つ異形――その名も【ヴァランテッサ・アンタレース】が使う特殊スキルと言うモノの中に事前に聞いた話の中には、この現象に当てはまりそうなスキルは無かった。
「……いくら紙装甲の後衛職なんて言っても、最大値近くまで合った体力を一撃で死亡まで持っていけるようなスキルなんて聞いたことねえぞ」
片手に直剣を持った別の男がボソリと、呟いた。それに同調するような雰囲気があちこちから感じられる。その言葉にリーダー格であった男は何も言わない、いや多分言えないのではないだろうか。
「【精神の暴食/マグヌス・エンブリオ】……だって?!なんだ、こんなの聞いてないぞ!!」
ツアレと同様に前衛にいた別の男が叫び声を上げた。確か自己紹介では【盗賊/シーフ】と言っていた事を彼は思い出す。取得スキルで【分析/アナライズ】を取得していると言う言葉に、戦闘スキルのみで固めがちな近接クラスにしては、戦闘で即時効果を表さない補助スキルを習得しているとは珍しいという理由で記憶に残っていた。【分析/アナライズ】は、己が経験したスキルや打倒した個体と同種類の個体であれば相手との力量差にも関係してくるが、ある程度の情報を知ることが可能であるという。恐らく今のスキル攻撃――彼に拠れば【精神の暴食/マグヌス・エンブリオ】とかいうスキルの範囲に、男も引っ掛かっていたのだろう。スキルによる攻撃を喰らって、【分析/アナライズ】の前提条件を満たしたようである。
「どんなスキルだ?!」
「……対象の精神力の最大値をそのまま肉体ダメージに転化する、だとよ。道理で前衛職が大したダメージを食らってないのに、後衛職が一撃死した訳だ」
そんな悠長な会話をしていられるのも、そのスキルを発動後に一時的に敵が硬直しているからである。スキルの発動後には硬直状態になると聞いていたが、この【ヴァランテッサ・アンタレース】の場合にはそれが長いようだ。正直、悠長に話している場合ではないが共有すべき情報だと皆がそれぞれ理解したらしく、【盗賊/シーフ】の男の説明を聞いていた。
「最大精神力――って要は最大MPをそのまま肉体ダメージに転化するのかよ……」
後衛にいる【魔導士/ソーサラー】が苦々しく呟いた。彼らのような魔法職にとっては自分の最大MPと同じだけのダメージが来ることは死と同義である。何しろ基本的に最大HP以上にMPが多いのが当たり前である魔法職は、このスキルにかかった時点でほぼ即死と言っていい。これこそまさに魔法職殺しのスキルであろう。
「唯一の救いは比較的近距離から中距離射程のスキルらしいからな、あんたみたいな完全後方援護の戦闘系魔法職は、適正位置にいれば巻き込まれやしねえと思うが」
「問題は今ので治療師隊がほぼ壊滅しやがったってことだ……糞が!」
突然【戦士/ウォーリア】の男がそう吐き捨てた。事前に説明されていた発動スキルである、近距離型範囲攻撃スキル【大尾の一撃/テイル・スピン】に備えての前衛職回復行動中、まるでそれを見透かしたかのような効果的に過ぎる一撃だった為に苛立っているのだろう。完全に作戦ミスである事は間違いないが、それをきっと認めたくないんだろう、と感じ取れる程に男は取り乱していた。
敵が尾を振り上げて溜めの動作に入るのがスキルの兆候だが、少し長めに溜め動作を行うために、時間の余裕がある――そういう前提で、その間に後衛から前衛や中衛位置まで移動した【治癒士/ヒーラー】が、一日に一度しか使えない上に接触型スキルであるが、それを補って余りある回復量が見込めるという【治癒/ヒール】や、非接触型であるが【治癒/ヒール】に比べて効果が低い代わりに二人まで回復できる【範囲回復/エクス・ヒーリング】を使用して相棒の前衛や、相棒の【治癒士/ヒーラー】を失った前衛を己の相棒と一緒に回復させるという作戦だったが、思わぬ隠し技で、回復の要である【治療師/ヒーラー】が、見事に軒並み一撃死させられてしまっていた。
「兎に角、死なないように……ってことか」
まともに治癒が可能な人間が死亡してしまった時点で、既にこの戦闘は絶望的だろう。それでも諦め切れないのか攻撃を再開しようとする【戦士/ウォーリア】の男の号令に、既に従わずに逃亡を図る連中もチラホラと見える。逃げ出し始めた連中と同様に逃亡しようか迷った彼だったが、チラリと振り返った光景を見て即座に考え直した。
彼が逃亡しなかったのは単にタイミングの問題である。【戦士/ウォーリア】の男の必死の号令が合図になったかのように、【ヴァランテッサ・アンタレース】が硬直から抜けだし、哀れな逃亡兵達へ【眷属召喚/サモーニング】という取り巻き召喚の特殊スキルを発動させていた。結果、人間大の肉食蠍共に無防備な背中からバリバリと食い荒らされては消えていくという光景を見てしまったのだ。見れば先程の少年も逃げていなかったが、彼の場合は状況を判断してと言うよりは腰が抜けてしまったといったほうが正しいのだろう。へたり込んだまま動かない。
「畜生……畜生……っ!」
リーダーだった筈の戦士の男が、いつの間にか己の責任を棚上げして逃亡している事に、彼の中に僅かに残っていた士気は既に崩壊した。【ヴァランテッサ・アンタレース】は既に逃亡した別の連中を追いかけて行ったのか、視界には見えない。だが、未だに召喚した蠍は残っており、彼は自分に襲いかかってくる肉食蠍に対して半ば恐慌、半ば自棄状態で剣を振り回す。何とも嫌な手応えと共に一匹の蠍がその身にツアレの剣を食い込ませて奇声を上げて倒れるのを見て、少し安堵して身体が弛緩した。フラグの取り巻きは取り巻きだが、元が劣化版な為なのか一般の敵と変わらない柔らかさであった為である。剣が通じるならば何とかなる――そう考え、そしてそれが致命的な隙となった。
キシャアアアアア――そんな雄叫びと共に別の蠍が身体を踊らせる。剣を構えようと慌てるが標的はツアレではなかったらしい。そのまま直ぐ横にいる誰かへと襲いかかる。見ればいつの間にか数メートル先に例の少年がへたり込んだまま襲われる寸前だった。逃げている内に近くに寄っていたらしい。腰の抜けている彼にとって蠍との距離は余りにも近すぎた。為す術なく覆いかぶさられ、首に向かって振り下ろされる尾に目を瞑ることもできないまま身を固くしている。
「……っ、本当に誰だよこんなところに素人連れてきたの……っ」
例え様もなくその姿が、此処に来た頃の己を思い出させたからというわけではない。断じて違う、そう考えながらも無意識に今にも少年に襲いかかるであろう蠍の尾を切り落としていた。思わず己の行動にぼやくが、いまさら遅い。
「あ……っ、ありがとうご、ございます……っ」
「……助けようと思ったわけでもないから、別にいいよ」
どもりながら目に涙を溜めて礼を言う少年にボソリと呟きながら、まるで仲間を呼ぶかのように断末魔を挙げて消え行く蠍を踏み殺し、周りを見回す。その後に続けようとした言葉は、喉奥にしまい込む――ロストが早いか遅いかの違いだしね、という言葉を。案の定、断末魔に群れるかのように集まる蠍に囲まれた彼は、と思わず目をつぶり――
「【神威の光条/シューティング・レイ】!」
突然聞こえた、どことなく聞き覚えのある声と共に身体が軽くなる。何時迄経っても自分を殺すであろう衝撃が来ないことに薄く目を開けると、そこには白い人影が立っていた。白い髪、白い肌の少し体格の小さめな少年のように見えるが、極限状態にいた彼には神の様にも見えた。
「あーあ、様子を見に来てみれば……大丈夫?ほら、戻ってくる前にさっさと逃げよう」
何が戻ってくる前か、など聞くまでもない。一も二もなくその言葉に頷いて折角だからと、少年を引っ張り上げて立ち上がらせようとしたが、どうやら完全に腰が抜けてしまったらしく立ち上がらない。それに気付いたのか白髪の少年がへたりこんだままの素人少年を担ぎ上げる。それを見て、恥も外聞もなく、未だ言うことを聞かない足を叱咤しながら、駆け出す少年に遅れないように必死に走っていった。
手探りで書いているため、唐突に色々構成が変化したりするかも知れません……ご了承を




