プロローグ
「ずっと好きでした! 付き合って下さい!!」
学校の放課後。体育館裏と言う定番な場所に呼び出された僕は、学校一の美少女と名高い人に告白をされた。だけれど
「お断りします」
むしろ、ふざけんなって感じ
「なんで!?」
「なんでも何もないでしょう、姉さん」
「明確な理由の提示をお願いします!」
「あなたが僕の姉だからです。終わり」
「短かっ!? それに致命的!!」
この本気でショックを受けている女性は僕の姉で、白波瀬まよいさん。通称マヨネー
別にマヨネーズが三度の飯より好きとか、マヨネーズが無いと手足が震えるとか、そういう事は無い。名前の通り人生を迷ってる人である
「とにかく、僕は姉さんと付き合う気持ちは一切ありません。今後も同様です」
「そ、そんなぁ……酷いよ。昔は結婚の約束までしたのに」
昔とは僕が八歳の頃の話。その頃、一歳年上である姉さんが僕にプロポーズをした所、僕は了承してしまったのだ
その後いきなりパンツを脱がされそうになり、僕は泣いて逃げ出した。もしあの時逃げ出さなかったら、一体どうなっていたのだろうか。怖くて未だに聞けない
とにかく、それ以来僕はこの姉に対し、強い警戒心を抱いている。もちろん家族としては大切に思っているのだけれど
「姉さん。姉さんも大人なのだから、そろそろまともになって同級生の方でも好きになって下さい」
「いや! 君以外の人とセックスしたくない!!」
「……姉さんねぇ」
たまに思う。この人は頭がおかしいのではないのかと
「そ、そんな眼で見ないで〜」
姉さんは泣きそうな顔で、恐る恐ると言った風に僕を見上げた
「……まったく」
なんとも呆れた姉だけれども、悪い人ではないので突き放す事が出来ない。それは僕の甘さなのだろう
「寒いですし、そろそろ家に帰りましょう姉さん。帰りに肉まんを奢ってあげます」
「わ〜い」
本当、困った人だ