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きらきらフェネックのはじめてのともだち【冬の童話祭2026】

作者: 花萌ゆる
掲載日:2025/12/11

とある森に好奇心旺盛な、なんでも知りたがりのフェネックがいました。

フェネックはいつも、遠くから身近にいる動物たちをじーっと観察しています。


フェネックには、特技がありました。

お母さんからもらった、ハートの髪留め、それをふわふわの頭につけるときらんっ!と光り、

気に入った動物そっくりに変身できるのでした。


今日、通りがかったのは鸚鵡でした。


青緑色の羽根は、陽に照らされて輝いていました。

まるでお母さんの宝箱の中にあった宝石のよう。


そして、鸚鵡の美しい声を聴いたフェネックは、どきどきしてきました。


「もっと近くで聴いてみたいなあ……!お話しできるかな?」


フェネックは、そっとハートの髪留めをつけ、

きらりん!

たちまち瓜二つの鸚鵡に変身します。


「やあ!なにを持っているんだい?」

フェネックが鸚鵡に変身して話しかけると、本物の鸚鵡は優しく笑いました。


「これかい?これはね、朝ひろった、木の実だよ。

 おひさまに当てると、ほら!」


木の実は、羽根の間で光りました。


フェネックは目を輝かせて、「すごい!」

きらきらで話しが盛り上がり、鸚鵡と友達になりました。

――いつものように、あっというまに。


しかし次の日。

他の鳥たちと話していると、鸚鵡がふと首をかしげました。


「ねえ、君……なんだか尻尾の色がちがうよ?」


ひやり――。

フェネックの特徴的な尻尾の色だけは、

どれに化けても隠しきれないままでした。


たちまち化けの皮がはがれ、フェネックは森から、ぴゅーっと逃げてしまいました。


落ち込んで歩いていると、草むらの向こうにリスがいました。

ふわふわのしっぽが、月の光を受けて

きらきら ほわん

と輝いています。


「あの……、どうしたの?」


そのままの姿で、そっと声をかけるフェネック。

すると、リスはびくっと跳ねて、もじもじしながら言いました。


「ぼ、ぼく……道に迷って、どうしていいか、わからなくて……」


「どこから来たのか覚えてる?」


「ううん、覚えてない……けど、あっちの方かなぁ?」


「それなら一緒に確かめに行こう!」


「う、うん!いいよ」


「えっ、ぼくのこと、頼りないと思わないの?きつねじゃないんだよ?」


 「きみが何者でも頼りないとは思わないし、ぼくは、きみについていくよ?」


リスは、とても気弱で、フェネックはこまりました。


いつもなら、相手を手がかりにして化けたほうが話しやすいのに、何も思いつかないや。


このリスには化け技がぜんぜん通用しませんでした。


ある日、フェネックは勇気を出して言いました。


「ぼく、変身が得意だけど……

 本当は、ぼくのこと……みんなにどう思われるかこわかったんだ。」


「きみがしたいことをすれば……それで、いいんだよ?」


その言葉は、フェネックの心をあたためました。


涙で瞳を潤ませながら、こう言いました。

「ぼく、このままで友達になってもいい……?もう、変身しなくていい?」


リスは恥ずかしそうに、でもフェネックの目を見つめながら答えました。


「う、うん……なりたい……!無理に変身しなくてもいいよ、したいときにすればいいさ。」


こうして、フェネックは、はじめて、

変身しなくても安心できる友達をみつけたのでした。

いつまでも星がふたりを照らしていました。

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― 新着の感想 ―
 変身ぬきで接することに怯えをいだくフェネックと、頼りないと相手に思われていないかの不安で怯えをいだくリスが、互いに少しずつ気持ちを打ち明け、自分なりに一歩踏み出し、星より煌めく友情を築くお話が感動的…
みんなにどう思われているかという不安を、受けとめてくれるリスの言葉にほっこりしました。 大人になっても、こういう思いを抱くときってたまにありますよね。そういうときに思い出したい物語です。
『きらきら』が変身時の演出と拾った木の実と月光に照らされた尻尾にしか使われておらず、友だち作りに絡んでいないのがちょっと残念でしたね。
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