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不思議な留学 ー留学先のオウゴウヌ王国って世界地図にないんだけどー  作者: U.X.
第1章 出発前の準備、そして行ったり来たり
7/55

第7話 オウゴウヌ王国側の準備(その1) ー第1段階ー

我が名は『ドーラ・オウゴウヌ』。

 

顔は卵型、髪はブロンドのショートヘアの横分け、瞳は青でパッチリ目、肌は白、身長は170cm強の痩せ型である。

 

 

 

そして、オウゴウヌ王国の第一王女である。

 

ああ、オウゴウヌ家は、オウゴウヌ王国の王家である。

 

王家以外は「オウゴウヌ」を名乗ってはならぬ。

 

 

 

今、25歳である。

 

オウゴウヌ王国では立派な『嫁ぎ遅れ』である。

 

フン!

 

 

 

 

 

母上はオウゴウヌ王国の女王、『アン・オウゴウヌ』である。

 

我と同じ、顔は卵型、瞳は青でパッチリ目、肌は白、身長は170cm強の痩せ型である。

 

髪型は我と同じブロンドなのだが、髪を高く結い上げている。

 

ま、これはこのオウゴウヌ王国の貴族の女性のたしなみである。

 

 

 

え? じゃあ、どうして我がショートヘアの横分けなんだって?

 

そりゃ、我がオウゴウヌ王国軍に所属しているからだ!

 

軍の規定により、女子はショートヘアにしなければならないんだ!

 

本当は、我だって、髪を伸ばし、髪を高く結い上げたいんだ!

 

髪を伸ばし、オシャレを楽しみたいんだ!


フン!

 

 

 

話を母上に戻そう。

 

我が幼き頃、つまり母上が若かった頃、母上は本当に美しかった。

 

だが、今は顔に深いしわが刻まれている。

 

そして、髪に白髪が増えた。

 

きっと、女王の重責がそうさせたのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

我が父はオウゴウヌ王国の近衛師団長、『レオ・オウゴウヌ』である。

 

顔は面長、瞳は黒で切れ長、肌は白、髪型はシルバーで短く刈り込んでいて、身長は190cmの痩せ型である。

 

髭は一切生えていない。

 

軍人ではあるが、とても陽気な人だ。

 

軍人ゆえ、表立って、母と会話することは控えている。

 

でも、家族だけのときは、とてもおしゃべりだ。

 

寝室では、母、アンの相談を受けていると言う。

 

父は元々はオウゴウヌ王国の名門貴族、ライト侯爵家の次男であったが、26年前、母アンと結婚し、王配としてオウゴウヌ家王家に入った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

母と父には我以外に2人の娘がいる。つまり、我が妹だ。

 

なぜかわからないが、オウゴウヌ王家は女の子しか生まれぬ。

 

しかも、3人姉妹がずっと続いている。

 

 

 

我には、2歳下の妹に『シャーロット・オウゴウヌ』、4歳下の妹に『オリビア・オウゴウヌ』がいる。

 

実は、顔は我ソックリだ。

 

つまり、顔は卵型、瞳は青でパッチリ目、肌は白、身長は170cm強の痩せ型である。

 

二人とも軍人ではないので、貴族として、髪を高く結い上げている。

 

要するに、なぜか、オウゴウヌ王家は特徴が同じの女の子しか生まれぬ。

 

 

 

だから、王家を良く知るもの以外、我ら3姉妹を見分けるのは難しいらしい。

 

ま、我は髪型から、容易に見分けがつくらしいが。。。

 

 

 

それでも見分ける方法はある。ほくろの位置だ。二人ともほくろがある。

 

2歳下の妹、シャーロットはあごの右下にほくろがある。

 

4歳下の妹、オリビアには、左目の下に、泣きほくろがある。

 

 

 

ちなみに、我にはほくろがない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

我は第一王女であるが、実は王太子ではない。

 

王太子は2歳下の妹、シャーロットである。

 

4歳下の妹、オリビアはオウゴウヌ王国の公爵家に嫁ぐことになっている。

 

 

 

我が3姉妹は、産まれた時から定めが決まっていた。

 

だから、3人それぞれの教育が異なっていた。

 

 

 

我は産まれた時から、日本からやってくる男性に嫁ぐ定めとなっている。

 

よって、我に対する教育は、その定めに応じたものであった。

 

まあ、これはいずれ話そうと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、今話からしばらく、第5話をオウゴウヌ王国側の視点で描こうと思う。

 

 

 

オウゴウヌ王国から、日本に迎えに行くとき、創造神ガエリア様は空に大いなる印を示す。

 

具体的には王城のある首都レワヅワの夜空が紫や赤や緑に染まるのだ。

 

 

 

通常は空が紫や赤や緑に染まるのは年に1度だ。

 

この時は王城だけでなく、オウゴウヌ王国中、いや、オウゴウヌ王国のあるアシエシア大陸中の夜空が紫や赤や緑に染まるらしい。

 

この年に1度、空が紫や赤や緑に染まる夜を、と言っても数日間であるが、1年の始まりとして、アシエシア大陸中が祝っている。

 

 

 

これは首都レワヅワだけの現象なのだが、1年の始まりを告げる日以外に、30年に2回だけ首都レワヅワの夜空だけが紫や赤や緑に染まるときがある。


これも数日間なのだが。。。

 

1回目は、創造神ガエリア様からの『日本へ迎えに行け』との合図である。

 

2回目はその1年後、再び、首都レワヅワの夜空だけが紫や赤や緑に染まり、『日本から来た男性を戻せ』との創造神ガエリア様からの合図である。

 

 

 

 

 

母上、アン女王は、「夜空が紫や赤や緑に染まった」との知らせを聞くと、王城の庭に出て、夜空を見上げた。

 

そして、夜空が紫や赤や緑に染まったのを確認すると、ため息をつき、「儀式を開始せよ」と、我が3姉妹に告げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

我が3姉妹(ドーラ、シャーロット、オリビア)は、女王アンの指示にうなずいた。

 

次の日の朝、聖女としての白いドレスに着替えると、王城の庭に3人が集った。

 

そして、王城の庭にある、『聖なる岩』に囲んで立った。

 

 

 

女王アンは王城の庭にいた兵士に大声で告げた。

 

「『聖なる岩』から10m以上、離れよ!」

 

 

 

続いて、女王アンは我が3姉妹に問うた。

 

「ドーラ、シャーロット、オリビア、大丈夫か?」

 

 

 

私は微笑み返した。

 

「母上、大丈夫です。」

 

 

 

シャーロットも微笑み返した。

 

「はい! 何度も練習しましたから!」

 

 

 

オリビアも微笑み返した。

 

「ま、本当に『魔力』を使うのは初めてですけど。。。」

 

 

 

そう、我が3姉妹はこの日のために、何度も練習を重ねた。

 

しかし、『魔力』を使うのは初めてだ。

 

だって、これは『命がけの大魔法を連発する』ことであるからだ。

 

 

 

ああ、我が3姉妹は、魔法を扱うことができる。

 

しかし、我は最後の大魔法で、命と引き換えに、魔法を扱う能力を失うことになるだろう。

 

今後、二度と魔法を駆使することができなくなる。

 

 

 

2歳下の妹のシャーロットも、今回、命がけの大魔法を行う予定だ。

 

4歳下の妹のオリビアは1年後、命がけの大魔法を行う予定だ。

 

 

 

実は、母上、アン女王は、30年前、この『命がけの大魔法』が原因で、危うく死にかけたと言う。

 

叔母上、ソフィアも29年前、大魔法を駆使し、結果として魔法を扱う能力を失ったと言う。

 

 

 

こんな『大魔法』、実際に魔力を使って練習することなど不可能なのだ。

 

母アンと叔母ソフィアという経験者から、段取りを聞いて、魔力を使わず練習したに過ぎない。

 

 

 

 

 

我は深呼吸をすると、妹シャーロットとオリビアに語り掛けた。

 

「じゃあ、始めようか。」

 

 

 

シャーロットとオリビアは黙ってうなずいた。

 

 

 

 

 

我が3姉妹は『聖なる岩』に左手を添えた。

 

そして右手を空に向けて、一斉に「聖なるドーム」と叫んだ。

 

 

 

すると、右手から光の膜が飛び出した。光の膜と言っても、眩しいわけではなく、弱い柔らかな光の膜だ。

 

その光の膜は3人を中心に別々に展開し、段々大きくなっていった。

 

やがて光の膜は一つになり、『聖なる岩』を中心に半径10mの半球形の光のドームが形成された。

 

 

 

この光のドームは、我が3姉妹以外は出入りができない。

 

うかつに触れれば、その身がバラバラになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『聖なるドーム』の形成は第1段階に過ぎない。

 

ここから先は、創造神ガエリア様の導きが必要だからだ。

 

 

 

実際のところ、『聖なるドーム』は、創造神ガエリア様から直接指示を受けるための魔法に過ぎない。

 

これでも大魔法なのだが、ここから更に大魔法を駆使しなければならない。

 

 

 

 

 

『聖なるドーム』が形成されると、我が3姉妹の頭に、直接、若い女性の声が響いた。

 

多分、この若い女性の声が、創造神ガエリア様の声なのであろう。

 

「これから、繋げる異世界を探す。『ビッグサーチ』と一斉に唱えよ。」

 

 

 

我は妹のシャーロットとオリビアに視線を送った。二人とも無言でうなずいた。

 

『聖なる岩』に左手を添えたまま、右手を空に向けたまま、一斉に「ビッグサーチ」と叫んだ。

 

 

 

 

 

すると、聖なるドームに、何と表現すればよいのだろうか?


『星の固まりの固まり』と表現すればよいのだろうか?


その『星の固まりの固まり』が、いくつも映し出された。



 

あ、『いくつも』と言うのは適切ではない。『すさまじく膨大』であった。

 

 

 

この『星の固まりの固まり』は、物凄い速さで膨らみつつあるものもあり、逆に縮みつつあるものもあった。

 

そして、『星の固まりの固まり』は、とても明るいものもあり、とても暗いものもあった。

 

 

 

 

 

再び、我が3姉妹の頭に、直接、若い女性の声が響いた。

 

「この中で、膨らむ速さがゆっくりで、明るいものを見つけよ。」

 

 

 

この指示はあいまいで、我が3姉妹は困った。

 

 

 

試しに我が一つの『星の固まりの固まり』を指さし、「これかな?」と言った。

 

すると、即、若い女性の声が、我が3姉妹の頭に響いた。

 

「違う。それは膨らむ速さが早すぎる。」

 

 

 

そこで2歳下のシャーロットが違う『星の固まりの固まり』を指さし、「じゃ、これかな?」と言った。

 

すると、やはり、若い女性の声が、我が3姉妹の頭に響いた。

 

「違う。それも膨らむ速さが早すぎる。」

 

 

 

4歳下のオリビアは戸惑いながら、異なる『星の固まりの固まり』を指さし、「それじゃ、これかな?」と言った。

 

すると、やはり、若い女性の声が、我が3姉妹の頭に響いた。

 

「違う。膨らむ速さは適切だが、今度は暗すぎる。」

 

 

 

こんな感じで、我が3姉妹と創造神ガエリア様とのやりとりが続いた。

 

 

 

 

 

 

1時間ほどやり取りし、ようやく、我が3姉妹の頭に、若い女性の次の声が聞こえた。

 

「よし、適切な膨らむ速さと、適切な明るさが分かったであろう。

 その条件に合うものだけを残すため、『ビッグフィルタリング』と唱えよ。」

 

 

 

我が3姉妹は、『聖なる岩』に左手を添え、右手を空に向け、一斉に「ビッグフィルタリング」と叫んだ。

 

すると、聖なるドームに映しだされた、『星の固まりの固まり』が、『すさまじく膨大』から、大きく減った。

 

それでも『とても膨大』だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

すると、我が3姉妹の頭に、若い女性の声が聞こえた。

 

「申し訳ないが、ここからは一つ一つ調べるしかない。

 

 しかし、30年に一度、繋げているから、印がある。

  

 一つ一つ調べよ。

  

 次第に印が何かわかってくるであろう。」

 

 

 

 

 

まず、我が一つの『星の固まりの固まり』を指さし、「これかな?」と述べた。

 

 

 

だがすぐに、若い女性の声が、我が3姉妹の頭に響いた。

 

「違う。あれはちょっとだけ膨らむ速度が速い」

 

 

 

すると、シャーロットが別の『星の固まりの固まり』を指さし、「じゃあ、これかな?」と述べた。

 

 

 

だがすぐに、3姉妹の頭に、若い女性の声が響いた。

 

「違う。」

 

 

 

しばらくすると、若い女性の声が、我が3姉妹の頭に直接響いた。

 

「(ため息)はー。。。

 

 あまり長く時間をかけると、そなたたちの身体がもたぬ。

  

 仕方がない。我が並べ替えてやる。」

 

 

 

すると、聖なるドームに映しだされた、『星の固まりの固まり』が並べ替えられた。

 

 

 

そして、再び、若い女性の声が、3姉妹の頭に直接響いた。

 

「さあ、この中で、気になる一群がないか?」

 

 

 

すると、オリビアが『星の固まりの固まり』のある一群を指さし、声をあげた。

 

「ねえ、あれ、気にならない?」

 

 

 

そう確かに、理由は分からないが惹かれる一群がある。思わず、我も声をあげた。「確かに。」

 

 

 

シャーロットは無言でうなずいた。

 

 

 

 

 

すると再び、若い女性の声が、3姉妹の頭に直接響いた。

 

「その通り。それでは、そなた(=オリビア)が指さした一群だけを残そう。」

 

 

 

すると、聖なるドームに映しだされた、『星の固まりの固まり』で、気になる一群だけが残った。

 

 

 

若い女性の声が、3姉妹の頭に直接響いた。

 

「それでは残った一群の中から、最も気になるものはどれかな?」

 

 

 

我は『星の固まりの固まり』の一群を見渡した。すると、何かとても気になる一つの『星の固まりの固まり』を見つけた。

 

そして思わず指をさし、「これだ!」と叫んだ。

 

 

 

だが、これは2歳下のシャーロットも、4歳下のオリビアも同じだったらしく、2人とも、我と同じ『星の固まりの固まり』を指さしていた。

 

 

 

若い女性の声が、3姉妹の頭に直接響いた。

 

「その通り。それでは、そなた達が指さしたものだけを残す。」

 

 

 

すると、聖なるドームに『星の固まりの固まり』が一つだけ残った。

 

 

 

 

 

再び、若い女性の声が、3姉妹の頭に直接響いた。

 

「今日はここまでにしよう。一旦休まねば、そなたたちの身体がもたぬ。

 

 12時間後、再度、このドームに集え。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

我が3姉妹(ドーラ、シャーロット、オリビア)は、右手を下ろし、左手を『聖なる岩』から離した。

 

その瞬間、みぞおちやへそ周辺に鈍い痛みが走った。思わず、我は右手でへその周辺を押さえた。

 

妹達(シャーロット、オリビア)を見ると、彼女達も右手で下腹部を押さえていた。

 

 

 

我は妹達(シャーロット、オリビア)に声をかけた。

 

「大丈夫か?」

 

 

 

シャーロットもオリビアも苦笑いを浮かべ、答えた。

 

「大丈夫です。」

 

「ええ。」

 

 

 

我も苦笑いを浮かべ、妹達(シャーロット、オリビア)に声をかけた。

 

「じゃあ、ドームから出て、一旦休もう。」

 

 

 

シャーロットとオリビアは無言でうなずいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

我が3姉妹(ドーラ、シャーロット、オリビア)が『聖なるドーム』を出ると、すでに夜になっていた。

 

 

 

そして『聖なるドーム』の周囲を兵士約10名が固めていた。

 

先ほど言ったように、我が3姉妹以外が『聖なるドーム』にうかつに触れると、その身がバラバラになるからだ。

 

 

 

聖なるドームの近くに天幕が設けられ、その天幕の下に母上・女王アンと我が父・近衛師団長レオが、折り畳みの椅子に座って待っていた。

 

その横には、叔母上ソフィア、ソフィアの夫、オスカー・デービス元老院議長も、折り畳みの椅子に座って待っていた。

 

 

 

ああ、叔母上ソフィアはデービス公爵家に嫁ぎ、その夫オスカーは貴族の頂点である元老院議長を務めている。

 

 

 

母上アンは、我が3姉妹(ドーラ、シャーロット、オリビア)が、『聖なるドーム』から出てくるのを見ると、衛生兵に大声で指示した。

 

「衛生兵、

 ドーラ、シャーロット、オリビアにポーションを手渡した上、

 ヒールを掛けよ。」

 

 

 

衛生兵3人が、我が3姉妹(ドーラ、シャーロット、オリビア)に駆け寄り、ポーションを手渡した。

 

そして、すぐに我が下腹部にヒール魔法をかけた。

 

我が3姉妹(ドーラ、シャーロット、オリビア)はポーションを飲んだ。

 

 

 

すると、みぞおちやへそ周辺の鈍い痛みが和らいだ。

 

 

 

叔母上ソフィアが、我が3姉妹(ドーラ、シャーロット、オリビア)に近づき、声をかけた。

 

「いい。今夜はたくさん食べて、たっぷり睡眠をとるのよ。」

 

 

 

母上アンも、我が3姉妹(ドーラ、シャーロット、オリビア)に近づき、声をかけた。

 

「そうだ。まだ、第1段階が終わったにすぎぬ。

 体力と身体の回復に努めるのだ。」

 

 

 

 

 

そして、我が3姉妹と、母と父は、宮殿に戻り、家族で食事をとった。

 

しかし、胃がムカついて、あまり食べることができなかった。

 

 

 

寝る前に、もう一度、ヒール魔法をかけてもらい、ポーションをもう一度飲んだ。

 

 

 

多くの体力を費やし、体の変調が起きた1日目だったが、それは始まりに過ぎなかった。


(次話に続く)

次話は2026/3/2 18時に更新予定です。

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