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不思議な留学 ー留学先のオウゴウヌ王国って世界地図にないんだけどー  作者: U.X.
第3章 始動直前、そしてこの世界の基礎知識
38/46

第38話 ローガン・アサル公爵の不満 ーこの国の上位貴族の不満ー

私の名前はローガン・アサル、このオウゴウヌ王国の公爵の一人である。

 

この国を憂う、心ある貴族の一人である。

 

 

 

ん? 何を憂うかって?

 

まあ、話は長くなるが、聞いてくれるか?

 

 

 

 

 

神話によれば約2000年前、巨大生物に対抗できない人類を哀れと思った、創造神ガエリア様が魔法を人類に授けた。

(第26話)

 

魔法と言っても、様々なものがあり、戦闘には不向きの魔法が大多数だ。つまり、巨大生物に対抗できる魔法はごくわずかだ。

(第34話)

 

 

 

魔法とは、創造神ガエリア様からの大いなる力をほんのちょっとだけ頂き、それを変換して出力するものだ。

 

変換できる魔法の種類は一人当たりは少ない。


一つの魔法しか変換できない人間も少なくない。いや、ほとんどである。

 

つまり、巨大生物に対抗できる魔法を発することができる人間はごくわずかだ。

 

そう言う人間は人々から尊敬を受け、社会で高い位置を得ていき、貴族となった。


これが、我がアサル公爵家の始まりである。

(第34話)

 

 

 

オウゴウヌ王国は温暖な気候で、この風土を狙い、他国からの侵略が絶えなかった。

(第26話)

 

我が国で鉄の生産が本格化するまで、他国からの侵略に対抗にするのも、魔法しかなかった。

 

そう、他国からの侵略に対抗するにも、貴族の魔法しかなかった。

 

他国との戦争においても、貴族が中心であった。

 

 

 

巨大生物に対抗するにせよ、他国と戦争するにせよ、我がアサル公爵家は多くの貢献をした。

 

しかし、それには大魔法を駆使せねばならぬ。その反動は大きい。

 

大魔法の駆使は、術者の命がけの作業によって、はじめて成立する。

 

実は、我がアサル公爵家の祖先は、大魔法の代償として亡くなった者が少なくない。

 

つまり、我がアサル公爵家は、このオウゴウヌ王国を守るため、多くの血を流してきた。

 

その歴史を見れば、オウゴウヌ王国が、我がアサル公爵家を尊重するのは当たり前と思うが、間違いだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方で、約1000年前から異世界人を召喚し、我が国は異世界の知識と技術を吸収しだした。

 

異世界の知識と技術を吸収しだすと、王家は貴族の存在が邪魔になったようだ。。。

 

そこで王家は貴族の力を削ぎ出した。。。

 

それが元老院に内閣メンバの投票権を認めたことなのだ!

(第35話)

 

 

 

そもそも元老院議長は、王の妹が降嫁した公爵家の者になると定めてある。

 

つまり、元老院議長は常に王の味方なのだ!

 

 

 

元老院議員は伯爵以上の当主しかなれぬ。

 

つまり、本来、子爵以下は元老院議員になる資格はない。

 

だが、内閣メンバも元老院議員の資格を与えた。つまり投票権を与えた。

 

内閣は伯爵以下なら、子爵でも男爵でも准男爵でも平民でもなれる。

 

つまり、内閣メンバの投票権授与は、子爵以下は大歓迎で迎え入れた。

 

 

 

と言っても、、、内閣メンバの投票数は全元老院議員の投票数の25%にすぎぬが、、、

 

それに関しては、子爵以下には不満なようだが。。。

 

 

 

 

 

だが、我もアサル公爵家の当主となり、元老院議員になるとわかった!

 

この25%が意外に大きいのだ!

 

と言うのも、上位貴族、すなわち公爵および伯爵の全投票数の3分の1を切り崩せば、50%の賛成を得てしまうからだ!

 

 

 

加えて、元老院議長を輩出した公爵家、内閣メンバを輩出した伯爵家には、公職に就いた当主以外に、代理人を元老院議員を出すことができる。

 

つまり、現在はデービス公爵家(元老院議長)、ロビンソン伯爵家(首相)、バーナード伯爵家(財務相)、パージ伯爵家(外相)は、各プラス1票、つまり合計プラス4票を持っている。

 

加えて、女王陛下も3票を持っているから、合計プラス7票があるのだ。

 

元老院議員は全投票数で100票前後しかない。

 

このプラス7票はデカイのだ!

 

 

 

したがって、元老院会議は大抵、内閣の提案通りに議決されてしまう。

 

いつも、上位貴族すなわち公爵および伯爵の全投票数の3分の1を切り崩され、プラス7票で過半数を得られて、議決されてしまうのだ。

 

腹立たしいことこの上ない!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この仕組みを使い、王家はこの国を悪しき方向に導いた。

 

1つは教育制度の変更だ。

 

こともあろうに、異世界の教育を取り入れたのだ!





例えば、現在、我が国は、大陸諸国が用いるアシエシア語と、日本語が公用語になっている。


この日本語の公用語化も約100年前、元老院会議での、当時の女王の強引な工作によって決まってしまった!

 

 

 

話を異世界の教育を取り入れたことに戻す。


そもそも、この国だけでなく、アシエシア大陸諸国は偉大なる創造神ガエリア様から、魔法を授かり、巨大生物からの脅威を退けた。

 

もし、魔法を授からなかったら、人類は滅びたかもしれぬ。

 

よって、創造神ガエリア様への帰依は絶対だ。

 

 

 

にもかかわらず、創造神ガエリア様を信じぬ異世界の教育を取り入れるとは何事か!

(第27話)

 

約200年前、ガエリア教皇国から破門されて当然だ!

(第27話)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

約200年前、ガエリア教皇国から破門され、連合国の大軍が迫った時、心ある貴族達は女王に降伏を勧め、異世界の学問や技術を捨てよと説いた。

 

貴族だけではない、内閣からも降伏を勧めた者が少なくなかった。

 

 

 

だが、当時の女王、アンジェラは頑なだった。

 

自らに反対する内閣メンバは罷免し、強引な元老院工作を行い、無理やり元老院で非常大権の議決を得てしまったのだ!

 

ま、公爵および伯爵の全投票数の3分の1を切り崩せず、プラス7票を使っても、過半数ギリギリだったそうだが。。。

 

 

 

ああ、非常大権とは、我が国が他国と戦争に陥った時、元老院の議決によって、女王に付与される、戦争遂行権のことだ。

 

この非常大権がなくば、女王は、我が国の全軍を動かすことができぬ。

 

非常大権がなくば、女王が動かせるのは、近衛師団だけだ。

 

 

 

話を戻せば、約200年前、心ある貴族達の説得に耳を傾けず、当時の女王、アンジェラは無謀にも連合国との戦争を始めてしまった!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

当然、心ある貴族達は我が国の敗北は必至と見た。

 

となれば、最悪のケースを避けねばならぬ。

 

我が国の滅亡だけは避けねばならぬ。

 

 

 

よって、心ある貴族達は出兵を拒んだ。

(第36話)

 

いや、勇気ある貴族達は、もう王家にこの国を任せておくわけにいかぬと、兵を挙げた。

(第36話)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、心ある貴族達と勇気ある貴族達は破れた。

 

何も知らぬ民衆は、アンジェラ女王が単騎で大軍の中に突っ込み、それをきっかけにオウゴウヌ王国軍5万が、大陸諸国連合軍30万に決死の突撃を行い、大陸諸国連合軍を撃退したと信じている。

 

 

 

これは単に運が良かっただけだ。

 

まさか女王が単騎で突っ込んでくるとは、大陸諸国連合軍は思わなかったのだろう。

 

本来、そんな無謀なことは王たるものはしてはならぬ。

 

結果として不意を突いたにすぎぬ。

 

軍について無知な女王が、いわばビギナーズラックを引き寄せたにすぎぬ。

 

 

 

だが、大陸諸国連合軍が撤退すると、今度は勇気ある貴族達の反乱は鎮圧された。

(第36話)

 

彼らは領地・地位を取り上げられた上、首謀者は処刑された。

 

 

 

我がアサル公爵家は出兵を拒んだ。

 

その罰として、アサル家は公爵から伯爵に降格になり、領地は狭くなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

え?

 

じゃあ、今、私が公爵なのかって?

 

 

 

まあ、祖父と父が転向し、王家の手先になったからだ。

 

そして、その二代に渡る功績ということで、父の代で公爵に戻ったからだ。

 

 

 

だが、母と私は、そんな『祖父と父が大嫌い』だった!

 

アサル家の誇りを捨て、王家の犬に成り下がった『祖父と父が大嫌い』だった!

 

 

 

 

 

とくに母の実家は、200年前、アサル家と同様、公爵家だったが、出兵を拒んだことから伯爵となり、領地替えとなった。

 

その領地経営がうまくいかず、大幅な赤字を何年も続け、統治能力が欠如していると言うことで、子爵に格下げになった。

(第35話)

 

公爵家だったものが、伯爵家になるだけでも屈辱的なのに、さらに子爵家にまで降格になったことは、どんなに屈辱だっただろう?

 

 

 

よって、母の実家の子爵家はオウゴウヌ王家を、今でもとても恨んでいる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

10年ほど前、私はまだ、貴族の中学か高校に通っていた頃だったと思う。

 

まだ、祖父も健在だった。

 

転向した父と祖父を、私と母が詰ったことがある。

 

「誇りあるアサル家が、なぜ王家に協力するのか!?」と。。。

 

 

 

そのとき、祖父と父は困った顔で、僕に優しく語り掛けた。

 

「一度、国外を旅してごらん。

 

 我が国は鎖国中だが、国外旅行の許可を女王陛下に取り計らってもらおう。

  

 国外を直で見れば、約200年前、

 当時のアンジェラ女王陛下の判断が正しかったとわかるから。。。」

 

 

 

だが、そんなものは必要ない!

 

そんなことでごまかされる、私と母ではない!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数年前、その時にはすでに祖父はこの世を去っていた。

 

父と母と私は領地に戻っていた。

 

 

 

ああ、元老院会議は毎年に決まった時期に開く。

 

その会議期間外なら、公爵と伯爵は、女王の許しを得て、領地に帰ることができる。

 

 

 

え? どうして、女王の許しがいるかって?

 

まあ、緊急事態が発生した時、元老院の全投票数の過半数の出席がないと、元老院会議が開かれないからだ。

 

重大事項は元老院の参加者の過半数の賛成がいる。

 

なので、会議期間外でも、公爵と伯爵の一定数は、首都レワヅワの私邸に滞在せねばならぬ。

 

 

 

さて、領地に戻って、数週間後、私と母は共謀して、父を毒殺した。

 

そして、私が跡目を継いだ。

 

 

 

だって、あのまま、父がアサル家の当主であったのなら、誇りあるアサル家が堕落しきってしまう!

 

やむを得ない判断だったのだ!

 

 

 

 

 

もちろん、父の暗殺については伏せ、父は急な病で亡くなったと、政府には届け出た。

 

そして、跡目は私が継ぐと、届け出て、受理されておる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は、この国を憂いている。

 

この国の政策を変えねばならぬ。

 

異世界の学問や技術を捨てさせねばならぬ。

 

 

 

そのためには、この国の政治を、心ある貴族達のもとに戻さねばならぬ。

 

それには、まず、元老院議長の座を射止めねばならぬ。

 

私はオリビア第三王女と結婚せねばならぬ。

 

 

 

だから、毎月の王家と上位貴族との晩餐会で、必ずオリビア第三王女に話しかける。

 

オリビア第三王女のハートを掴まねばならぬ。。。


次話は2026/3/16 12時に更新予定です。

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