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不思議な留学 ー留学先のオウゴウヌ王国って世界地図にないんだけどー  作者: U.X.
第3章 始動直前、そしてこの世界の基礎知識
31/45

第31話 祖父・賢治の痕跡

翌朝、起床直後の6時15分頃、執事が僕宛の手紙を持ってきた。

 

誰かと思うと、ヒラリー後方支援連隊長からだった。

 

 

 

ああ、オウゴウヌ王国にはネットはなく、スマホもないので、やり取りは手紙が中心になる。

 

まあ、つまり、かなりアナログな世界だ。

 

 

 

さて、何事かと思い、手紙を読むと、

 

 『ドーラの不在は把握しているが、父・普一に頼まれた調査を早く始めたい。

  

  ついては、後方支援連隊の方で、

  僕に対する警護と、荷物運搬の運転手や人手を用意するので、

  オウゴウヌ大学附属病院と軍立病院に計測機器一式を運び、

  設定作業をしてほしい。』

 

とのことだった。

 

 

 

その日の朝食後、、、

 

ああ、この日の朝食は、ドーラ以外の王族、つまり、アン女王、レオ近衛師団長、シャーロット第二王女、オリビア第三王女と、一緒に食事をとったよ。

 

でも、シャーロット第二王女もオリビア第三王女も、朝食後仕事に出るらしく、スーツ姿だった。

 

 

 

さて、朝食後、慌ただしいのに済まないと思ったが、オリビア第三王女の部屋を訪ね、、、


と言って、独身男性が独身女性の部屋に、ズカズカと入る訳にもいかず、、、


ドア越しにヒラリー後方支援連隊長の手紙を見せ、どうしたら良いのか相談した。

 

 

 

オリビア第三王女は手紙をちらっと見ると、僕にこう言った。

 

「うーん、、、

 実は私も土産として持ってきもらったパソコンについて、

 修司殿に相談があったの。。。

 

 ただ、まず職場で調整しないといけないから、

 夜、私が帰って来てから、相談しない?

  

 まあ、先に後方支援連隊長閣下の依頼を、

 明日から数日で片付けてくれない?」

 

 

 

そう言うと、彼女は仕事に出掛けて行った。

 

 

 

 

 

僕は軍の倉庫へ歩いていき、、、

 

あ、もう許可証があるので、王城内なら軍の施設と宮殿の間の行き来はできるからね。。。

 

プリンタを載せた軽トラを運転して、宮殿の近くで停め、僕の部屋に運び込んだ。

 

そして軽トラを軍の倉庫に戻した。

 

 

そして僕の部屋に戻ると、パソコンをプリンタにつなぎ、ヒラリー後方支援連隊長宛に手紙を書いた。

 

内容は以下の通り。

 

 『依頼承知しました。

  

  明日、10時に軍の倉庫に集まりませんか?』

 

 

 

この内容の手紙を執事に渡した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、許可証ももらったことなので、軍の倉庫に行き、荷物の確認をした。

 

僕の部屋に持っていけるものは、持っていくことにしよう。

 

そのため、何度か、軍の倉庫と宮殿を軽トラで行き来した。

 

 

 

僕の部屋に持ち込んだ荷物の調整や設定を行った。

 

と言っても、、、オウゴウヌ王国に来る前に、日本で事前設定済だが。。。(第4話)

 

念のため、動かしてみて、問題ないことを確認しただけだ。。。

 

ま、、、他にすることもないし。。。

 

 

 

 

ところで、持ち込んだ計測機器の中に、恒星の光のスペクトル解析装置があった。

 

オウゴウヌ王国に持ち込めるサイズの中で、最も性能を良いものを選んで、持ち込んだ。

 

先ほど言ったように、これも念のため動かしてみた。

 

太陽のスペクトル解析を簡易的に行った。

 

ま、適当につなげただけだから、ちゃんとした結果はでないけど。。。

 

 

 

だが、、、地球から計測した太陽のスペクトルとは異なるように見える。。。

 

やっぱり、、、ここ、オウゴウヌ王国は、地球上の国家ではない可能性が高い。。。

 

もちろん、、、適当につなげただけなので、現時点で断言はできないが。。。

 

 

 

信じられないが、この星は地球とほぼ同じ環境なのだ。

 

そして、地球人と同じ生命体であるオウゴウヌ王国人が住んでいる。。。

 

しかも、、、遺伝子レベルでも全く同じなんだろう。。。

 

ほとんどあり得ない確率だ。。。

 

だが、、、受け入れるしか無い。。。

 

 

 

そして、和泉家は120年前から、地球人ではない人、まあ宇宙人のオウゴウヌ家の女性と結婚し、子孫を残している。

 

僕は90%以上、オウゴウヌ家の血が流れている。(第1話)

 

つまり、僕は90%以上、宇宙人の血が流れているってことだ。。。

 

僕は自分自身を『生粋の日本人』と思ってきた。(第1話)


だが、僕は90%以上、宇宙人なのだ。。。

 

 

 



加えて、僕の主観で言えば、、、だけど、、、、

 

太陽のスペクトル解析を見る限り、、、


父の仮説(第3話)は正しい可能性が高くなったと思う。。。

 

 

 

そして、、、

 

この国だけでなく、アシエシア大陸から鉄があまり産出されないのも(第26話)、硝石がほとんど取れないのも(第20話)、おそらく。。。。

 

 

 

 

 

だけど、、、何度も言うけど、、、

 

これはちゃんと機器の調整をしてからじゃないと、はっきりしたことは言えない。。。

 

 

 

大学に通いながら、大学のスタッフと一緒に作業しながら、調べていくしか無い。。。

 

 

 

 

 

でも、同時に、、、このスペクトル解析結果に、『別の妙な違和感』を感じた。。。

 

もちろん、今回は試運転のスペクトル解析結果だし、ちゃんと調整もしていない。。。

 

ありとあらゆる要因を調べ、その要因の影響を慎重に取り除かなきゃ、何とも言えない。。。

 

継続的に半年間は計測する必要があるだろう。。。

 

 

 

ま、後に、この『別の妙な違和感』が、どんどん大きくなっていくんだけど。。。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな時、「なにをなさっておられるのですか?」と後ろから声が聞こえた。

 

振り向くと、執事は笑顔で立っていた。

 

 

 

僕は驚き、

 

「オウゴウヌ王国に持ち込んだ機器の試運転をしております。」

 

 

と答えた。

 

 

 

すると、執事は笑顔でうなずいた。

 

「そうですか。

 

 ドーラ様から、

 

  『昨日、修司様が妙なことをしていたから(第28話)、

   修司様の行動を注意してほしい。』

   

 と言われていたものですから。。。」

 

 

 

僕は思わず、「ははは」と小さく笑うしかなかった。

 

 

 

ま、昨日の僕の行動は、他人は不審がるわな。。。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕は執事に問うた。

 

「あ、そうだ! 

 

 幾つか教えてほしいことがあるんですが。。。」

 

 

 

執事は戸惑いながら、「なんでしょうか?」と問うた。

 

 

 

僕は微笑み問うた。

 

「昨夜、ドーラさんの分隊の副長、フレッド少尉から、


  『このオウゴウヌ王国に、自動車は100台余りしかない。』

  

 と聞きました。(第30話)

  

 それはなぜでしょうか?」

 

 

 

 

執事は微笑み、「ああ、そのことですか。」と前置きして、答えた。

 

「60年前、修司様の祖父・賢治様が土産として、

 初めて我が国に自動車を数台持ち込まれました。(第13話)

 

 当然、

 わが国でも『自動車の生産ができないか?』と検討しましたが、、、

  

 鉄不足で、わが国での生産はあきらめていたのです。。。

 

 賢治様が持ち込まれた自動車数台を調査し、

 細々と基礎研究するのが精一杯だったのです。。。」

 

 

 

僕は戸惑い、「え?」とつぶやいた。

 

 

 

執事は僕の戸惑いをスルーして、微笑みながら話を続けた。

 

「でも、30年前、修司様の父・普一様が、

 再び土産として自動車を数台持ち込まれました。

  

 その自動車の中に、

 アルミボディやアルミブロックエンジンや強化プラスチックボディで作られた

 自動車があったのです。。。

  

 修司様の父・普一様から、当時のブリジット女王陛下に明かされたのです。

  

  『(普一の)父・賢治は、

    【自動車の重要な構成要素の一部は、

     アルミや強化プラスチックで代用可能だと分かれば、

     オウゴウヌ王国の人は、自分達で生産しようとするだろう。】

   って言っていた。』

  

 と。。。

  

 有難いことです!

  

 賢治殿はずっと我が国のことを考えて、

 アルミや強化プラスチックで、不足している鉄を代用可能だと、

 土産で示してくれたのですから。。。」

 

 

 

執事は微笑み、うなずきながら、話を続けた。

 

「先日申しあげたとおり、

 30年前、修司様の父・普一様が我が国に来られた頃には、

 我が国でも強化プラスチックの生産が始まっておりました。。。

 (第27話)

  

 アルミニウムの生産は約70年前に始まっておりましたし。。。

 (第27話)

  

 その生産基盤から自動車生産が可能と判断し、

 当時のブリジット女王陛下と、現在のアン女王が推進しました。

  

 10年の研究、10年の量産準備で、

 約10年前、我が国でも自動車の量産が開始されました。

  

 ま、でも、、、

 鉄より多いと言っても、アルミニウムも豊富って訳じゃないし、、、

  

 アルミニウムや強化プラスチックで一部代用可能と言っても、

 鉄をゼロをにはできませんから、、、

  

 やっぱり、少ない鉄を融通しながらで、、、

  

 大量生産とはいきません。。。

  

 結局、手作り同様で、年間で約10台程度に収まっておりますが。。。」

 

 

 

 

 

執事は微笑みを浮かべ、語り続けた。

 

「自動車だけでなく、30年前、普一殿を通じて、

 賢治殿は貴重な土産をもたらしました。」

 

 

 

僕は驚き、「え?」とつぶやいた。

 

 

 

執事は僕をスルーし、話を続けた。

 

「30年前、普一殿の土産の中に、セラミックスで作られたハサミやナイフと、

 セラミックスの原材料サンプルと、

 セラミックスに関する技術文献が多数含まれていたのです。

  

 このセラミックスをオウゴウヌ王国で生産できれば、

 鉄に対する代替が更に可能になることを、土産で示されたのです。

  

 すぐに我が国はセラミックスの研究を開始し、

 数年前、セラミックスの生産が始まりました。

  

 鉄不足が解決したとは言いませんが、

 それでも我が国は鉄の生産量は大陸一ですし、

 それに加え、アルミニウム、強化プラスチック、セラミックスという、

 代替品があり、素材に関しては、最も恵まれた国となりました。

  

 賢治殿は本当にありがたい存在です。」

 

 

 

いやー、驚いたね。。。

 

祖父・賢治はそんな貢献もしていたのね。。。

 

だって、僕が物心つく頃には、祖父・賢治は引退していたから(第1話)。。。

 

 

 

 

 

同時に、ふと、思ったんだ。。。

 

祖父・賢治は報酬をもらっているから、土産として一部だけでも返さなきゃいけないと言っていた。(第2話)

 

そして、妻・マーガレット、つまり僕にとっては祖母の遺骨を、オウゴウヌ王国に納骨させてもらうために、土産を準備した。(第11話)

 

 

 

でも、祖父・賢治が、父・普一が30年前にオウゴウヌ王国に来た時の土産を考えた時、『それ以上の理由があるんじゃないか?』って思ったんだ。。。

 

だって、祖父・賢治がオウゴウヌ王国に来た30年後まで、真剣にオウゴウヌ王国のことを思って、土産を考えたってことなんだから。。。

 

(次話に続く)

次話は2026/3/13 0時に更新予定です。

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