表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
不思議な留学 ー留学先のオウゴウヌ王国って世界地図にないんだけどー  作者: U.X.
第2章 歓迎、そして母と父に関わりのある人達
22/50

第22話 ヒラリー後方支援連隊長の個室にて ー父・普一の依頼内容ー

場所は、王城内の近衛師団司令部、ヒラリー後方支援連隊長の個室だった。

 

ああ、オウゴウヌ王国軍では、将官以上は個室が与えられる。

 

ヒラリー後方支援連隊長は少将なので、個室が与えられていたって訳。

 

 

 

ヒラリー後方支援連隊長の個室は、入口の外に秘書代わりの副官の机と椅子がある。

 

そして通路にソファーがあり、そのソファーにはヒラリー後方支援連隊長の面会予定の人が座る。

 

個室の中に入るには、入口のドアを開けるのだが、個室のドア側に面談用の二つのソファーとテーブルが設置されている。

 

入口手前側のソファーが来客用で、奥側のソファーがヒラリー後方支援連隊長用だ。

 

そして、個室の奥には窓があり、そこにヒラリー後方支援連隊長の事務机とオフィスチェアがあり、通常、ヒラリー後方支援連隊長は、窓を背に座り、デスクワークを行っている。

 

 

 

歓迎晩餐会(第16話~第20話)を終えると、夜9時を回っていたが、ヒラリー後方支援連隊長はルーク教授を連れ、彼女の個室に戻っていた。

 

あ、彼女の副官はすでに帰宅させていた。

 

 

 

ヒラリー後方支援連隊長とルーク教授は、面談用の2つのソファーに座り、父・普一からの手紙を読んでいた。(第17話)

 

 

 

 

 

手紙を読み始めて、30分ほど経つと、入り口のドアにノックが鳴った。

 

何事かと思い、ヒラリー後方支援連隊長がソファーから立ち上がり、入口のドアを開けると、そこにはクラリス参謀総長が立っていた。

 

 

 

ヒラリー後方支援連隊長は戸惑い、クラリス参謀総長に問うた。

 

「参謀総長閣下が夜遅く何事でありましょうか?」

 

 

 

すると、クラリス参謀総長は苦笑いを浮かべ、片手を振って、語り掛けた。

 

「今は、エリーゼ分隊元メンバとしてきたの。。。

 

 副官も帰っているし、敬語は不要よ。。。

  

 本音トークしようよ。。。

  

 あんたぐらいしか、私の本音話せないのよ。。。

  

 大将って、、、参謀総長って、、、孤独なのよ。。。」

 

 

 

そう言うと、クラリス参謀総長はヒラリー後方支援連隊長の個室に入り、ルーク教授と同じ、入口側のソファーに座った。

 

ヒラリー後方支援連隊長は戸惑いながら、奥側のソファーに座った。

 

 

 

 

 

クラリス参謀総長は微笑み、ヒラリー後方支援連隊長に問うた。

 

「で、普一殿の手紙の内容はなんだったの?

 

 普一殿は、ヒラリーとルークに何を依頼してきたの?」

 

 

 

ヒラリー後方支援連隊長は戸惑いながら、クラリス参謀総長に向けて、右指を3本立てた。

 

「普一殿から調査依頼されたのは、大きく分けて3つよ。」

 

 

 

 

 

ヒラリー後方支援連隊長は右指1本立てた。

 

「1つ目は食品に関するものよ。

 

  『オウゴウヌ王国の食品は、日本の食品に比較して、

   【あるもの】が圧倒的に少ないのではないか?』

  

 って、普一殿は仮説を立てているの。。。」

 

 

 

ヒラリー後方支援連隊長は右指2本立てた。

 

「2つ目は人体に関するものよ。

 

  『オウゴウヌ王国の人間は、日本人と比較して、

   血液中の【あるもの】が圧倒的に少ないのではないか?』

    

 って、普一殿が仮説を立てているの。。。」

 

 

 

ヒラリー後方支援連隊長は右指3本立てた。

 

「3つ目は根源的なことよ。

 

 さっきの2つの仮説が正しかった場合、

 『どうしてこうなるのか?』を調べること。」

 

 

 

 

 

クラリス参謀総長は戸惑いながら問うた。

 

「3つともヒラリーとルークが調べるの?」

 

 

 

ヒラリー後方支援連隊長は何度も顔を横に振り答えた。

 

「いーえ、私とルークが頼まれたのは2つ目よ。

 

 必要な機材は土産として持ち込んで、

 使用方法は修司殿にレクチャー済みだって。。。」

 

 

 

 

 

クラリス参謀総長はなおも戸惑いながら問うた。

 

「じゃあ、残りの1つ目と3つ目は?」

 

 

 

ヒラリー後方支援連隊長はため息をついて答えた。

 

「1つ目は、

  『女王陛下宛の手紙にもその旨記載し、王室から大学に調査依頼してほしい』

 って。。。

  

 やっぱり必要な機材は土産として持ち込んで、

 使用方法は修司殿にレクチャー済みだって。。。」

 

 

 

ルーク教授が補足した。

 

「ま、1つ目は医学と言うより、農学に近いし。。

 

 私の方からも、学長を介して、そちらの方の専門家に頼みます。」

 

 

 

 

 

ヒラリー後方支援連隊長は話を続けた。

 

「3つ目は、

  『修司殿自身が行う』

 って。。。

   

 でも、

  『一人じゃできないから、協力を王室から大学に依頼してほしい。』

 って。。。

  

 これについても、必要な機材は土産として持ち込んで、

 使用方法は修司殿にレクチャー済みだって。。。」

 

 

 

ルーク教授が補足した。

 

「3つ目も医学ではないので。。。

 

 本件も、私の方からも、学長を介して、そちらの方の専門家に頼みます。」

 

 

 

 

 

クラリス参謀総長は、もう訳が分からないようで、戸惑いながら問うた。

 

「ねえ、そもそも、どうして、そんな調査が必要なの?」

 

 

 

ヒラリー後方支援連隊長はため息をつき、視線を下に向け答えた。

 

「普一殿の手紙によれば、、、

 普一殿の母君、つまり修司殿の祖母君の、

  『マーガレット殿下の死因について、仮説があり、その仮説を検証したい。』

 って。。。」

 

 

 

クラリス参謀総長は「え?」とつぶやいた。

 

ヒラリー後方支援連隊長は、クラリス参謀総長の戸惑いをスルーして、話を続けた。

 

「普一殿の手紙には続きがあり、

 普一殿の父君、つまり修司殿の祖父君の、

 賢治殿によれば、

  『アナースターシア殿下も、

   晩年、マーガレット殿下と同じ症状で死去した』

 らしいわ。。。

  

 あ、アナースターシア殿下は、

 普一殿の祖母君、つまり修司殿の曾祖母君にあたるわ。。。」

 

 

 

 

 

ヒラリー後方支援連隊長は、視線をクラリス参謀総長に戻すと、話を進めた。

 

「普一殿は、

  『【あるもの】は人体に必要だが、多くなりすぎると逆に毒になる』

 と言っているの。。。

  

 そして、

  『血液に含まれる【あるもの】が毒になってしまう濃度が、

   オウゴウヌ王国の人は、日本人と比べて、著しく低いのではないか?』

 って、疑っているの。。。」

 

 

 

 

 

クラリス参謀総長は更に問うた。

 

「でも、、、どうして、、、

 そんなことを普一殿が知る必要があるの?


 しかも、ヒラリーやルークにまで頼む必要があるの?


 加えて、そのための計測機器まで準備しているし。。。

  

 だって、マーガレット殿下は亡くなってしまったのよ?


 いまさら、その原因を知って何がしたいの?」

 

 

 

ヒラリー後方支援連隊長は、クラリス参謀総長を見つめ、真剣な表情で叫んだ。

 

「『【現在】、日本にいるオウゴウヌ王国の人』を守るためよ!

 そして、『【将来】、日本に行くオウゴウヌ王国の人』を守るためよ!」

 

 

 

クラリス参謀総長は、ハッとした表情でつぶやいた。

 

「それって、、、つまり、、、」

 

 

 

ヒラリー後方支援連隊長は真剣な表情のままで叫んだ。

 

「そう、

  『分隊長(=エリーゼ)とドーラ殿下を守るため』

 よ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒラリー後方支援連隊長の個室には沈黙が流れた。


しばらくの沈黙のうち、クラリス参謀総長はうなずきながら問うた。

 

「『分隊長(=エリーゼ)とドーラ殿下を守るため』ってのは分かった。

 

 でも、花火の際、

  『硝石がほとんど採れなかった』

 って、ヒラリーと私が言ったら、

  『普一殿の仮説が正しいってこと?』(第20話)

 って、修司殿はつぶやいたよね?

  

 そのことと、硝石が採れなかったことと、関連があるわけ?」

 

 

 

ヒラリー後方支援連隊長は顔を横に振り答えた。

 

「わからないわ。。。

 

 でも、修司殿は関連があると思っている。。。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒラリー後方支援連隊長は苦笑いを浮かべ、ルーク教授に語り掛けた。

 

「分隊長(=エリーゼ)とドーラ殿下を守るため、

 この件ついて、私は全面協力する。

  

 ルーク、忙しいのはわかるけど、協力してもらえないかしら。」

 

 

 

ルーク教授も苦笑いを浮かべて答えた。

 

「もちろん、普一殿の依頼には、全面的に協力するよ。」

 

 

 

クラリス参謀総長も苦笑いを浮かべ、ヒラリー後方支援連隊長に語り掛けた。

 

「私は医学はわからないけど、それでも協力できることがあれば言って。。。

 

 だって、分隊長(=エリーゼ)とドーラ殿下を守るためなんだから。。。」

 

 

 

ヒラリー後方支援連隊長は苦笑いを浮かべ、黙ってうなずいた。


次話は2026/3/8 12時に更新予定です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ