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不思議な留学 ー留学先のオウゴウヌ王国って世界地図にないんだけどー  作者: U.X.
第2章 歓迎、そして母と父に関わりのある人達
21/45

第21話 臨時閣議

歓迎晩餐会(第16話~第20話)を終えると、夜9時を回っていたが、アン女王と内閣メンバは、王城内の内閣会議室に移動し、臨時閣議を開いていた。

 

議題は和泉家からの土産の分配と、僕・修司の取り扱いだった。

 

 

 

 

 

母・エリーゼからの目録を見ながら、アン女王が最初に口を開いた。

 

「さて、まずは土産の分配を決めようかの。。。

 

 まあ、まず、肉とか酒とかスイーツの食べ物類は、

 全部王室キッチンに持っていけばよいかの?」

 

 

 

すると、宰相であるジョージ・ロビンソン伯爵がうなづき、答えた。

 

「よろしいかと存じます。

 貴族相手の晩餐会に振る舞われて、王家の威厳を示された方が良いかと。。。」

 

 

 

ああ、この国の貴族は、上から公爵、伯爵、子爵、男爵、準男爵の5段階に別れる。

 

富と権力が集中しないよう、公爵からは内閣メンバは通常選出されない。

 

ただし、内閣メンバは公爵と渡り合う必要もあるので、主要閣僚である宰相と外相と財務相は、伯爵から選出される通例となっている。

 

 

 

 

 

アン女王は微笑み、語り掛けた。

 

「次に、古鉄に古アルミに古銅だが、ドムのほうで対応できるか?

  

 金属を積載している軽トラごと。。。」

 

 

 

産業農林大臣である、ドム・タイナー子爵はうなずき、答えた。

 

「ハ! ありがたく、我が国は金属が不足しておりますからな。。。

 

 しかも輸送手段である軽トラまで、ありがたいですな。。。」

 

 

 

アン女王は苦笑いを浮かべ、ドム産業農林相に話しかけた。

 

「まあ、そう言うな。。。

 これでも、我が国は、アシエシア大陸の諸国の中では

 金属に恵まれている方なのじゃ。。。」

 

 

 

ドム産業農林水産相も苦笑いを浮かべ、黙ってうなずいた。

 

 

 

 

 

アン女王はため息をつくと、内閣メンバに語り掛けた。

 

「次に書物じゃが、、、

 小中高の教科書はジョシュアに、

 大学での専門書は王立オウゴウヌ大学に寄贈で良いかの?」

 

 

 

教育大臣であるジョシュア・アクトン男爵はうなずき、答えた。

 

「ハ! それでよいかと。。。」

 

 

 

 

 

アン女王は顔をしかめ、内閣メンバに語り掛けた。

 

「で、今回、医療器具や医薬品も土産に含まれておる。

 

 たぶん、普一殿の考えであろうが、、、

  

 基本はアーネストのところへ、一部フランクリンとジョシュアでよいか?」

 

 

 

労働保健大臣であるアーネスト・ヘイズ男爵は不平を述べた。

 

「いや、労働保健省がすべてでは?」

 

 

 

だが、軍事大臣であるフランクリン・クーパー子爵と、教育大臣であるジョシュア・アクトン男爵は、アーネスト労働保健相に反対意見を述べる。

 

「そうは言っても、こちらは軍立病院を抱えている。」

 

「そうです。こちらも大学病院を抱えています。」

 

 

 

アン女王は両手を上げて、慌ててなだめる。

 

「まーまー、、、それでは3等分でどうだ?」

 

 

 

すると、ジョシュア教育相は不満を述べた。

 

「いえ、和泉家からの医療器具や医薬品をただ消費するだけでなく、

 中身を解析し、将来はわが国で賄えるようにしなくてはなりません。

  

 すでに、わが国で賄えるものは3等分で良いですが、

 賄えないものは学術的なものとして、教育省管轄とすべきです。」

 

 

 

ジョージ宰相が賛意を示した。

 

「それがよろしいかと思います。

 

 詳細は教育省、健康保健省、軍の次官クラス以下で詰めるが良いかと。。。」

 

 

 

アン女王はため息をついた。

 

「そうしよう。この件は、次官クラス以下で詰めるとしよう。」

 

 

 

 

 

アン女王は天井を見上げ、内閣メンバに語り掛けた。

 

「さて、、、次はコンピューターであるが、、、

 

 まずは電卓100個はどうしようかの~?」

 

 

 

財務大臣である、アースキン・バーナード伯爵は微笑み語る。

 

「大変ありがたいですな。

 

 60年前に賢治殿が10個、30年前に普一殿が30個、今回100個ですか。」

 

 

 

ジョージ宰相も微笑む。

 

「収入、歳出の計算に役に立っておりますからな。。。」

 

 

 

アースキン財務相は苦笑いを浮かべる。

 

「まだ、地方だと算盤を使っている所もありますし。。。

 

 ま、算盤も120年前に和泉家から我が国にもたらされ、

 役に立っておりますが。。。」

 

 

 

アン女王は内閣メンバに語る。

 

「次官以下に各省庁で必要な電卓数を取りまとめよ。

 

 たぶん、100個を超えるだろうが、財務省に優先して配布せよ。」

 

 

 

ジョージ宰相は「ハ!」とうなずいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アン女王は思案顔で内閣メンバに問うた。

 

「さて、、、パソコンはどうしようかの?」

 

 

 

そう言うと、目録をジョージ宰相に渡した。

 

 

 

ジョージ宰相は目録を見て、アン女王に語り掛けた。

 

「配布先のいくつかは和泉家から指定があります。

 

 ま、精密計測機器を含めてですが。。。

  

 残りは、30年前に普一殿がもってきたパソコンを交換すると、

 ノートパソコン1台とデスクトップパソコン1台しか余りませんな。。。」

 

 

 

アン女王は困った顔でジョージ宰相に問う。

 

「さて、、、どうしようかの~?」

 

 

 

ジョージ宰相はこう答えた。

 

「とりあえず、30年前のパソコンのみ交換しましょう。

 

 残りは様子を見ましょう。」

 

 

 

アン女王はため息をついた。

 

「仕方がないの~。」

 

 

 

続いて、アン女王はドム産業農林相とに問うた。

 

「ドム、ジョシュア、

 電卓とかコンピュータを我が国で生産するのは難しいのか?」

 

 

 

ドム産業農林相は困ったように答えた。

 

「鉄不足を解消するため、

 アルミ、強化プラスチック、セラミックスの生産設備の導入に

 手いっぱいです。。。

  

 電気や社会インフラだって導入を進めなくちゃいけません。。。

  

 とても半導体までは。。。」

 

 

 

ジョシュア教育相も困ったように答えた。

 

「半導体や情報処理に関しては、まだ大学で基礎研究の段階です。」

 

 

 

アン女王はため息をついた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アン女王は再び困った顔でジョージ宰相に問うた。

 

「ところで、、、

 目録にある『ドローン』とはなんだ?」

 

 

 

ジョージ宰相も困った顔で答えた。

 

「目録によると、空を移動できる小さな機械としか書かれていませんな。。。」

 

 

 

アン女王はため息をつき、「さっぱりわからん」とつぶやいた。

 

 

 

ジョージ宰相もため息をつき、アン女王に語り掛けた。

 

「仕方がありません。

 

 使用方法が分かっている、修司殿に1年間預けましょう。

 

 ドーラ分隊メンバに使用方法を伝授頂き、

 何に使えるのか考えてもらいましょう。」

  

  

  

アン女王は再びため息をつき、「そうするか」と答えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アン女王は目録を見て、ジョージ宰相に語り掛けた。

 

「目録には、持ってきた発電機は、

 我が国にはまだ電気の通っていない地域があり、

 そこに修司殿が行く可能性があるからとあるが、どうする?」

 

 

 

ジョージ宰相はため息をついて答えた。

 

「仕方ありませんな。当面は修司殿に預けましょう。」

 

 

 

ジョージ宰相は続けて語った。

 

「ワンボックスカーと軽トラタンクローリー1台と

 精密計測機器を輸送するために改造した軽トラ数台も

 修司殿に必要と目録にあります。

 これも当面は修司殿に預けましょう。」

 

 

 

アン女王は黙ってうなずいた。

 

 

 

だが、アン女王はあきれてジョージ宰相に語り掛けた。

 

「だが、目録には無線通信機があるが、我が国に必要なのか?

 

 魔法で念話を使えばよいわけだし。。。」

 

 

 

ジョージ宰相は目録の表と裏をひっくり返して、あきれて語った。

 

「何でも、普一殿が30年前、こちらに来た時、

 分隊メンバに連絡するとき困ったからだそうです。。。

  

 普一殿だけなく、修司殿は魔法が使えませんから。。。

  

 日本ではスマホなるものがあるけど、我が国にはないので、

 その代わりだそうです。。。」

 

 

 

アン女王はあきれて語った。

 

「これも修司殿に預けるか。。。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アン女王は内閣メンバに語り掛けた。

 

「さて、最後に、残りの軽トラと、

 1台のスクーターも土産にあるが、、、どうしようか?

 

 保冷車は1台、王室用の食材を運ぶのに欲しいが。。。」

 

 

 

フランクリン軍事大臣が口を開いた。

 

「保冷車以外の軽トラ4台と、

 その1台のスクーターは軍にいただけませんか?

 

 1年後、改めて再分配することにして。。。」

 

 

 

アン女王はフランクリン軍事大臣に問うた。

 

「それはなぜじゃ?」

 

 

 

フランクリン軍事大臣は苦笑いして答えた。

 

「ドーラ殿下の分隊は、近衛師団・騎兵連隊隷下にありますが、

 騎乗がうまくないメンバが少なくないですから。。。」

 

 

 

アン女王は天井を見上げて笑った。

 

「ははは! そうであった!

 

 30年前のエリーゼ姉上の分隊もそうであったの~。。。」

 

 

 

 

ジョージ宰相も笑った。

 

「ははは!

 

 ドーラ殿下の分隊は、いろんな役目がありますからな。。。」

 

 

 

アン女王は笑顔でフランクリン軍事大臣に語り掛けた。

 

「ヨシ!


 保冷車以外の軽トラ4台とスクーター1台は軍に預ける。

 ドーラ分隊に配備せよ!

  

 それ以外の軽トラは各省で調整せよ!」

 

 

 

内閣メンバは「ハ!」と答えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジョージ宰相は急に表情を変え、アン女王に問うた。

 

「ところで女王陛下、、、

 

 これまで和泉家からは、技術者や医者が来られ、

 実用的な分野ばかりで、我が国の発展に大変寄与いたしました。。。

 

 でも、今回、修司殿は基礎分野です。。。

 

 我々にとって、有益な人とは思えないのですが。。。」

 

 

 

ジョージ宰相だけでなく、他の内閣メンバもうなずいた。

 

 

 

アン女王は苦笑いを浮かべ、答えた。

 

「実は、10年程前に創造神ガエリア様より、余にお告げがあったのじゃが、、、」

 

 

 

そう言うと、アン女王は約10年前の創造神ガエリアからのお告げの内容を語った。

 

 

 

 

 

アン女王からの創造ガエリアからのお告げの内容を聞くと、ジョージ宰相は目を大きく開けて驚き、「なんと!」とつぶやいた。

 

ジョージ宰相だけでなく、他の内閣メンバも驚き、お互いを見つめ合った。

 

 

 

アン女王はため息をつくと、内閣メンバに語り掛けた。

 

「創造神ガエリア様が、修司殿に何をさせたいのかはわからん。

 だが、修司殿の自由にさせよ。」

 

 

 

 

 

ジョージ宰相は戸惑いながら、ジョシュア教育相に話しかけた。

 

「修司殿は基礎分野となると、

 王立オウゴウヌ大学で1年を過ごすのが良いと思う。。。

  

 ジョシュア殿、頼めるか?」

 

 

 

ジョシュア教育相も戸惑いながら答えた。

 

「もちろん、王立オウゴウヌ大学と調整いたしますが、、、

 

 修司殿の警護はどうしましょうか?

  

 大学では警護に限界があります。。。

  

 と言って、30年前、普一殿に暗殺未遂事件があったことを考慮すれば、

 修司殿を警護せざる得ない。。。

  

 となると、修司殿の警護のため、

 オウゴウヌ大学にドーラ殿下の分隊メンバの出入りは必須。。。

  

 分隊メンバがオウゴウヌ大学に出入りする理屈を

 どう立てましょうか?」

 

 

 

アン女王が答えた。

 

「『修司殿は王家が招いた外国からの留学生』でどうだ?

 

 ま、間違ってはおらんし。。。

  

 そこで、『王家が招いた人間なので、近衛兵が警護必須』というロジックで、

 オウゴウヌ大学側と調整してくれぬか?」

 

 

 

 

ジョシュア教育相は黙ってうなずいた。


次話は2026/3/8 0時に更新予定です。

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