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不思議な留学 ー留学先のオウゴウヌ王国って世界地図にないんだけどー  作者: U.X.
第2章 歓迎、そして母と父に関わりのある人達
19/45

第19話 歓迎晩餐会中盤

(前話からの続き)

 

 

 

さて、大好評だった鮨も、参加者全員が平らげてしまった。

 

そして、母・エリーゼが目利きした日本酒も「美味い!」と大好評だった。

 

 

 

アン女王はあきれて僕に語った。

 

「エリーゼ姉上、日本を楽しんでおるの~。

 やっぱり、29年前、余が日本に行くべきだったかの~。」

 

 

 

すると、隣のテーブルにいた、ソフィア叔母さんも相槌を打った。

 

「そうですね。アン姉上。

 私が日本に行けばよかった。」

 

 

 

僕は苦笑いするしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、給仕係が、鮨を小分けした皿を片付けると、今度はサラダを小分けした皿を持ってきた。

 

キッチンのシェフが会場に入ってきて、参加者に語った。

 

「サラダに用いた野菜は、今回、修司殿が土産として持ってきた野菜の一部です。

 

 あまりに美味しく、しかも新鮮なので、シンプルにサラダにしてみました。

  

 どうか、修司殿が土産として持ってきた野菜のおいしさを堪能ください。

  

 サラダで口直しとしてくださいませ。」

 

 

 

そう、このサラダの野菜は、叔母、久島智子が、今朝収獲してきた野菜だった。(第5話)

 

 

 

隣の席のドーラが僕に語り掛けた。

 

「この野菜、美味いな。」

 

 

 

同じテーブルにいた、シャーロット第二王女は微笑み語り掛けた。

 

「ええ、なんか一味違いますわ。。。」

 

 

 

僕は微笑み返した。

 

「叔母が、今朝収獲してきた野菜です。

 

 僕が日本に帰った時、

 オウゴウヌ王国の人が美味しい野菜だとほめていたと伝えます。

  

 きっと、喜んでくれるでしょう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、給仕係が、サラダを小分けした皿を片付けると、今度は小さなステーキを乗せた皿を持ってきた。

 

このステーキは事前に小さく切ってあり、箸だけで食べられるようになっていた。

 

キッチンのシェフが再び会場に入ってきて、参加者に語った。

 

「ステーキに用いた牛肉も、今回、修司殿が土産として持ってきた肉の一部です。

 

 あまりに美味しいので、シンプルにステーキにしてみました。」

 

 

 

そしてソムリエが会場に入ってきて、参加者に語った。

 

「この牛肉に合わせたワインも、修司殿が土産に持ってきたワインの一部です。

 

 どうか、ご堪能ください。」

 

 

 

隣に座っているドーラが一口ステーキを食すと、再び左手を口の近くにもっていき、左手で口を隠すと、驚きの表情で語った。

 

「なんだ、この牛肉、滅茶苦茶柔らかいぞ!」

 

 

 

そりゃまあ、高級和牛だからね。。。

 

 

 

アン女王も興奮した。

 

「なんじゃ、この牛肉は? こんな旨い牛肉は初めてじゃ。」

 

 

 

僕は戸惑いながら、アン女王に問うた。

 

「あの。。。鮨は30年前も土産で持って行ったけど、牛肉は初めてですか?」

 

 

 

アン女王は苦笑いしてうなずいた。

 

 

 

そして、アン女王はシェフとソムリエを呼び、問うた。

 

「肉と酒はまだ残っておるか?」

 

 

 

シェフとソムリエは微笑み答えた。

 

「まだ、肉はたっぷり残っています。」

 

「酒もかなり残っています。」

 

 

 

アン女王は上機嫌で二人に指示した。

 

「ヨシ!

 

 次回の貴族向けの晩餐会で、日本からの肉と酒をふるまうぞ!」

 

 

 

シェフとソムリエは同時に「ハ!」と答えた。

 

 

 

 

 

 

隣で高級和牛とワインを楽しんでいた、ソフィア叔母さんがアン女王に笑顔で話しかけた。

 

「この肉と酒は、貴族共も腰を抜かしますな。。。」

 

 

 

そして、ソフィア叔母さんは僕に話しかけた。

 

「日本から人が来ることに反対意見を持つ人が、

 オウゴウヌ王国内部、特に貴族に多いのよ。

  

 この肉と酒をふるまって、これが日本から土産だと知れば、

 そんな貴族も少しは考えを改めるかも。。。」

 

 

 

僕は苦笑いを浮かべ、「はあ」と言って、うなずいた。

 

 

 

そういえば、母・エリーゼが言っていた。

 

「日本から人が来ることに反対意見を持つ人もオウゴウヌ王国内部にはある。」

(第5話)

 

 

 

この言葉を思い出したんだ。。。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、肉料理も終わって、デザートとなった。

 

デザートはカットフルーツとアイスクリーム、これも和泉家からの土産の一部だ。

 

 

 

カットフルーツも「オウゴウヌ王国のフルーツより断然甘いぞ!」と驚きの声が上がった。


だが、意外だったのは、オウゴウヌ王国で、アイスクリームは初めてだったらしく、参加者全員が驚いていた。

 

アン女王は「なんじゃ、この冷たいスイーツは?」って言っていたし。。。

 

 

 

実は、60年前も、30年前も、そして今回も土産には冷蔵庫、と言っても家庭用の冷蔵庫を持って行った。


もちろん、家庭用と言っても、大型冷蔵庫なんだけど。。。

 

ただ、冷蔵庫の普及は進んでいなかったらしい。

 

冷蔵庫があるのは、王室のキッチンしかないんだって。。。

 

ジョージ宰相曰く、

 「社会インフラや軍需に手いっぱいで、民需まで手が回らない。」

らしい。。。

 

 

 

ま、60年前も、30年前も、土産にアイスクリームをもっていかなかったみたいだし。。。

 

 

 

 

 

アン女王はアイスクリームを食べ終わると、ポツリと不満をこぼした。

 

「このアイスクリームも土産で持ってきた分を食べつくすと、

 もう食えぬか。。。」

 

 

 

僕は何気なく返した。

 

「いえ、王室のキッチンには冷蔵庫、しかも製氷機能がありますから、

 アイスクリーム自体は作ることは可能ですよ?」

 

 

 

アン女王は驚き返した。「本当か!?」

 

 

 

 

 

僕とアン女王はキッチンに行って、パティシエさんに指示した。

 

まずに大きなボウルと小さなボウルを用意する。

 

次に小さなボールに、牛乳とちょっと生クリームと砂糖を混ぜてかき混ぜておく。

 

さらに大きなボウルに大量の氷と塩を入れる。

 

その大きなボウルの上に、小さなボウルを乗せ、ひたすら牛乳を最初は泡だて器でかき回す。

 

すると牛乳が固まってくる。泡だて器でかき回すのが難しくなったら、木べらでかき回す。

 

 

 

最終的に小さなボウルから冷えて固まった牛乳を、僕はスプーンですくい、アン女王に差し出し、「味見をどうぞ」と述べた。

 

アン女王は恐る恐るスプーンを口に入れると、「アイスクリームじゃ」とつぶやいた。

 

 

 

アン女王は僕に問うた。

 

「つまり、王室のキッチンには冷蔵庫で製氷機能があるから、

 これからもアイスクリームを食すことができると?」

 

 

 

僕はうなずき、「ええ」と答えた。

 

 

 

パティシエさんも試食し、アン女王に語り掛けた。

 

「今回は、素材と分量も適当で、冷やし方やかき回し方も適当でした。

 

 でも、これからいろいろ工夫していけば、

 王室にふさわしい品質のアイスクリームを作れると思います。」

 

 

 

アン女王は笑顔でパティシエさんに語った。

 

「期待しておるぞ!」

 

 

 

パティシエさんは「ハ!」と答えた。

 

 

 

 

 

アン女王はニヤリと笑った。

 

「オウゴウヌ王国中で、冷蔵庫は王室専用のキッチンしかない。

 

 つまり、王家しかアイスクリームを提供できないという訳だな。。。」

 

 

 

キッチンについてきていたソフィア叔母さんが、あきれてアン女王に語り掛けた。

 

「アン姉上、、、まさか、アイスクリームを王家で独占しようと?」

 

 

 

アン女王はニヤリと笑ったまま、ソフィア叔母さんに語った。

 

「当然じゃ!


 貴族向けの晩餐会でアイスクリームを提供し、

 王家の権威を見せつけるのじゃ!」

 

 

 

 

 

すると、同じくキッチンについてきたヒラリー後方支援連隊長が異議を唱えた。

 

「いや、冷やすためだけだったら、

 冷蔵庫の代わりに、冷却魔法で代用可能じゃない?」

 

 

 

そして、同じくキッチンについてきたウオーレン魔法兵連隊長も同意した。

 

「それほど大量の氷が必要じゃないから、

 魔法兵が使うような大魔法レベルの冷却魔法も必要じゃないしな。。。」

 

 

 

同じくキッチンについてきたクラリス参謀総長はニヤリと笑い、ヒラリー後方支援連隊長に話しかけた。

 

「つまり、軍のキッチンでも、アイスクリームは調理可能ってこと?」

 

 

 

ヒラリー後方支援連隊長もニヤリと笑い、黙ってうなずいた。

 

 

 

 

 

アン女王は慌てて、クラリス参謀総長とヒラリー後方支援連隊長を罵った。

 

「お前ら、止めんか~!

 

 女王命令だ!

  

 王室のキッチン以外、アイスクリームを調理することはならん!

  

 アイスクリームの調理方法は王家秘伝とする!」

 

 

 

クラリス参謀総長は困った顔でアン女王に語り掛けた。

 

「だ~って~、女王陛下。。。

 

 私なんて大将になっちゃって、、、

  

 国防会議に将官会議と、毎日ストレス溜まりっぱなしなんです~。。。

  

 会議が終わったら、せめてこのアイスクリームを食べて、

 自分を癒したいんです~。。。」

 

 

 

すると、キッチンについてきていた、ジョージ宰相も同調した。

 

「そうですな。。。宰相はストレスの連続ですし、、、

 

 せめて、閣議の後で、このアイスクリームを食べて、

 自分を癒したいですな。。。」

 

 

 

やっぱり、キッチンについてきた、オスカー元老院議長も同調した。

 

「そうだな。。。


 わがままな貴族をまとめるのは大変ですし、、、


 元老院会議が終わったら、このアイスクリームを食べたいですな。。。」

 

 

 

アン女王は困った顔になり、キッチンにいた人に話しかけた。

 

「わかった。重要な会議の後には、アイスクリームを提供してやる。

  

 それで我慢しろ!」

 

 

 

キッチンにいた人は全員「ハ!」と言って、頭を下げた。

 

でも、クラリス参謀総長とヒラリー後方支援連隊長は頭を上げると、お互いニヤリと笑い、ピースサインを送っていた。

 

 

 

(あきれた笑い)ははは。。。

 

 

 

(次話に続く)


次話は2026/3/7 0時に更新予定です。

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