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不思議な留学 ー留学先のオウゴウヌ王国って世界地図にないんだけどー  作者: U.X.
第2章 歓迎、そして母と父に関わりのある人達
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第16話 ビデオメッセージ放映会

僕(=修司)は、レオ近衛師団長と共に、鮨や高級食材を乗せた軽トラを王室用キッチンの勝手口の近くに停めた。

 

その王室用キッチンの勝手口にはドーラが待っており、彼女が王室用の食堂まで案内してくれた。

 

あ、ドーラを包んでいた『光の保護膜』は消えていた。

 

 

 

勝手口から食堂まで移動する間、ドーラはため息をつき、僕に話しかけた。

 

「修司殿、軍の上層部には言葉遣いを気を付けるようにな。

 

 軍とは上下関係が厳しいのだ。

 

 修司殿が無礼を働けば、我が叱られてしまうのだ。」

 

 

 

僕は戸惑い問うた。

 

「そう言えば、ドーラさん、

 さっき、ダグ騎兵連隊長とウオーレン魔法兵連隊長とヒラリー後方支援連隊長と

 クラリス参謀総長に、緊張されておりましたが。。。(第15話)」

 

 

 

ドーラは頬を膨らませて返した。

 

「当たり前だ。

 我は軍に所属しておるが、中尉にすぎぬ。まだ下っ端だ!」

 

 

 

僕はなおも戸惑う。

 

「え? でも、ドーラさん、第一王女ですよね?」

 

 

 

ドーラは首を横に振り、返す。

 

「オウゴウヌ王国では、一旦軍に入れば、王女も平民も関係ない。

 身分にかかわらず、下っ端から始まる。

  

 ま、我は士官学校を出ているから、准尉から始まったが。。。

  

  

 軍には所属しておらんが、我が妹2人も王族として軍事教練は受けねばならぬ。

 その時は、王女と言えども、軍の上官の前では下っ端同然だ。」

 

 

 

僕は足を止め、ドーラに頭を下げた。

 

「事情を知らず、すみません。」

 

 

 

頭を上げると、ドーラに問うた。

 

「じゃあ、僕はどのように接すればよいのでしょうか?

 

 たとえば、レオ近衛師団長は、レオ・オウゴウヌ近衛師団長閣下と

 呼べばよいのですか?」

 

 

 

ドーラも足を止め、苦笑いを浮かべ、片手を振って答えた。

 

「いや、まあ、

 修司殿は軍に所属している訳ではないから、

 そこまでしなくてもよい。

  

 まあ、父上は、レオ近衛師団長でよい。

  

 『近衛師団長』も敬称ではあるのだから。。。」

 

 

 

僕はうなずき問うた。

 

「じゃあ、

 ダグ騎兵連隊長とウオーレン魔法兵連隊長と

 ヒラリー後方支援連隊長とクラリス参謀総長と呼べばよいですね?」

 

 

 

ドーラはため息をつき、黙ってうなずいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ところで、オウゴウヌ王国は全土電化されている訳ではなく、主要都市の主要施設のみだ。

 

これについては、60年前にオウゴウヌ王国に行った祖父・賢治や、30年前に同国に行った父・普一から情報を得ている。

 

ま、今はもうちょっと、電化が進んでいるとは思うが、祖父と父曰く、『難しい事情』があり、全土の電化は難しいらしい。

 

それでも、王城内は電気が完備されており、日本から電化製品を持っていけば、使うことができる。

 

 

 

実は、今回、オウゴウヌ王国には、30年前、父・普一はパソコン数台とプリンタとプロジェクタとスピーカーを持ち込んでいた。

 

それらも電気が完備されている王城内は問題なく使用できたと聞いていた。

 

 

 

実はビデオメッセージは僕がオウゴウヌ王国に持ち込んだ、一台のノートパソコンに入っていた。

 

そのノートパソコンにプロジェクタとスピーカーを繋げて、ビデオメッセージを放映する予定だ。

 

 

 

 

 

実は30年前、父・普一がオウゴウヌ王国に、当時のパソコンを数台、プレゼン用のプロジェクタや、スピーカーがあった。

 

しかし、当時のパソコンのディスプレイの仕様で、プロジェクタの横と縦の比は4対3で、現在の16対9ではなく、しかもコネクタの形状も異なる。

 

実は、スピーカーのコネクタの形状も異なる。

 

 

 

実は、現在の仕様への変換コネクタも土産の一部にある。


また、新しいプロジェクタやスピーカーも土産の一部にある。

 

しかし、僕には父から頼まれた研究テーマがあり、個人的に持ち込んだプロジェクタとスピーカーがあり、それを使うことにした。

 

 

 

 

 

ま、プロジェクタスクリーンは、父・普一が30年間に持ち込んでいたので、それは使わせてもらったけど。。。

 

 

 

 

 

会場は、給仕係と一緒に設置した。

 

給仕係は参加者を把握しており、テーブルを配置しなければならない。

 

そのテーブルの数と位置から、ノートパソコン、プロジェクタ、スクリーン、スピーカーの位置を、給仕係と調整した。

 

もちろん、実際の映像を流した。

 

 

 

 

 

それが終わると、ドーラと一緒にキッチンに行き、ビデオメッセージ放映後の食事について、料理・酒類・スイーツについて調整した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夕方5時半には参加者が集まりだした。

 

そして、事前に定められたテーブルに着席した。

 

僕は女王家族のテーブルに座らされた。

 

つまり、僕のテーブルには、アン女王、レオ近衛師団長、ドーラ、そしてドーラの姉妹二人が座った。

 

しかも、左手にアン女王、右手にドーラが座った。

 

もう、緊張した~!

 

 

 

 

 

夕方6時、左手に座ったアン女王が言葉を発した。

 

「皆の者、これから和泉家からのビデオメッセージを放映する。」

 

 

 

次に、僕に顔を向け、笑顔で語り掛けた。

 

「それでは、修司殿、放映を頼む。」

 

 

 

 

 

僕はノートパソコンを置いたテーブルに移動し、参加者全員に語り掛けた。

 

「まず、ビデオメッセージを放映する前に、説明させてください。

 

 ビデオメッセージは全部で4本です。

  

 そして、亡くなった方への

 ビデオメッセージや手紙があることをご承知ください。」

 

 

 

僕は給仕係に顔を向け、うなずいた。

 

すると、給仕係は、会場の明かりを少し落とした。

 

 

 

僕はノートパソコンを操作して、最初のビデオメッセージを放映した。

 

 

 

 

 

最初のビデオメッセージは、母・エリーゼからのものだった。

 

ビデオに母・エリーゼが映ると、笑顔で語り始めた。

 

「ブリジット母上、ダグラス父上、息災であろうか?

 私は元気だ。

  

 アン、ソフィア、元気か?

 日々、大変であろうな?

  

 レオを始め、エリーゼ分隊メンバー諸君、日々の業務を頑張っておるか?

 怠けておらぬだろうな?

  

 そして、トーマス、元気か?」

 

 

 

次に、映像には子供達、つまり、僕(=修司)、弟(=幸一)、妹(=倫子)が映った。

 

「私には3人の子供がいる。

 

 上から、修司、幸一、倫子だ。

  

 今回、修司がオウゴウヌ王国で厄介になる。

  

 未熟者ゆえ、色々と迷惑を掛けると思うが、よろしく頼む。」

 

 

 

最後にもう一度、母・エリーゼが映ると、笑顔で締めた。

 

「皆、よければ1年後、もう一度、ビデオメッセージと手紙をくれないか。

 

 楽しみにしている。」

 

 

 

 

 

母のビデオメッセージが終わると、アン女王は隣のテーブルに座っていた、ソフィア叔母さんに向けて、笑顔で話しかけた。

 

「ソフィア。エリーゼ姉上、若いの~!」

 

 

 

ソフィア叔母さんも笑顔でアン女王に語り掛けた。

 

「アン姉上。

 アン姉上はエリーゼ姉上より2歳下の筈ですが、

 エリーゼ姉上の方が断然若く見えましたぞ!」

 

 

 

するとアン女王も笑顔で返した。

 

「ソフィア、何を言う!

 

 そなたより、エリーゼ姉上の方が若く見えたぞ!

 

 そなた、エリーゼ姉上より、4歳下であろう?」

 

 

 

この会話に会場は笑いに包まれた。

 

 

 

実際、アン女王とソフィア叔母さんは白髪が混じっており、顔に深いしわが刻まれていた。

 

一方、母・エリーゼは白髪はほとんどなく、顔にも深いしわはなかった。

 

母・エリーゼは、アン女王とソフィア叔母さんより年上の筈だが、僕の目から見ても断然若く見えた。

 

 

 

 

 

アン女王は苦笑いを浮かべ、ソフィア叔母さんに語り掛けた。

 

「それにしても、29年も経つと、余とそなたは年を取って、

 エリーゼ姉上はちっとも変わらん。

  

 29年前、エリーゼ姉上でなく、

 余が普一殿と日本に行くべきだったかの~?」

 

 

 

すると、別のテーブルに座っていた中年男性が声をあげた。

ま、後にジョージ・ロビンソン宰相ってわかるんだけど。

 

「陛下! 何をおっしゃいますか!」

 

 

 

だが、アン女王は笑顔で返した。

 

「フン! 女王になぞ、なるものではないわ!」

 

 

 

そして、アン女王と同じテーブル、つまりアン女王の家族が座っているテーブルだが、その中でドーラにソックリな一人の若い女性に語り掛けた。

 

「のう、シャーロット。 王太子になぞ、なるものではなかろう?」

 

 

 

すると、その若い女性は、、、後に王太子のシャーロット第二王女ってわかるのだが、、、困ったように、苦笑いして、うなずき答えた。

 

「はい。母上。王太子になぞ、なるものではありません。。。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次に僕は、父・普一のビデオメッセージを流した。

 

父・普一が映しだされ、父・普一は笑顔で語った。

 

「ブリジット陛下、ダグラス閣下、お元気でしょうか?

 

 アン女王陛下、アーサー閣下、その後の経過どうなっておりますか?

  

 そして、エリーゼ分隊のメンバの皆、お元気でお過ごしですか?

  

 王立病院の皆、どう過ごされていますか?」

  

  

  

父・普一は少し真剣な表情になり、語り続けた。

 

「ヒラリー、ルーク、頼みがある。

 

 詳細は手紙に書いたが、調べてほしいことがある。

  

 そのための計測機材も今回、オウゴウヌ王国に持ち込んだ。

  

 その機材の使い方は息子・修司に訊いてくれ。

  

 頼む。君達にしか頼めないんだ。」

 

 

 

そう言うと、父・普一は頭を下げた。

 

 

 

 

 

 

ダグ騎兵連隊長とウオーレン魔法兵連隊長とヒラリー後方支援連隊長とクラリス参謀総長が座っているテーブルに、僕は視線を移した。

 

ダグ騎兵連隊長、ウオーレン魔法兵連隊長、クラリス参謀総長は、驚きの表情でヒラリー後方支援連隊長を見ていた。

 

そして、ヒラリー後方支援連隊長は、緊張の面持ちで、プロジェクトスクリーンを見つめていた。

 

 

 

そして、父・普一と母・エリーゼの元分隊メンバには、なにか強いつながりがあるって、気付いたんだ。。。

 

だから、父・普一宛に母・エリーゼの元分隊メンバから、手紙があったのだと。。。(第11話)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次に祖父・賢治のビデオメッセージを流した。

 

祖父・賢治が映しだされ、祖父・賢治は少し寂しそうに語り始めた。

 

「ブリジット陛下、セシリアさん、お元気でしょうか?

 

 大変残念なことを伝えなくてはなりません。

  

 実は、妻、マーガレットは5年前、亡くなりました。

 私がついていながら、申し訳ありません。

  

 アン女王陛下、マーガレットの遺骨を、孫・修司に預けてあります。

  

 せめて遺骨だけでも、マーガレットの故郷、オウゴウヌ王国に帰してあげたく、

 どうか、マーガレットの遺骨を、オウゴウヌ王国に納骨させてください。

  

 たぶん、次の30年後は、私も死んでいるでしょう。

 そのときは、私のひ孫が、私の遺骨を持っていきます。

 妻、マーガレットと同じ墓に納骨いただくよう、お願い申し上げます。」

 

 

 

そう言うと、祖父・賢治は頭を下げた。

 

 

 

 

 

アン女王は僕に向かって話しかけた。

 

「もちろん、マーガレット伯母上の遺骨は王家の墓に納骨させてもらう。

  

 明日の朝、納骨式を行う。

  

 そのとき、マーガレット伯母上の遺骨を持ってきてくれ。」

 

 

 

僕は「わかりました」と答え、アン女王に頭を下げた。

 

 

 

アン女王は、同じテーブルに座っていた、若い女性(シャーロット第二王女)に話しかけた。

 

「シャーロット、賢治殿が亡くなった場合、遺骨は王家の墓に納骨せよ。

 

 これは歴代女王の引継ぎ事項の1つだ。

  

 王太子たるそなたに引き継ぐ。」

 

 

 

その若い女性(シャーロット第二王女)は、「わかりました」と答え、アン女王に頭を下げた。

 

(次話に続く)

次話は2026/3/5 12時に更新予定です。

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