走る
グリーンふるさとラインに出るときは、必ず常陸太田の道の駅に寄る。
春先はバイクの駐輪場は停められないほど沢山のバイクが集まってくる。
もっと駐輪場が広くてもいいんじゃないかとも思うが、ハーレー乗りの人々などは、四輪の駐車場に停めて集まっていたりするので、特に問題はないのだろう。
そもそも駐輪場の白線では狭くてハーレーは停められないのだ。
どこに行ってもバイクを駐輪するのは肩身がせまいと感じる事がしばしば。
R349を曲がってグリーンふるさとラインを走る。
この道は、前半は新しい路面なのだが、後半は古いデコボコした路面になっている。
この道は、全体的に言うと直線の直後に急なカーブがあったり、高速コーナーが連続した後に急にタイトなコーナーがあったりする。スピード感を誤ると危ない道だ。
いつも「コーナーは飛ばすが、直線は飛ばさない」というポリシーで走っている。峠の直線では必要以上のスピードは出さないと決めている。
誰と競っている訳でもないので、タイムが速いかどうかはともかく、直線よりもコーナーこそが俺のいい感じなのだ。
スピードと遠心力の釣り合う瞬間が好きだ。俺の思う乗れてるコーナーリングとはこの感覚の事だ。
それ以上開ければ滑るし、それ以下では失速して釣り合わない。そんな絶妙なバランス感覚が好きなんだと思う。
バイクをコーナーに放り込む感じで少し速いくらいの速度で侵入する。スピードのノリが悪いと、思うようなGが生まれない。
アクセル開度は一定で基本的に足しも引きもしない。やるならば本当にちょっとでいい。
少し速い速度から生まれる外に引かれる強い遠心力の分、内側に倒し込んだバイクが対抗する。この瞬間に旋回中のバランスが生まれる。
物理的に言うならば、傾きよりタイヤのグリップ力や荷重のかかる角度の問題なのかもしれないが、感じたいのは物理法則なんかより釣り合っている感触だ。
よく、プロのライダーは「内足荷重」とか「ステップに乗るように」とか言うが、俺のコーナーの荷重のベクトルは地面に対して直角になるように押さえる感じでありイメージは内ももでタンクを垂直方向に抑える感じである。
もしドローンで撮影する事ができるなら上空から描くラインの円弧の美しさより、正面からバイクの傾きを見せたいものだ。俺の中では、気分は「クリスチャン・サロン」なのだ。
この遠心力とスピードの安定感は、他の人と話しても伝わらない。よく初心者の人がコーナーリングがギクシャクすると言うが、この速い速度で侵入する事が初心者にはハードルが高い為、なかなか出来ないのではないかと思っている。
速い速度で侵入した後、バランスよく旋回すると、立ち上がりでは、ほとんどアクセルを開ける必要がない程、スピードがノっている。
なるべく減速をせず侵入、スピードを殺さないように旋回、立ち上がりもガバ開けはせず、なるべく直線もコーナーも同じ速度を保つような感覚でコーナーを処理して行く。
コーナーが楽しいと自然に気分も晴れてライディングに集中して行く。相乗効果でノリも良くなって行く。
こんな時間が長く続いて欲しいが、峠道はいずれ目的地に着くのが当たり前で残念な所だ。バイクでの1時間と仕事の時の1時間が同じ1時間とは到底思えない。
(続く)




