海を見に行く
今日もいい天気なのでMT-07で出てみる。
風はほとんどなかったが、バイクに乗ると空気が流れて、心地いい感触。
今日は海を見たいと思ったので、海を目指して走って行く。
R51号線は海の直前で右に直角にカーブする。カーブの直前では視界の全てが海になる。
目に飛び込んでくる海面は日の光を受けて波のうねりがキラキラ光る。
R51号を走行中に見えるこの景色は海の大きさを際立たせる。
直線よりカーブを走るのが好きだが、ここの海を見るためにここを走るのは悪くない。
右にカーブを描いて夏海バイパスに入ると、波と平行に走る長い直線が始まる。
左手に広い海を見ながらMT-07を走らせて行く。
波打ち際で砕けた海が飛び散って空気中を漂う。
すぐ近くを走る俺のヘルメットの中にも湿った海の匂いを感じる。
匂いを感じながら悦に浸っているが、ここは白バイが多い道なので、少し気を引き締めて速度にも注意を向ける。
ただ真っすぐ直線を走るだけなのだが、景色がよいと気分も上がる。
大洗の人を表現するのに「波も荒いが気も荒い」と言うが、晴れた日の大洗はとても穏やかだ。
海の空気をまといながら、海面を時折眺めていると、フェリーが反対方向に進んで行くのが見えた。
北海道からの帰りなのだろうか、貧乏暇なしのくせに「北海道も悪くないな」などと思ったりする。
夏海バイパスの終わりで一車線になる。その先の交差点を右折して涸沼方面に向かう。
特に目的地も決めずに、ただバイクで走る。少し退屈なくらいがちょうどよい。とても贅沢な時間だ。
涸沼駅を通る。特に意味はないが、涸沼駅前の広い場所を回って、巨大メロンを眺めてみる。バイクならば、どこを曲がろうが、どこに停めようが、それは自分次第なのだ。
涸沼沿いの道を走る。
3,000回転くらいまでのMT-07は、とてもジェントルだ。振動もほとんど感じない。とても乗りやすい。
長距離ツーリングをしても疲れないに違いない。ただ、俺の相棒は長距離ツーリングには決定的に向かない所がある。致命的に荷物が積めないのだ。
幸い俺のMT-07は中古車だったのでサイドバックが付いていた。でも、調べてみた所、このサイドバックとその取り付けパーツは驚くほど値段が高くて、普段は勿体なくて付けて歩けないと思っている。
涸沼川を渡る橋が見える頃、河川敷の上空をトンビが飛んでいた。とても気持ちよさそうに滑空している。
遠くから見ても鳥の形はとても機能美を感じる。どこかバイクと似た美しさがあると思う。
そうしてR6に出る。
R6は車の数も多いので、周りのペースに合わせて走って行く。こういう場面でも俺の相棒はとても優等生だ。どんなペースでも普通にこなす。
今日の帰りは夕日に背を向けていたので、赤い空だけが見れた。




