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はじまり

2014年4月10日、日本でヤマハからMT-09が発売された。


3気筒エンジンのクロスプレーンコンセプト。845cc110馬力のこのエンジンはレスポンスにも優れ、乾燥重量172kgの車体と相まって鋭い乗り味との事だ。


ヨーロッパでは、すでに発売されてから半年が経っていた。インプレッションの記事も、かなり出揃っていて、相当のジャジャ馬らしい。


スタイルは、当時流行り始めたストリートファイターで、見た目もとてもカッコよく、尚且つジャジャ馬のこのバイクに目を奪われた。一目惚れと言うやつだ。


「いつかは09(ゼロキュー)に乗りたい。一生の内に必ず乗ってみたい」と思うようになった。そこからはどんな大型バイクよりも09(ゼロキュー)が欲しくてしょうがなくなった。


大型バイクに乗るなら「09(ゼロキュー)しかない」と思っていた。


しかし、この頃、中型免許しか持っておらず、大型バイクの免許すらなかった。

家族もあり、家のローンもあり、とても買える物でもない。それが40代後半の自分の現実というものだった。





2019年。

あれからも、あきらめず、でもゆっくりと「いつかは09(ゼロキュー)」という思いだけは消えずにいた。

中古車市場でも安い車体が出回り始めていた。Gooバイクを眺めては中古車市場も頻繁に見ていた。


そんな折、つくばのにりんかんに併設のSOXに走行距離1万キロ以下で50万円代の09(ゼロキュー)が置いてあるとの情報をネットで入手したので「見るのはタダだし行ってみるか」と思い立ち、その09(ゼロキュー)を見に行くことにした。


つくばのSOXは、イエローハットとSOXと2りんかんが併設されている。SOXは2階だ。


2階に上がるとロープが張られていて、バイク置き場の中には入る事ができなかった。

店員さんを探すが見つからないので、ロープの外から置いてあるバイクを眺めていた。

お目当ての09(ゼロキュー)は見当たらなかったが、MT-25が置いてあったのでしみじみ見てみる事にした。


まじまじと見てみると、どうも大きさが250ccには見えなく「ああ、これがMT-03なんだぁ」と思ったが、排気量の記載はなく排気量がよくわからなかった。

「この大きさならよく走るだろうな」などと思いながら更にまじまじと眺める。

「ん?この刻印って678ccって事?」

「おお、これってMT-07だ!」

「すげー、これって、昔、思ってた250の車体に750のエンジンを積んだら、はえーんだろうなって友達と話してた、あれをメーカーが出したんだ!」

「こいつ、絶対にめちゃくちゃ走る!!」

「これに乗りてー!」

「ヒビっと来たー!!」


そうなったら、もう止まらなかった。自由になる金もなく、相変わらず貧乏なのに、店員さんを探して、その時に乗っていたバイクを下取りに出し頭金にしてローンを組んで契約してしまった。

一度も試乗もせず決めてしまった。

この頃には大型バイクの免許だけは、バイク乗りのステータスとして取っておいたので助かった。



2週間程で納車となった、下取りに出したバイクで家を出て、つくば2りんかんで、準備の出来たMT-07に乗り換えて帰る。


乗ってみると、トルクも太く、押し出しも強い。加速がいい。とても鋭いが充分コントローラブル。

ブレーキの効きも良く、加速して止まるだけで楽しくなってきた。

交差点も面白い。倒し込みも軽くスッと曲がって行く。立ち上がりでアクセルを開けると、フッとフロントが浮くくらいの加速をする。

加速、減速、コーナーどれもこれも楽しい。


バイクに乗り始めた頃に感じていた、言葉にするなら「何と張ってもいい、無敵な感じ」「どこにでも行ける自由な感じ」が蘇って来た。


普通ならR6号に出て真っ直ぐ帰る所なのだが、こいつと海を見たくて、霞ヶ浦大橋を通って大竹海岸に寄って帰る事にした。


「なんでも来いやー!」という気分で走っているうちに、もう50を過ぎている自分のバカさ加減にヘルメットの中で笑いがこみ上げて来た。


新たなバイク人生が始まった。


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