決行
作戦決行日
「君たちにはこの、電気銃を渡す。これならば相手の動きをしばらく止められる。急な接触があったら使ってくれ。そして、危険を感じたらすぐに別の世界に行け。これは、元は私たちの話だ君たちに関係の無い話ではないとはいえ死んでは元も子もない。また、計画を練り直そう。」
「分かった。行ってくるよ。」
「ああ、頼んだぞ。」
「前も言ったけど、ナビゲートは僕がする。大船に乗った気でいるといい。」
「そうするよ。計画を成功させよう。」
彼は親指を立てた。
「では、作戦決行だ。」
俺たちはまずテレポートで事務所の1階に潜入した。
監視カメラは俺たちの方を向いているが、反応はない。どうやら本当に俺たちを認識してないみたいだ。
「よし、問題はないみたいだ。じゃあここから真っ直ぐいくと突き当たりがあるから、そこを右に曲がって他の階へ移るテレポート装置を見つけてくれ。」
「分かった。」
指示通り進むと確かにあった。
「テレポート装置あったぞ。」
「了解、じゃあもうできるだけ高い階に行ってくれ。」
この中で一番高いのは74階か、この建物は80階と、言ってたな。これは思ったより早く進めそうだ。
「分かった。この中で一番高いのは74階だ。」
「おっ、順調だな。でも気を付けて。そこから最上階まではは階段を使わないといけない。急な接触の可能性が多くなる。」
「了解」
テレポート装置で74階に移動した。しかし辺りに人がいるみたいだ、話し声がする。
おそらく右側にいるか。
「なぁ階段ってどっちだ?」
「右に進んで突き当たりを右だ。そこに行けばもう登っていくだけだな。」
なるほど左から回っていかないといけないな。
「右から人の声がする、俺たちは左から回る。」
「なるほど、分かった。気をつけて。」
「ああ」
「よし、じゃあ左から行く。」
「分かったわ。」
俺たちは左に行き、曲がり角から人がいないかを覗く。
よかったいないみたいだ。
左から回って行き、階段の手前最後の曲がり角まで来た。しかし、話している人らはまだいるみたいだ。これじゃあ行けない。
「どうしようか。」
「任せて。」
「えっ?」
そう言うと彼女は電気銃をしゃべっている二人に容赦なく撃った。どうやら命中したようで二人は、気を失った。
「えー」
「さぁ、行きましょう。」
彼らは、ここからまあまあ離れていたのに…たくましいな…
階段をしばらく登り、俺は疑問に思っていることを言った。
「なぁ、警備員っていないのか?これまで一度もそれらしき人を見てないけど。」
「えぇ、私も思ってた。この世界にも警備員はいるはずよ。」
「あぁ、てっきり君たちが倒してたのかと思ったよ。確かに銃声がしないからおかしいと思ったんだけどさ。」
「一体どう言うことだ?」
「でも、今は任務遂行を第一にしよう。罠があっても君たちなら逃げられる。きっと大丈夫さ。」
「…了解」
そして、最上階に着いた。
「奴がいるのはここから一番奥の部屋だよ。頑張って。」
「任せな。」
彼の指示通り一番奥の部屋まで行って、扉を開けた。
しかし、そこには信じられない光景が広がっていた。
「なぁ、この世界の人間は脳みそを人型の機械に移植したって言ってたよな。」
「…えぇ」
「そこって一体どこに?」
「脳みその位置は人間の脳みその位置と変わらないはずよ。」
「じゃあ、これは…」
「…」
そこには頭を潰されて倒れている首相の姿があった。
「ねぇ、何があったの?」
「首相が殺されている!」
「え?そんな…君たち以外にここに来た人がいるって事?もしかして警備員がいないのもそいつのせい?」
「分からない。一体誰が…」
「ワタシダ。」
背後から声がした。振り返るとそこには大きく、黒い正方形の箱のようなものがあった。
「マザーコンピューター?」
「ソウダ、ソコノニイル、ワタシノカツテノ主人ハ、新タナ主人ノ命ニヨッテワタシガ殺シタ。」
「まさか、プログラムが書き換えられた?」
「イヤ、チガウ。ワタシハ造ラレタコロカラ今ノプログラムを設定サレテイタ。」
「馬鹿な有り得ない!だったらそいつは今の展開を予測していたのか?」
「もし、そうだったら私以外有り得ない…」
「何?」
「だって、これは私と同じ力がないと…」
「落ち着け、君は今ここにいる。君がやったなんて有り得ないよ。」
「でも…」
「ナニカ話ヲシテイルヨウダカ、君タチハ主人ノプログラムニ従イ…
抹殺スル。」