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パラドックス  作者:
10/11

最後の日

俺たちが見てきた世界、でももう少しで忘れてしまう、無かったことになる経験。

それでも、俺はここに記す。このまま消えてほしくはない。

ここまで書いてきたことは嘘みたいな本当の話。

これが最後の日、そしてこの日記も消える。

もしも、未来の世界のこと、そして世界を渡る力を持つ人たちの世界のことがなかったら、俺は中世の俺と同じことを思ったのだろう。

今でも、彼女に消えてほしくないと思っている。

それでも、きっと許されないのだろう。



そして、ついにその時が来た。

「もう、こんな時間か」

「お別れ、だね」

「ああ」

「ちなみに、日記なんて残しても無駄だから」

「分かってるさ、そんな事」

「...私だって、あなたとの記憶ずっと残しておきたかった...」

「...」

「ああ、泣かないようにしていたのに...ねぇ、私消えたくないよ...」

「俺だって、君を消したくない...」

目が滲んでいく...

「さようなら、朝日孝一。あなたのこと最後まで忘れない。絶対に」

俺たちは最後にお互いの存在を確かめるように抱きしめ合った。

これで、終わり...


...あれ、どうして泣いているんだっけ。

なんで、こんなにも胸に穴が空いたみたいになっているんだっけ。

どうして...こんなにも悲しいんだ




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