殺人ピース(上)
1日目
「あ、もしもし広告でバイト募集記事を読んだ川上 裕也ともうしますが・・・はい・・・スイマセン有難うございました。」
ふぅ、またあっさりとバイトを断られてしまった。出所して1ヶ月程たったある日俺は、あらためて自分の犯した殺人という罪の重さを感じて、悔やんでいた。バイトに断られたのも1度や2度じゃない、今回で78件めだ。何処のバイト先も俺が元殺人犯の囚人だったことを話すと急にびくつきながら丁重に断りやがる。ちくしょう残金ももう無いに等しい、借りてるボロアパートの家賃だってある、せっかく更正してでてきたのに・・・。世の中の厳しさにうちひしがれていたそのときだった。
ヴ―ッ、ヴ―ッ俺のケータイが見たことのないアドレスからメールを受信していた。俺はどこかのバイト先からの連絡だと思い、嬉々しながらケータイをスライドさせてメールを開いた。件名にあなたも億万長者になりませんか?と書かれていた。俺は迷惑メールの類のものだと思いがっくりと肩を落としながらもそのメールを読んでみた。元殺人犯で働き場所が無くて困ってるあなた、簡単なゲームをして億万長者になりませんか?と書かれていた。俺は驚いてあたりを見回したが当然見回したって送り主が分るわけではない、俺はその億万長者という言葉と的確に俺を指している内容に興味をもち慎重にその続きを読み始めた。このゲームとはいたって簡単、このサイト内に張ってある「wanted」の人物を殺して、ゲルというポイントを貯めることです。1週間という短い期間でゲームは終わるので警察に捕まる心配もありませんそして、最終日に1位でいた人には、ゲルを全額円に替えてお支払いいたします。と書いてあった。
コ・ロ・ス 俺はその言葉のせいで4年前に起こした事件を思い出していた。生の血の温かさや、断末魔の叫び声、そして死んだときにかっと見開かれたあの何とも言えない重苦しい感覚を・・・。俺は3時間あまり自分の
経済状況などを考えて悩みに悩んでもだえ苦しんだ挙句に1つの答えをだした。
俺は殺るそして、何が何でも1位になる。悩みに悩んだ俺の答えだった。俺はメールからフリーズというサイトに飛び 参加する というところを迷わずにクリックした。 もう後には、戻れない
俺はそう決心すると早速「wanted」と書かれたところをクリックして開いた。するとそこには「後1週間」というドクロマークの下に我が国の首相や国防長官といった政府の重責の方々の写真が貼り付けられていた。俺はゲルが高くて、身の回りの警護が薄そうな友民党の総裁高村(6900万ゲル)を最初のターゲットに決めると、高村のスケジュールを調べた。さすがは友民党の総裁だけあってなかなスケジュールに1人きりの時間が無いひたすらにスケジュール表を見つめてるとあった、桃山駅から高村の自宅までの1,7km約20分1人きりになる時間が・・・俺はポイフル本多へ行って、殺害ようのサバイバルナイフをレジへ持っていった。「こ、これください」俺は少し声を震わせながら店員に言った「はい、分かりました2400円になります。」店員はこのナイフが何に使われるかなど疑う余地も無く笑顔で袋にナイフをいれて渡してくれた。俺はそれを受け取ると桃山駅に電車で向かった駅に着くと俺は驚くほど冷静になり、冴えた頭で確認した道を歩いて、身を潜められそうな場所をさがした。すると身を潜めるのに最適そうな黒い大きなボックスがたの公衆電話があったので身を潜めて夜になるのを待った。その通りは夜になっても人通りがなく街灯も1個きりで高村が桃山駅についているであろう22:40には、もうほとんど真っ暗と言っていいほど、真っ暗になっていた。さらに10分ほど身を潜めて隠れていると高村が、通りを曲がってこちら側に向かってあるいてきた。俺は大きく静かに深呼吸をして、高村がじゅうぶに近ずいた瞬間地面をおもいっきり蹴りつけて高村との距離を一気に縮めると同時に購入して間もないナイフを心臓の部分に思い切りぶっ刺した。「がっ!!」高村が声にならない悲鳴に近いものを出そうとしたので、口に左手を押し込み右手にあるナイフをもう一度ぐっと力を込めて刺した。少しすると高村は動かなくなったので俺は死体の写真を撮ると、死体を使われてなさそうなゴミ箱に丁寧にしまって、血が路面についていたのでミネラルウォーターで流しさるった。俺は何事も無かったようにナイフをバッグにしまうと、電車に乗って家に帰った。
俺はシャワーを浴びて一息ついたあとに、フリーズを開き殺害した証拠となる死体の写真を送った。しばらくするとランキングが更新されたので俺は自分がもしかしたらすでに1位かもしれないと、小躍りしながらランキングを見た。参加者10人の中で6位というなんともやや哀れな順位だった。俺はあまりにも驚いてどう反応して良いか分からなかった、上位のやつらは俺が殺したのと同じくらいのゲルのやつを2~3人も殺していたからだ。俺は何人もの人を上手に殺すことは無理そうだったので次は今回の約10倍の7億ゲルもする我が国の首相藤田をターゲットに決めると、昨日よりも念入りにスケジュールや訪問予定場所の構造を調べに調べた。しかし残り6日の間に藤田が一人になる時間を見つけることが出来なかった。「くそぅ」つい心の声がこぼれてしまった、俺は明日から藤田をつけて予定にないわずか数分の間に殺す事に決めた。俺はナイフに付着した血を丁寧に拭うと、明日に備えてそのまま寝床についた。
2日目
次の日の朝、俺は早朝にケータイのアラームで目を覚ますと、いつでも動けるように柔軟体操をして、3週間前に買った腐りかけのパンをかじり家を後にした・・・。
藤田が今日最初に訪れる予定の港二中へと金が無いので自転車を飛ばした。9:00に藤田はそこへ訪れる予定だったので、俺は5:00から自転車をこぐ羽目になった。朝自転車を飛ばすと3月の寒さが残りきった風が俺の周りを駆けて行く少し肌寒いが、そんなことを気にしている暇も無いのではるか遠くにある港二中目指して、ペダルをこいでいた。足も重くなってきて太陽も真上と日の出のちょうど真ん中あたりに来たときようやく俺は港二中に着いた、首相の藤田が訪れるだけあって公立ながら立派な建物だった俺は生徒が授業を受けているのを確認してから、忍び込むように静かに下駄箱から校舎に足を踏み入れたときだった。
「何してるんですか~?誰かの親御さんですか?」と、いかにも体育教師といった体型をした人が歩いてきた。
「はい、2年の鈴木のおやです~」と何処にでもいそうな生徒の苗字を言って笑ってみた。
「あ、初めまして体育教師の日村です。」と、笑いかけてきた。言われなくってもその体型を見ればわかるはっ「授業をご覧になるんですよね?2年生の教室はあちらですよ!」とご丁寧に教えてくれると、何処かへ行ってしまった。危なかった、まさか授業時間に教師が校舎をはいかいしてるとは思わなかった。俺は今更だが背中に冷たい汗が走るのを感じたもっと慎重に行動しなければと、心に刻み藤田が拝見しているであろう6年2組へと足を進めた。6年2組の前の廊下にたどり着くと、俺はドアについているガラス越しに6年2組の教室の中をこっそりと窺った。思ったとおりに藤田は教室の後ろに立ち、生徒たちの授業風景を観察していた、藤田の両隣には思った以上に強そうなごついSPが1人ずつ仁王立ちをしていた。俺にはあのSPを倒せそうに無いと冷静に判断し、藤田が1人にならないか見張っていた。授業が終わると藤田はSPを引き連れたまま玄関まで向かうとそのまま自家用であろうリムジンに乗り込むとそのまま行ってしまった。俺はあまりにも厳重なガード体制に大きなため息を一つつくと、自転車に乗って次の訪問場所の千葉市の役所へと向かった。朝とは違い春の暖かさを感じさせる風は俺を励ますかのように優しく吹いていた。
千葉市役所に着いたのはそれから何時間も経った18:00頃だった。スケジュール通りに行けばそろそろ藤田は会議を終えて、市役所から出てくる時間だ。俺はバッグにしまってあるナイフをぎゅっと握り、士気を高めると、藤田が出てくるのを物陰に隠れてじっと待っていた。どうやら会議は順調に終わったようだ物陰に隠れて5分と経たないうちに藤田は正面の玄関から出てきた。しかも1人で静かに階段を降りているではないか!
朝いたSPは1人も見当たらない、それどころかちょうど近くには誰も居ないではないか。俺は子豚を前にした狼の気持ちで平静を装い少しずつ藤田に歩み寄った。最初20メートル程あった距離が、5メートル近くにまでちかずいていた、だが藤田は俺に気ずく様子さえ見せない。俺は冷笑すると自分のバッグに何気ない様子で手を入れて静かにナイフをつかんだ。あと1歩で、あと一歩で俺のナイフは藤田を刺せるそう思うと、自然とバッグの中でナイフを握っている手に力が込められた。藤田はとうとう何も知らずに俺のリーチに入ってきた。俺がナイフを握り潰すほどの勢いで力を込めてバッグから手を出そうとしたまさにその瞬間だった。
「首相~!1人で外に出てはいけませんぞっ!!」と言うや否や後ろからあのごついSPがとんでもない速さで走って藤田めがけて走ってきた。まずい、このまま手を出したら確実に俺はごついSPに捕まっちまう、俺はナイフを握った手をだす寸前のところで止めると怪しまれないように、バッグの中に入っていた財布をその勢いのまま取り出した。藤田はあまりにも異様なものを見た顔をしてぽかーんとしていた。そうなるのも無理は無いだろう、すぐ近くにいた俺が藤田を刺し殺すような勢いで財布を取り出したのだから。俺はこの最悪なミスを取り戻そうしてとてつもなく間抜けなことを口走ってしまった。「頑張って日本の明るい明日を創ってください。」
「っわ、わかりました。」俺は藤田が答えた瞬間に走って逃げ去った、体裁を気にしているゆとりなどない。SPが来たら間違いなく怪しい行動をとった俺は捕まえられて、ついでにバッグを開かれてナイフを見つけて最終的に警察署に・・・なんてことになりかねないからだ。俺は全力疾走で駐輪場まで行くと、そのまま自転車に飛び乗るとペダルをこぎ始めた。ちくしょう、あと少しだったんだあと2,3分SPが市役所の中にいたら・・・
俺は行き場の失ったどうしようもない怒りをひたすら足に込めて家へと向かった。
結局家についたのは22:00頃だった。俺は汗臭いシャツを脱ぐとすぐに湯船につかった。しかし惜しかったな~と俺はつくずく思った。国のトップである首相の警備体制はやはり半端なものではなかった、1日中隙を狙っていたがそもそも1人にすらならない。俺は大きくため息をつくとビニール袋で包んだケータイでフリーズを開いて参加者の今日の成績を見てみた俺は今日ゲルを増やせなかったので7位に落ちて、また1位との差が少し大きくなっていた。しかも昨日は参加者が10人だったのに今日は9人しかいない、不思議に思いサイトを下までスクロールしてみてみた。すると右端のほうに小さく書かれていた「10位だった人は本日逮捕されました。
みなさんもお気お付けください。」この言葉は的確にこのゲームの危なさを表していた、俺は今日みたいなミスをしないようにと、今まで以上に明日の藤田のスケジュールを丁寧に細かく調べ上げた。「明日藤田を殺して1位を取る。」自分に言い聞かせるように言い放つと眠りについた。こうして2日めは終わりを迎えた。
2日めまではここに書きました。
3~最後の7日めまであと2段階に分けて書こうと思ってます。
初めてのものなので文の書き方などみにくく、わかりずらい部分もあると思いますが、この続きも書きたいと思っているのでよろしければ読んでみてください。
感想もどうぞよろしくおねがいします。