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政治経済エッセイ

維新が推進する「0歳児投票権」が問題外である件について

作者: 中将

筆者:

 本日は本エッセイを選んでいただき誠に光栄です。


 今回は維新の会が提案している「0歳児投票権(いわゆるドメイン投票権)」がどのように問題があるかについて個人的な考察をしていこうと思います。



◇ドメイン投票は現在「憲法違反」状態



質問者:

 維新の会の主張としては「子育て世代の意見を国政に反映させることが出来る」ということのようですが本当のところはどうなんですか?



筆者:

 言わんとしていることは分からなくはないのですが、現状においては「憲法違反」であると僕は考えています。


 皆さんはご存じかもしれませんが、国政選挙のたびに投票する地域における「1票の格差無効訴訟」と言うのが行われており、その判決の影響を受けて衆参の選挙区の区割りが変更されてきました。

(未だに選挙無効になったことは無いが不平等であることについて違憲判決は最高裁で複数回出ています)



質問者:

 でも、0歳児だって「一人の人間として尊重されるべきだ」と言う考えもあるようですが……。



筆者:

 投票権は基本的人権の一つですから「たとえ0歳児であっても投票権はあるのだ!」

と言いたくなる気持ちも分かりますが、判断力などの関係で未成年においては行使できないように制限されているというのが世界共通の認識として存在しています。


 実際にこのドメイン投票方式と言うのは世界において検討はされてきましたが、いまだにどこの国も実施されていないというのはそういった要素があると思います。



質問者:

 確かに、維新の会も親が選挙権を代理行使する際に子供が偶数人で親が別の政党に投票をしたい場合「じゃんけんで決める」ということを述べていますよね……。



筆者:

 そうです。これが憲法14条1項の「法の下の平等」に反すると思われますので、

 ドメイン投票を認めるためには憲法改正すら必要である、と僕は考えます。


 また、高知工科大学の「実験から探るドメイン投票方式の有効性とその課題」と言う研究によりますと、ドメイン投票の仕組みで若者が票が増えた分ほどには政策に反映されないという事も分かっています。


 無理やりドメイン投票を導入したところであまり意味が無い可能性も高いのです。


 維新の会も無知な人が集まっているわけでは無いと思うので、「画期的な政策をやろうとしている!」として党支持率回復のためのイメージ戦略をやっているとしか思えませんね。

 最近、大阪万博の問題が露呈しつつあることもあって、党の支持率低迷が続いていますからね。



◇議員を「若い人だけ」にする



質問者:

 ドメイン投票に問題があるという事は分かったのですが、

 どのような方法が若い世代の声が国会に届きやすいのでしょうか……。



筆者:

 僕はまず「候補者側に問題」があるために若い方が投票所へ足が遠のいているという現状を改革していく必要性があると感じています。


 具体的に現在の憲法下で簡単な法改正でできる選挙改革は「被選挙権を18歳からにする」と「議員の定年制度」の2つです。


 やはり、自分に近い年齢に対して親しみやすさを感じますから、システム設計上の段階でなるべく早い年齢から立候補できるようにし、高齢者の方々には早い段階で引退していただくのがベストだと思います。


 これによって当選回数が多く、知名度が高い現職が有利と言う状況もこれによって改善されていくと思います。当選回数が年齢によって上限が定められることになりますからね。

 


質問者:

 確かに80代で自民党の「長老」と言われている人達がいつまでも居座るような状況が良いようには思えませんからね……。

 そう言う人たちは大抵「党内の勢力争い」みたいなことをしていて、国民に対して目を向けていないようにも思いますから、若い方が選挙に行きたくなくなるのも理解できますよね……。



筆者:

 本当に日本の民主政治的には危険な状況だと思います。

 Public Meets Innovationの24年1月の調査では73%が「政治を通じて社会を変えることができると思えない」と回答していますからね。

 皆さん政治に絶望的な気持ちでいるのだと思います。


 ちなみに世界においては、

 フランス、ドイツ、オランダ、オーストラリア、スイス等々の国では、「年金支給開始年齢=定年」という考え方が定着しており、議員の定年も65歳となっています。

 韓国、台湾、シンガポール、マレーシアも60代で議員は定年となっています。


 このように議員定年制度は世界において普及しており、立候補年齢をどんなに高くても65歳。できれば60歳にしてシステムでの線引きをすることが大事だと思います。


 一般的に考えれば、残念なことに年齢を重ねることによって体力や脳の機能が低下することはやむを得ないことです。

 つまり、「高齢者」と言われる年齢になった時点で国を代表する議員と言うポジションからは強制的に引退していただくことが無難であると僕は考えます。


※2023年時点で日本の衆参国会議員の平均年齢は63歳であり、この制度が導入されれば半数近くが「引退」することになります。


 ちなみに岸田政権の閣僚20人のうち60歳未満は僅かに4人。65歳未満でも9人となっています。



質問者:

 日本は世界で一番進んでいる高齢化社会だからこそ若い方に議員になっていただいた方が良いですよね……。

 今の閉塞感は凄いですから……。



筆者:

 ただ、地方議員においては「なり手」が少なく、定員割れをしている地域も多く存在しています。

 4年間(2019年5月~23年4月)での町村議会選挙では、選挙を実施した全国926町村のうち無投票だったのは254町村(27.4%)、定数割れは31町村にも及んでいます。


 国会と地方においては別個の視点で見ていくべきかなとは思いますね。



◇小選挙区制度における「議員個人の死」



筆者:

 ここからは選挙制度について触れるたびに毎度同じような主張で恐縮なのですが、

 衆議院の小選挙区比例代表並立制度を中選挙区制度に戻すことです。


 小選挙区比例代表並立制度においては「党公認」であることの意味があまりにも大きすぎます。

衆議院では小選挙区で落選しても比例代表で復活できる「ゾンビ議員」も出てしまうほどに民意を反映できていない「欠陥制度」とも言えると思うんです。


 このために「党公認」から外れたくないために(党公認が無いと比例代表が無いため)、党の方針に反することが出来ず法律を作る際の「投票行動における封建的な党議拘束」が起きていると言えます。


 90年代の選挙改革の際に「お金がかかりすぎるから」という理由で中選挙区制度は無くなりましたが、より党首(総理大臣)の独裁の体制が整ってしまったと言えるのです。



質問者:

 議員個人の資質と言うのが無くなったという事ですよね……。



筆者:

 昨年成立したLGBT理解増進法案は最たる例で自民党の委員会で半数以上が反対していたにもかかわらず当日の採決では反対していた議員の方は処分を免れるか軽くするために棄権するのが精一杯の状況でした。


 これはもはや「議員個人の死」とも言える恐ろしい状況になっていると思います。



◇国民側が声を出していくしかない



質問者:

 ただ、各党に65歳以上の「長老」とも言える存在がいる以上はなかなかそう言う提案をしてくる政党はいないと思うんですけど……。



筆者:

 そうなんですよね。非常に残念なことに議員は既得権益を手放そうとはしません。


 国民側が声を上げていって「立候補年齢18歳に引き下げ」「定年制度」「中選挙区制度に戻す」といったことを議員側に“やらざるを得ない状況”にしていくことが大事なのです。


 政治家や経団連と言った既得権益側としては国民に「政治に対して無関心」であると共に「政府の言う事に従順」であり、「国民同士で争っていて」欲しいのです。


 相手側の狙いと真逆で、やって欲しくないことを国民はやっていく必要があるように思えます。



質問者:

 まずは国民側としては政治が国の行く末を決め、国民生活に多大な影響を及ぼすことを知ることですよね……。



筆者:

 誰もが身近な生活面で起きている構造を知ることですね。

特に生活と経済の側面ですね。

 政府と経団連とマスコミが一体となって消費税増税と法人税減税を推進していることと、それに伴って日本人が貧困化していることを知ることが大事だと思いますね。


 という事でここまでいただきありがとうございました。

 今回は0歳児投票権(ドメイン投票)よりも議員の定年制度、立候補年齢の18歳への引き下げ、中選挙区制度の復活などを行うことが重要であること。

 国民が政治に関心を持ち続け政治家に圧力をかけていくことが重要だという事をお伝えさせていただきました。


 今後もこのような時事問題や政治・経済、マスコミの問題について個人的な解説を行っていきますのでどうぞご覧ください。

 最終的な理想は、政治献金・パーティーなどをすべて廃止し、政治団体を相続・贈与税を課税対象にすることです。(企業などの利権を融通する政治家ばかりが当選するため)


 選挙へのハードルを供託金のみにし、ネット選挙のみにする。(どうせ街頭演説などは五月蠅いだけで身内が盛り上がっているだけ、金持ちが有利な条件ばかりが揃っている)

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