英文投稿のススメ
考えてみれば、日本語の小説はいくら多くてもたかだか1憶人にしか読まれない。悔しいかな、世界の共通語が「英語」である以上、英語で書かないとそれより多くの人には読まれない。いくら名文でも、「ノーベル文学賞」は翻訳してもらわないと受賞も出来ない。英文作品を投稿してみた結果を報告します。
※ChatGPTや翻訳ソフトを使っていると思われたくないので、完全に一からRewriteしてあります。ストーリーはほぼ同じですが、中身は全然違いますので(英語力が拙いので簡略化しています)、ご了承ください。
英文投稿を始めてもう1年になる。日本語での新作がなかなか書けず筆スランプに陥っていた私は、既発表の自作品を英語訳してみようと思い立った。でも、確か投稿規定には「日本語で書かれた小説」という決まりがあったように思ったので、運営者に照会したところ、内容に問題なければ英語でも可という回答があった。(「小説家になろう」サイトは英文にも対応しています)
これまでに3本の作品を公開し2020年12月現在、合計で1万PVを超えた。一応ニーズはあるようである。ただ、日本人で英語が読める人が読んでいるのか、それとも外国の人が読んでいるのかは全く分からない。投稿した小説のURLをBBCやロイターなど海外のマスコミサイトにリンクを貼ってアクセスを誘導しているので、多分海外の人が読んでいるのだろう。ユニークも数千件になっているので、読まれているのは確かなようである。残念ながら、感想やレビューは来ないので(やり方が分からない?)、評価のほどは不明である。
一口に英訳と言っても、普段英語を使わない人には大変かもしれない。実際、市販の翻訳ソフトにかけてみたが、意味不明の文章になりとても読めたものではない。仕方なく自分で翻訳作業を開始した。一般に、日本人は英語ネイティブではないので、英文和訳は出来ても、和文英訳には難儀する。語彙力や表現力が劣っている上、文法も昔習った程度で覚束ない。実際、私が書いた英文もネイティブの人が読めば、笑い者かもしれない。ただ、その辺りのことは、どうせネイティブではないんだからと割り切って、とにかく中身勝負で行くしかない。
昔海外勤務していたのでビジネス英語には多少覚えがあったが、小説となると口語もあるし、とても映画のようにはゆかない。ポツリポツリと辞書を引きながら訳してゆく。A4半ページを訳すのに2時間くらいかかったこともあった。ただ、幸いなことにWordにはスペルチェック機能が付いているので、間違えると赤線で警告してくれる。正直これは助かった。もう英語を使わなくなって10年以上になるので、中学レベルの単語のスペルさえ間違う。1文書くと、もう3カ所くらい訂正を促され、大学入試だったら減点の山になるところだった。また辞書もWeb辞書を使えば、いちいち細かい字を繰って探さなくても、ネットに画面表示される。例文があればコピペして修正すれば簡単である。
あと苦労したのは会話箇所である。とにかく英会話は苦手だったので、言いたいことをどう表現すればいいのか全く分からない。それで、最初は小説ではなく、会話のないエッセイ(論文)から始めた。実際、英訳した3本のうち、小説は1本で、後の2本は論文である。論文なら、スラングとか分からなくても何とかなる。初めて挑戦するなら、エッセイか論文がお勧めである。
で、英文投稿して分かったことだが、当然ながら労力の割には益少ない作業ということである。実際、3本のうち、小説はまだ1千PVと少し、あと「仏教と物理学の奇妙な関係」の英訳版「Curious Similarity between Buddhism and Particle Physics」だけ8千PVで、今も毎日数十件のアクセスが来ている。それも特定の話ばかりにアクセスが集中しているので、多分読んだ人が知人とかに紹介してくれているのかもしれない。内容はかなり哲学的、物理学的で難しいので、一体だれが読んでいるのだろうと想像を巡らせている。
今後も、折に触れ、URLのリンク貼りで世界に向けて発信していこうと思っている。どんな拙い文章でも、どこか見知らぬ国の誰かが読んでくれていると思えば、素人作家冥利に尽きるというものである。いつの日にか、英文での感想が届けば幸いである。
英文作品が出そろってきたので、英語のネット小説サイトに投稿しようと思って調べてみたが、「小説家になろう」のような書き放題読み放題のサイトが海外にはないことが分かった。「Novel Writing]で検索しても執筆支援ツールばかり出てきて、肝心の公開サイトがない。一部そうした機能の付いたサイトもあったが、中国系の怪しげなサイトだったので止めた。
英文小説はアマゾンのようなフリーの個人出版サイトに出すしかないようだ。アマゾンはもともと完全フリーのサイトではなく書いた小説を売るためのサイトなので、ロイヤリティーの入金口座情報の登録や米国の源泉税申告調書の記入とか煩雑でやってられない。
「小説家になろう」が貴重なサイトであることがよくわかった。