Ⅸ 警戒
「ウッソだろ……」
壮絶な体験をしたのかを前日、全てを夢だと思いたかった。だが、今起きた出来事がそうはさせてくれなかった。
それは登校中。
何となく軽く走ったら4キロある学校へ2分で着いた。
まぁ早く着くにこしたことはないんだが、それにしても早く着きすぎたな……
とりあえず学校の様子を覗いてみると、まだ生徒が少なく、何やら校舎の壁にマットが立てかけてある。恐らくどこかの学年が昨日外でマットを使う体育の授業でもあったのだろう……てうちのクラスは今日あったな。
「おう、赤嶺竜胆じゃないか、今日は随分とは早いな?」
今話しかけてきたのは一色竜也。この人が体育の教師だ。
「おはようございます、たまたま今日は早く目が覚めたんで何となく来たんです」
とりあえず適当に誤魔化しておく。
「そうか、今日は5限目に体育があるからな、昼食食い終わったらマットを出すの手伝えよ?」
「分かりました」
挨拶もそこそこに俺は校舎に入る。
『アンタを世界は全力で消しに来ると思うから』
……一応何かあった時のために逃走用経路を確保しておくか……
多少無茶な通路でも今の俺の身体能力なら簡単に通れる。これで逃げられるのならいいが……とりあえず何も無いことを祈る。
注意してみると意外とうちの高校は設備が多く、災害等の時、すぐに対処できるようなものが至る所にある。
(おっ?ハシゴがあるぞ?あれなら上下階の移動も楽になりそうだな)
あとは……と教室に入るまでに様々なものを探していく。例え用途が違えども、使い方によっては大きく変わるものだってある。それらを逃さずに見つけてい……来たかったが、如何せんまだそういったものが分からず、とりあえずわかりやすいものを候補に入れていく。
そして教室待機。まだまだ人が来そうにないのでスマホでもいじっている。
しばらく経って、遂にこの教室に1人入ってきた。
冴島凛花。別段仲がいいということも無い普通の女子だ。
俺が早かったことに驚いてはいるが、気にしてもいないようだ。
そしてそれから数分後、流石に早めの生徒がチラホラと見えてきた。
後は普通の学校生活だ。
と思っていたのだが、雫の言っていたことを理解したのは昼休み最後。体育のの授業が始まる直前の事だった。
何故かメイン小説よりもこっちの方が書いてるなぁ……一応適当に考えたものを書いてる分やはりこっちの方が楽なのかな?