Ⅲ 戦闘!! 1
強制的に記憶を埋め込まれた赤嶺はその反動で気絶しそうだったがそうもいかない。
何故なら今この状況がとんでもないピンチということに変わりはないのだから……
来る……!!
何故だか分からないがそう感じた赤嶺は咄嗟に横に飛……
「!?」
何となくそれはダメだと感じ正面に向かってスライディングをした赤嶺の上空スレスレを電撃が走り抜けた!
「……ウッソだろ……!?」
恐らくあのまま避けていたらまともにくらい死んでいただろう。とりあえず体制を立て直さなくてはと、立ち上がろうとしたが、そこでバランスを崩してしまう。
「クッソ!!」
そうだ。今自分は左腕が無いのだ。
力を入れるにしてもそもそも力を送る場所がなくては話にならない。急いで右腕だけで立ち上がろうとしたが、やはり上手くいかな……
「ッッッ!!」
悪寒を感じ咄嗟に横に転がった赤嶺の元いた場所が溶けていた。
「酸か!」
このまま時間をかけては逃げる場所を奪われ殺されてしまう。一体どうすれば……?
と、先ほど無理やり脳にねじ込まれた記憶を思い出す。
実体現実
それは所謂無いものを作り出すという能力らしい。
ただし作れるものには大きく制限がある上に、自分で維持し続けないと行けないらしいが、それでもないよりはマシ。
赤嶺はなくなった自分の腕を作り出し、立ち上がる。
「……さぁてと……反撃開始だこの野郎!!!!!!!!」




