Ⅱ 力
それは扉に入ってしばらくした時の事だった。
最初は何事もなく進めていたのでまさかこんな奴らがいるとも思わずにずんずんと先へ進んでしまった。
その結果がこれだ。
片腕を持っていかれ奴らには囲まれ。
はっきり言って絶望しかない。
今近くにあるのは水道に人体模型、よく分からない薬品に実験器具くらいだ。
ここは理科室なのか?なぜこんな所にとも思うがそんなことを考えている暇などない。
赤嶺竜胆はこの状況を打開するために(もしくはただの生存本能だったのかもしれないが)近くにあった薬品を手に取り、それを周りの視線の感じる場所に向かって薬品を投げた。
だがやはりただ感じたところに投げても意味がなく、簡単に躱されて(あるいは外して)しまった。
それでも近くにはまだ薬品がある。
なんの薬品かは知らないが、青い液体の入った瓶を何かに向かって投げつける。
ガシャン
と、瓶は”空中”で割れた。
攻撃されたのか、それとも見えない何かがいて、たまたま当たったのかは分からないが、それは投げた直後期割れたため、中にある青い液体が赤嶺竜胆にかかる。
と、突然激しい頭痛を感じた。
「グッグガッギッァァァァァァァァ!!!!!!!!」
あまりの絶叫にビビったのか先ほどから近くにいた何かは離れた感じはしたが、そんな事も考えられなかった。
何故なら考える暇を与えないくらいに膨大な量の知識を埋め込まれたからである。
炎弾
水弾
風弾
短剣召喚Lv1
アクロバットLv1
隠密Lv1
実体現実Lv1
それの使い方を強制的に脳に刻まれた。