故郷
俺は次の週に親父と示し合わせて母親の墓参りに言った。
その車中で俺は母さんの最後の夢の話を聞かされて、熱い涙をながした。
有馬記念は両者同着の一位になり、最優秀古馬にアイノクラウディアが選ばれた。
母さんの墓前で俺たちは母さんに感謝の弁を述べた。
「ありがとう、妙子」
「ありがとう、母さん」
アイノクラウディアは来年も走る。俺はスケジュールの都合をつけて、シークレットエデンの里帰りに同行した。最上ひかりオーナーも同行し、故郷のサンダーレーシングファームに帰る。
しぃちゃんはまだまだ走れそうな馬体だったが、脚元の弱いしぃちゃんを酷使できない。
「シークレットエデンの子にも乗ってほしいのだけど」
「乗りますよ」
「それと、結婚を前提として付き合ってよ」
「いいですよ」
「やっぱ駄目……いま、オーケーした?」
「しましたよ、ひかりさん。いい馬に乗せてくれてありがとう」
一陣の風が二人の間を通り抜け、しぃちゃんが鼻をならす。牧場の向こうに母さんが見えて、こう言った気がした。
「本当におめでとう」と。
本作はこれで完結になります。
応援してくれた方、読んでくださるかた皆さんに感謝です。
ありがといございました。




