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鈴4
中学三年になった今も、早月はまだ冬花の事を想っている。
なんで私を見てくれないの…?
「ねぇ…冬花…。どうしてなのかしらね?」
私は、冬花のぬいぐるみを細切れに切り裂き、何度も踏みつけながらそう呟いた。
「…また、新しいぬいぐるみ作らなきゃ…」
私は、ボロボロになった冬花ぬいぐるみをゴミ箱に捨てて、新しいぬいぐるみを作り始めた。
最近、ぬいぐるみをすぐ壊しちゃうから、予備も合わせて作っておかなきゃいけないわ。
(現実の冬花に会ったら、何するか自分でも分からないわね…。気を付けなきゃいけないわ…。)
そう思いながら、ぬいぐるみを作っていく。
このぬいぐるみで、十体目になる。
どうせ、またすぐに壊しちゃうわ。
それに、最近ぬいぐるみだけじゃ満足しなくなっているのよね…。
どうしようかしら…。