プロローグ
これは私の過去を小説にしたものです。私の過去の中には皆様を不快にさせるようなものがあるかもしれません。しかし、私はそんな経験を乗り越えて、今このような形で再出発をはかろうとしています。どうか温かく見守っていてください。
貴方と出会うまで、私は本当の恋の意味を知らなかった。
私の人生は、彼によって大きく変わった。
ありがとう…
これからもずっと一緒だから…
今まで私達とともに歴史を刻んだ校舎。
古びてて、使いにくいし、薄暗くなると、本当におばけが出そうで、怖くて…
でも、そんな校舎には今まで過ごしてきた日々の、忘れられない思い出がつまっている。
お別れ―
新しい校舎に移転が決まり、春からは新しい校舎での生活となった。
通学路にある旧校舎は取り壊され始めている。
今日は始業式。
気付いてみれば、もう中学校生活も最後の年を迎えていた。早かったような…
遅かったような…
先輩方が卒業してから、学校へ行くことを拒んでいた。
友達がいない学校は、苦痛の2文字しかなかったから。
でも神様が、私にもう一度頑張れるチャンスを与えてくれた。
「沙奈ぁ-!」
いつもは学校へ行くことを拒んでいたが、今日は少しだけ嬉しかった。
「春樹ぃ-同じクラスじやん!まさか本当に同じクラスになれるなんてね-!!」
五十嵐 沙奈<イガラシサナ>
私の相方。どんなことも一緒になって考えてくれる、かけがえのない親友。
そして私が、
佐野 春樹<サノハルキ>
女らしさが抜けてる活発な性格。わりと男子とは仲はいいものの、女子との交流は少なく、それが原因で学校へ行かないこともしばしば…
2人は《進級おめでとう》と書かれた紙を片手に、少し緊張しながらも自分たちのクラスへ向かった。
教室の扉を開けるともう既にたくさんの人がいて、グループ化されていた。
メンバーを見れば、仲の良い友達といったらせいぜい2,3人で、あとは関わりのない人たちばかりだった。
それでも、同じクラスになったのも何かの縁だと自分に言い聞かせた。
始業式が終わって、帰りに旧校舎を訪れていた。
ガラスがすべて取り外され、以前使っていた教室は既に姿を消していた。
静まり返った学校にポツリと1人。
今までの思い出がよみがえってくる―
中3になるまでに、色々なことがあった。
同期となかなか気が合わなかったから、知らず知らずのうちに先輩と一緒にいる生活が当たり前になった。
その頃はそれが自分にとって幸せなものだったから、それでいいと思ってた。
しかし現実は厳しくて、今となってはこうして孤独になってしまう…
同期にまったく友達がいないといえば嘘になる。
自分のことを信頼してくれて、仲良くしてくれる人は沙奈だってそうだし、いないわけではない。
ただ、人を信じられなくなっている自分がいて、かかわるのが怖いだけ。
今はもう、葉桜となってしまった桜並木をを通り、いつものごとく感じること。
―高校生になりたかった―