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なんだか、なつかしいよね

ピアリッジは、久しぶりにエミティノート共に外へ出た。


トビヒトの依頼で、自衛隊の作戦に同行したのである。


着いた場所は、エリシャとルカの住んでいた町であった。


防犯カメラの分析結果から、付近に、下級ヴァリアンツが潜伏していると推測されていた。


が、間もなくヴァリアンツは住民に紛れてしまった。


防犯カメラに映っていた対象は、死体となって発見された。

体を別の人間に乗り換えたのだ。


いまだ対象を絞り込めていない状況であったため、警察は、住民を近隣の公共施設に集めた上で封鎖し、厳戒態勢を取っている。


そこへ乗り込むのだ。


エミティノートは数十メートル程度にヴァリアンツが接近すると、その存在を感知する。


エリシャとルカはエミティノートを連れ、町内をくまなく歩きまわった。


ルカはいささか切なげに言う。


「なんだか、なつかしいよね。

 ピアリッジになってから、いろいろありすぎて、学校に通ってたのがすごく昔みたい」

 

「そうだね。

 あの時は、毎日、退屈で死にそうだったなぁ」


二人は、ずっと手をつないで歩いていた。

万一、ヴァリアンツの不意打ちを受けたときのため、というのがエリシャの主張であった。


「そうなの?

 いつも元気だったよ」

 

「そんなフリでもしてないと、みんなの期待を裏切るでしょ?」


「……よくわからないけど……。

 今は?」

 

「もちろん今は、楽しいよ!

 だって、ルカいるし!」

 

満面の笑みで、エリシャはルカに情熱的な視線を向ける。


困ったルカはあいまいに笑った。


二人の服装は、迷彩服でも普段着でもなかった。


政府が多額の資金と優秀な人材をかき集め、急きょ開発されたピアリッジ用の戦闘服である。

強力なエネルギーにも耐え、拳銃弾ていどなら貫通しない特殊な材質で作られていた。

さらに、普段は手のひらの大きさに折りたたんで携帯することも可能で、また、電流による形状記憶によって、装着も瞬間的にできる機能性も備えている。


装着した姿は、一見、妙な色のジャージにしか見えない。


「やっぱこれ、ダサいよね。

 迷彩服のほうが、よっぽどかっこいいし」

 

文句を言うエリシャ。


ルカは苦笑するしかない。

正直、自分もダサいと思っていたのだ。

が、わざわざ自分たちのために作ってくれたものに、ケチをつけるのも気が引けた。


ながながと細い路地まで歩き回った結果、エミティノートはヴァリアンツを発見できなかった。


「おかしいわね……?

 カンがにぶったのかしら」

 

「もう一周してみる?」


と、エリシャ。

エミティノートは尻尾をくねらせる。


「そうね……もしかしたら、地下室のある家に潜んでいるのかも」


「ちょっと歩き疲れちゃった。

 一休みしたいな」

 

ルカが言った。


エミティノートとエリシャはルカに賛成した。


三人は、住民が隔離されている公民館へと向かった。

そこなら、あわよくば食事にもありつけるかもしれない、という判断だった。


公民館の周りには、武装した警官が立っている。

ピアリッジを見ても、表情一つ崩さない。

入り口を固めていた警官が横に移動し、人の通れる隙間を作った。


その入り口に差し掛かった時、エミティノートの毛が逆立った。


「いる!

 この近くに、ヴァリアンツがいるわ!」

 

エミティノートの視線の先には、公民館があった。

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