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第11章 天則司りし料理

 本当に色々あったその日の夕方。

 ボクたちはスズ姉さんの家の客間に集まっていました。

 お正月なんかに親戚が集まる時にはちょっとした宴会場になるほど広い和室です。

 ボクとアシャさん、スズ姉さんとギンちゃんの姉妹以外に、パティさんとベルタさん、大火さんに夜子さんまで来ています。

「今日はよろしくお願いします」

 対戦相手のアシャさんに対して、ペコリと頭を下げるスズ姉さん。

 アシャさんはそれを不敵な笑みで受け止めました。

「人は時に、神に抗い、挑む。神であり人である汝にとって、この戦いはつまり、そういうことだろう。今こそ、人と神の在り方を……」

 ガラガラと襖が開きました。

「あらあら。今日はお友達がたくさん来ているのね。こんにちは」

 顔を出したのはスズ姉さんのお母さん。

 スズ姉さんに似たほんわかした雰囲気の人です。

「すいません。お邪魔しています」と、ボクたちは口々に挨拶しました。

 おばさんは人数分のお茶と、お菓子を出してくれました。

「それじゃ、ごゆっくり」

 ニッコリと微笑んで、襖を閉じます。

 その間、アシャさんは固まっていました。

「……人と神の在り方をここに示す。そういうことだ」

「え? ゴメンなさい。途中で止まっちゃって、何の話かちょっとわからなくなっちゃったわ」

「な……」

「ゴメンね。うちのお母さんが邪魔しちゃって。もう一度……」

「しょ、勝負を始めようか! 口上などはどうでもいい。我らが語り合うは料理において!」

 アシャさんが必死過ぎて、ちょっと泣きそうになってきました。

「そうね。じゃあ、みんなもお腹すいてると思うし、始めちゃいましょう」

 スズ姉さんとアシャさんは頷き合うと、客間を出て行きました。

 ほどなく戻ってきた二人の手には鍋があります。

「既に料理は終わっている。もはや我らは競うのみ」

「あ。ご飯盛らなきゃ」

「ボクがやります」

 既に準備済みだった炊飯器からご飯を盛り終える頃には、スズ姉さんの準備できていました。

 醤油と味噌のいい匂いがふわりと漂ってきます。

 審査員のボクや、パティさん、大火さん、夜子さんのものだけじゃなくて、なんだか呼ばれちゃったベルタさんとか、スズ姉さんたち自身の分含めて、きちんと用意されていました。

「これは……家庭的ですね」

 大火さんがしみじみ言います。

「うん。お姉ちゃん、がんばりました」

 スズ姉さんが用意したのは、ブリ大根と、味噌汁に冷奴でした。それにご飯が加われば完全に日本の夕飯です。

 皆、席につくと「いただきます」と、手を合わせました。

「えー。わらわ、和食とかダサいから食べたくないんだけど……。魚、嫌いじゃないけどさー」

 唇を尖らせながら、夜子さんがブリにはしをつけます。

 大根と一緒によく煮込まれたブリの表面はまるで琥珀のように照り輝いています。

「……んっ!? これなに!?」

 パクパクとブリを口に運ぶ夜子さん。

 続けて味噌汁をすすって、ご飯をパクついて、最後は豆腐も食べます。

「おいしいー!」と幸せそうに目を細めました。

「ブリって、こんなにおいしいの? お味噌汁も……。ぬし、すごいじゃん! 人間なのに、ほんとすごいじゃん!」

 尻尾のアクセサリーがポフンポフンと弾んでいます。

「本当においしいです」

 ボクもしみじみ言いました。

「すごく落ち着く味です。スズ姉さんの作ってくれた料理って感じです」

 実はお母さんの作ってくれる料理に似てる……。そんな気がしますけど、スズ姉さんにお母さんとか言っちゃうのは恥ずかしいので、口には出せません。

 ……アシャさんのうっかりの話をしているわけじゃないです。

「確かに見事だといえます」

 今日はスーツ姿の大火さん。はしで大根を綺麗に切り分けて、口に運んでいます。

「まず、ブリ大根で問題になるのはブリ特有の臭みです。しかし、生姜の香りをきちんと活かすことによって、臭いを抑え、うまみに昇華している。脂の乗ったブリの身。対して、よく味が染みているにもかかわらず、爽やかさの残る大根が対極の味わいを感じさせてくれます」

「めっちゃ語るな……。わたしはなんでここにおるんかもわからんけど」

 ベルタさんは肩をすくめます。

「でも、確かにおいしいと思うで。パトが食い過ぎてま……」

「ごちそうさまデシタ! デリシャスデス! オリエンタルファンタジーデス!」

 既に完食済みでした。

「でも、まだ勝負はついていマセンヨ。これが料理漫画なら、勝つのは後攻デス」

「なんでお前、仕切ってるねん。何様やねん。漫画の話すんな」

 深く息をついて、残っていたお味噌汁をすするベルタさん。

「とはいえ……神には勝ってもらわんと、苦労した甲斐がないな」

「肩入れしていマシタネ」

「調理には一切、手は出してへん。それだけは神の名誉のために言っとく。でもな……」

「本当に世話になった。魔女よ。いや、ベルタ・ヴァッサーマン」

「……ほんまな。火加減間違えそうになるし、あれだけ注意しとったのに、買い忘れはあるし……あげく、包丁と間違えて《天則司りしワヒシュタ》とか意味わからんわ!」

「すまない……」

 調理を待っている間、キッチンのほうからベルタさんの声とドタドタした音が聞こえてきていたんですが、謎はだいたい解けました。

「そやけど……わたしの監視のもとで作った料理や。勝つで」

 ベルタさんに視線で応じて、アシャさんが鍋を開けました。

 途端に、ブリ大根の匂いを掻き消したものは強烈なスパイスの香り。

「ファッキンシット!? カレーデスか!?」

「そのとおり。天則司りし我が作るはこのカレーだ」

「ルーやなくて、スパイスから作った本格派のカレーやで! ちなみに、神が買い忘れて、わたしが買いに行ったのはそのカレー粉や! めんどくいな!」

「心底すまない!」

 アシャさんはご飯と一緒にカレーを盛っていきます。

「なるほど。考えたものです。しかし、二食目にカレーですか……」

 思案しつつ、眼鏡を押し上げる大火さん。

「ブリ大根だけではなく、私たちは既にご飯も食べています。それなりの満腹感を得ている今は一食目のように、空腹による満足度はありません」

「確かに……そうですね」

 買い物は手伝ったものの、アシャさんがどんなものを作るのかはあまりわかっていませんでした。あの食材で、まさかカレーが来るなんて。なんせ、スパイスは買い忘れていました。

 目の前の皿にあるものはスパイスの匂いこそ香るものの、ごくごく普通のカレーに見えます。

「さあ、食べるがいい」

「いただきます」と、ボクたちは手を合わせると、スプーンを差し入れました。

 アシャさんのカレーがそれぞれの口に運ばれます。

「ん!?」

 夜子さんがうめきました。

「口の中でなんか溶けた……! これなに!? すごいじゃん!」

「スジ肉!? 確かにアシャさん買ってました。でも、ここまでトロトロに?」

「かなりの時間煮込んだのでしょう。しかし、このカレーの神髄はそこではありません。むしろ、このバランスです」

「バランス?」

「そうです。日本風のカレーだというのに、あえてジャガイモを入れていないのです」

「言われてみれば! 大火さん、ほんと詳しいですね」

「《武塔》の基礎として色々と……。ともかく、このカレー、野菜はキノコとタマネギ。その上、隠し味として醤油や味噌を加えています。これらがスジ肉のクセを和らげ、包む込むようにして味に深みを出しているのです」

「そうや。うっかり者でも、神は神や」

 やけに誇らしげにカレーを食べるベルタさん。

「おいしいデス! これもベリーベリーデリシャス! カワバンガ!」

 すごい勢いで食べているパティさん。

 そんな中、スズ姉さんがスプーンを手にしていました。

 姉さんの前にはいつの間にか、アシャさんの牛スジカレー。

「お姉ちゃん……」と、ギンちゃんが心配そうに見守る中、スズ姉さんはカレーを一口、静かに口に運びます。

 それからすごく優しく……いつもの春の日差しのような笑みよりももっと優しい、楽園に咲く花のような、どこか切なさすら感じさせる微笑みを浮かべました。

「わかるわ」

 スズ姉さんは目を細めます。

「この柔らかなスジ肉を作るために、アシャちゃんがとてもがんばったこと。うちのキッチンに立った時には、既にこのスジ肉、完成していたのね」

「ああ。下ごしらえは済ませていた」

「ボクがスズ姉さんたちと買い物に行っていた間に……」

「何度も何度も煮て、お湯を変えて……。これを食べる人のためにおいしいものを作りたい。その気持ちが確かに感じられる。これは人を愛する優しくてステキな料理」

 スズ姉さんはそこにいるみんなを見回しました。

「審査に来てもらったのに、ゴメンね。わたし……この勝負はアシャちゃんの勝ちだと思う」

「お姉ちゃん!? そんなですぅ……!」

「でも……みんなもわかるわよね」

「わらわはどっちもおいしかったよ。でも、スズちゃんが敗けたっていうなら、それでいいじゃん。おかわり」

「総合的に見れば実力は拮抗しています。しかし……料理への工夫ということを評価に入れるなら。確かにアシャ様の勝ちと言えるでしょう」

「ボクはアシャさんが《しょうもない呪い》に抗って、すごくがんばってるのを見てきました。それに……カレー、おいしかったです。だから」

 スズ姉さんが頷きました。

「アシャちゃんの勝ちね」

「いや、実力は拮抗している。それは我も認めるところだ。人の身で、よくここまで」

 ブリ大根を一口食べて、アシャさんは言いました。

 それから手を差し出します。

「人の子よ。鈴金よ。我は汝を認めよう」

「ありがとう。アシャちゃん」

 二人は固い握手を交わしました。

 なんだかよくわからないけど、目尻が熱くなります。

「それにしてもすごい発想ね。和食対決で和風カレーなんて」

「フ……。……えっ?」

「ボクもそれは思いました。和食対決って言ってたのに、まさかカレーにしようとか」

「わたしは考えが固いのね。もっと自由な発想をしなきゃ。すごく勉強になったわ」

「わたしもや。あとでテーマ聞いて驚いたで。でも、アシャのやつ、調理に迷いがなかった。だから、うっかりやないと思ったんや」

 何故か固まっているアシャさん。

「……忘れていた。うっかりしていた。ど、どうしよう」

 ボソリと言いました。

「違う……違うのだ! 我は……今回のテーマをすっかりと忘れていた!  我はただ和風の味付けをしたカレーを作っただけで、和食としてカレーを作ったわけではないのだ!」

「うっかりに気づいてなかっただけか!?」

「で、でも、そんなに違わないですよ?」

「いや、大きく違う! 違うのだ!」

 崩れ落ちるアシャさん。

「我の……負けだ」

「そ、そんな、アシャちゃん。おいしかったわよ? だから、ね?」

「我は戦う前から敗れていたのだ。それを……くっ! 殺せ!」

「殺さないわよ!?」

 まさか、テーマからうっかりしてるなんて……むしろ、誰も気づきません。

「神……。すごいな」

 ベルタさんはもう感心するような顔です。

「でも、ほんとおいしかったデスヨ。サティスファクション(満足デス)! ゴリラなみのサティスファクション(満足感)!!」

 ビクッ! とスズ姉さんが反応しました。

「あ、そうじゃなくて、デスネ。全部食べちゃったということデス」

「全部!?」

 見れば、アシャさんが作ったカレーが、炊飯器のご飯ともどもすっかり空になっています。お鍋の底がツヤツヤ光って見えるほどに根こそぎ。

「わたしのブリ大根も……」

「食べ過ぎやろ!? お前、アホちゃうんか!?」

「アホって!? ファッキンビッチ! クレイジー!」

「クレイジーはお前や! そもそも、なんで料理対決してるんか忘れたんか!?」

ダミット()……!」

 忘れていたようです。

「はっ!? そうだ……我もまたそうだ。何故、カレーにしたのか? それは豆腐が飽きたというパティに対しての我なりの解答のはずだった。つまりは豆腐を使わずとも料理から太る原因を除くことはできる。炭水化物であるジャガ芋をあえて排除してのカレー。その中でうまみを出すための工夫……。高タンパク低カロリーの牛スジという選択。だが、我は結局、そもそも和食であることを忘れていて……! くっ! 殺せ!」

「すいません。よろしいでしょうか……でござるだってばよ」

 ニンジャ過積載の台詞と共に大火さんが手を上げました。

「この料理対決自体は、アシャ様が認めている以上、反則負けで双津星様の勝ちでよいと思うのでござるますが。いや、ござるが」

 アシャさんが「くっ!」とよりうなだれてしまったけど、大火さんは話を続けます。

「パティ様のダイエットは、食事以外も考えるべきではないでしょうか? だってばよ」

「どういうことですか?」

「私は仕事柄、体重の管理にも気を使う必要があるのですが。減量する場合、カロリーや、摂取する栄養素に気を使いつつ、カロリーの消費量を上げる必要があります」

「まあ……当たり前の話やな」

「そこで、パティ様の普段の生活を顧みると……あくまで私が見ている限りですが……」

「シット……!」と、パティさんが小声でうめくのが聞こえました。

「私が訪れた時、パティ様の行動はほぼ決まっています。ダンボールごと箱買いしたスニッカーズを手の届くところに置いて、寝そべりながら食べています。飲み物はコーラです」

「ト、トクホだから、大丈夫デス……。アシャが違うって言ってたけど、そんなことないデス」

「パティ様は学校にいる時や、コスプレの衣装を作っている時以外は……あくまで私の見ている限りですが、主にそういう行動をしています。その状態でアニメを観たり、ゲームをしたり、ネットサーフィンしたり、時にはそのまま昼寝することもあります」

「アニメ見ている途中にトレーニング始めるハットリのほうがおかしいデス!? ニンジャ!」

「ニンジャ! はええけど、どこまで自堕落やねん、お前。映画とかで生クリームのスプレー、クッキーにかけて食ってる奴か」

 目を逸らすパティさん。

「やってるんか、アメリカ人!」

「そうなの? パティちゃん」

 心底驚いた顔をするスズ姉さん。

 それからおもむろにパティさんの服を捲り上げて、露わになったお腹をつまみました。

ワッツ(何デスか)!? スズ!?」

「これ増えると地球、爆発するのよね」

 つまんだお腹を揉みます。

「確かに増え過ぎると爆発するんデスけど……。も、揉むのはやめてほしいデス!?」

「かわいそう……。パティちゃん、太りたくないのに、呪いのせいで食べて……」

「の、呪いだからしかたないんデス。揉むのはやめてほしいんデスけど……」

「パティちゃん。今日は何を食べたの? お姉ちゃんに教えて」

「今日、デスか? でも、なんで? だから、揉むのはやめ……」

「お姉ちゃんに教えて」

 親身になってることがわかるスズ姉さんの真剣な顔。

 その迫力に、パティさんは完全に押し負けています。

「ス、スニッカーズ……」

「何本?」

「え、えっと……」と、指折り数えるパティさん。

「……スズ。これは……しかたないことなんデス」

「何本?」

「は、八本……デス」

「ひとまず、朝食とか省いて、スニッカーズと、今食べたご飯のカロリーを計算するわね」

「計算!? ウェイッ(待って)! 恥ずかしいデス!?」

「スニッカーズが一本247キロカロリー。これが八本。標準的なカレーは一杯700キロカロリー。これが四杯。ブリ大根はだいたい500キロカロリー。これが三杯。ご飯が一杯200キロカロリー。これも三杯。たくさん食べたわね」

「たくさん……食べマシタ」

「お味噌汁と冷奴は省略するけど……パティちゃんこれ、計算できる?」

「《デネボラ》の演算機能なら容易い……な、七千キロカロリー以上デス」

「そうよね……」

 憐れむようなスズ姉さんの瞳には涙すら浮かんでいます。

「わたしたち、年頃の女の子の一日の基準摂取カロリーは2000キロカロリー強なのに」

 スズ姉さんはパティさんのお腹をまた揉みます。

「基準カロリーからはみ出ちゃってる5000キロカロリーは……ここなのね」

「憐れむのやめてくだサイ!」

「パティちゃん!」

 顔を近づけたスズ姉さんにパティさんが硬直しました。

「協力させて。わたし、パティちゃんのためにがんばるわ」

「な、何をデスか!?」

「痩せるのに協力するの。あれからずっと考えていたわ。パティちゃんの希望をパンチで潰しちゃった罪滅ぼし……。キメラに頼らず、わたしができること……。それがダイエットよ! パティちゃんを呪いで悲しませたくない。そのためなら……わたしは神にも悪魔にもなるわ!」

「ジーザス!? あ、あれはスズも呪いでしたし、しかたないデス……!」

 涙を拭い、パティさんを見据えるスズ姉さん。

 微笑は消えて、その目にはもう迷いはなく、むしろ、殺気みたいなものすら感じます。

「それで、パティちゃん。反省する点はある? どこを改めれば、痩せられると思う?」

「ス、スニッカーズを……減らしマス。ご飯食べる量も減らしマス」

「もう一声」

「運動しマス! 寝転んでばかりいないで運動しマス!」

「そうね」

 ようやく、パティさんのお腹から手を離すスズ姉さん。

「本当なら、まずは筋肉をつけて基礎代謝を高めて、日常生活の消費カロリーを増やすところから始めるべきなの。だけど、パティちゃんはもともとしっかり鍛えているから、摂取カロリーを抑えながら、脂肪を燃やす有酸素運動をメインにするといいわ。具体的にはランニング。三十分続けると、燃焼効率が高まるから、毎日、一時間のランニング。がんばってみようね」

「一時間!? イヤ、デス……」

「パティちゃんが走らないなら……それは星の、敵。わたし……どうすれば!?」

「ひっ!?」

「……パトの奴、怯え過ぎやないか? 確かに、アレはそうとう怖いけど」

「えっと……」

 そういえば、ベルタさんはまだスズ姉さんの星守としての姿を知らないです。

 知ってるパティさんがガタガタ震えているのは、なんとなくわかります。

「しょ、ショー。パティを助けて、くだサイ……」

 確かに……助けてあげたいですし、恐怖に引きつったパティさんの顔は見たくないです。

「でも、やっぱり、ちょっとカロリー取り過ぎだとは思いますし……」

ブルシット(裏切り者)!! こうなったら、友達だろうが、ここでショーをぶっ殺すしか!!」

「優しいパティちゃんがそんなことするわけないわよね」

スズ姉さんの顔に蘇る優し過ぎる微笑。

 一瞬、パティさんの周囲で歪んだ空間が、しおしおともとに戻りました。

「パティがんばりマス! ダイエット、本気でがんばりマス! 早くキメラ来てくだサイ!」

 半泣きのパティさんを、ボクはただ見ていることしかできませんでしたが、今後のためにはこれでイイ気はしました。

 呪いとかおいといても、成人病は怖いですし。


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