表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/10

序、『スタートライン』

 それは『私』が終わった日の思い出。


 目の前にボロをまとった少年がいる。

 汚れた衣装、汚れた身体、汚れた存在。

 だからきっと、その瞳が輝いて見えるのはただのギャップ。


 ――……視てる。


 獣にこんな眼はできない。

 相手の動きを観察し、相手の心まで読もうとする視線。

 私の心の内側まで見られて、見透かされているなんて気のせい。


 ――……いま、この子は私だけを視てる。


 私の一番大切な人の関心をすべて奪っている憎い存在が、私だけを見ている。

 その事実がとても嬉しく、愉しく、どうしようもなく気持ちがいい。

 この子を処分するのが、もったいないと思うほどに。


 ――……プランを変更しよう。そうだ、それがいい。


 この子を手に入れてしまおう。手に入れて、私の為に使おう。そんな復讐もアリだ。

 だったら、いまから言うべき言葉は『死ね』じゃない――


「――はじめまして、こんにちは」


 そして、『私』は『私達』になった。

 だから、ここから始まるのは私達の物語。

 …………始まった私達が、終わるまでの物語。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ