8話
『で、始君と言ったかこのまま私の話を聞いていくかね?』
未だに坂巻会長の目の前にいる始に話しかけた。
『もういいですよ。今の所はケンカも出来ないだろうし』
始はそういい残して帰っていった。
『ずいぶん気ままな生徒が入学してきたもんだな。じゃあ、少し邪魔が入ったが今期生徒会のメンバーを紹介しよう』
坂巻会長は、凜とした声で言った。
『右から順に副会長の鬼瓦 一挙二年生、次に会計の島野 紗由理二年生だ。今いる生徒会は以上だが何か質問はあるか?』
『あの〜、先ほどの説明にはありませんでしたが、残りのお方達は何者なのですか?』
あかねがおそるおそる聞いた。 今いるってことは他にも役員がいるのが俺は気になるが…
『説明不足だったな。これは人間じゃなくて、紗由理の魔法だ』
俺はある疑問が浮かんだ。
確かに、現代魔法は完璧ではあるが便利ではない。
火をつけたいならマッチを使えばいいし、物を切りたいならナイフを使えばいい。
だから、魔法というものはあくまで応急措置でしかない。
しかも今の現代魔法には、複数の分身を作る魔法は存在しないと言われている。
『ですが坂巻会長、そんな魔法は今までにはなかったと思いますが』
『桔城君なら知っていると思うがころは特異魔法だよ』
『特異ですか…また珍しい魔法をお持ちのようですね』
『将様、特異魔法とは何でしょうか?』
『あかねは知らなかったか特異系魔法について』
『現代魔法の基本系統はいくつあるか分かるか?』
『はい、確か加重・浮遊・移動・停止・分離・凝縮・操作の7つですよね。でも会長が使ったような操作の魔法は禁忌にされていますよね』
『まぁ、実際の所は政府に許可を取ったなら操作の魔法も使用してもいいんだけどね』
『全くだ。私は政府から許可を得て使っているのにたまに、文句を言う輩が出てきて困ったものだ…。すまない愚直みたくなってしまったな。それでは実際の魔法については本人から教えて貰おうか』
『はい、分かりました。私のーーーじゃなくて皆の生徒会長。私の特異魔法は「偽者作り(ダミーメイク)」と言います。物体なら質量に関わらず何でも作ることが出来き、物体の能力は本人と同じですが非常に短時間でしか使えません。あの人が帰ってくれなかったら私のーーーじゃなくて皆の生徒会長を守れませんでした』
『さっきから何故私の生徒会長と間違えるのだ。完全にわざとだろ』
『いえいえ、私の生徒会長に対してそんなことはありませんよ』
『もう、紗由理は諦めたな!!否定すらしないではないか!!』
『姉さん…一年坊の前ですからもう少し威厳のある返事のほうが』
いきなり今までほぼ空気だった鬼瓦先輩が話しに入ってきた。
『紗由理も止めてやれ。姉さんが困ってるだろ』
『分かったわ。私の生徒会長を弄るのはいつも面白いわ』
『もう、諦めないといけないのか…』
『あの、仕事のほうはどうすれはよいのですか?』
あかねが助け船なのか素なのか分からないが質問を挟んだ。
『あぁ、そうだったな。それに関してはまずは入会テストをしてもらってからにして貰おうか』
『入会テスト?』
『君達どちらか一人が私と戦って私に勝ったら改めて生徒会に入って貰かもらう』
『もし負けた場合は…』
『君達には悪いがこの話は無かったことにしてもらう。紗由理、ゲスト用の端末を用意してくれ』
わかりました、私の生徒会長と言って島野先輩は生徒会室を後にした。
『3時間後にまた生徒会室に会おう』
坂巻会長はそう言って生徒会室を出ていってしまった。
『そうだ一年坊、姉さんはかなり強いから今のうちに準備しとけよ。姉さんには悪いが俺はお前のほうが勝つと思ってるからな』
『ありがとうございます。期待に添えるような結果にして見せます』
『じゃあな』
鬼瓦先輩も生徒会室から立ち去ってしまった。
『さて、どっちが出るかだな。ここまで言われたら俺しかいないだろうがあかねはいいか?』
『はい、私も将様のご活躍を大いに期待してます』
『ありがとうな。絶対に勝ってみせるから楽しみにしとけよ』
さぁ、ここからは負けられない戦いの始まりだな。