2話
連続投稿になりました。こんな日はあまりないと思いますが、ゆっくり書かせて貰います。あと、宜しければ感想などもよろしくお願いします。m(__)m
早めの朝食をあかねと済ませて、俺は学校の制服を羽織る。
『やっぱり、錬様は何をお召しになっても似合います。』
あかねは笑顔を作りながらそう言った。
『そうか、俺はそんな似合ってるとは思わないけどな』
『いえ、錬様に似合わない物などありません!!』
今度は強い口調で言われてしまった。
こうなったあかねは何を言っても考えを変えない。
(ここは、強引でも話題を変えるか…)
『それじゃあ、まだ時間もある事だし少し散歩してから学校に行くか』
『私はいいのですが、錬様は…あの、その、変な噂がたっても…』
あかねは蚊の鳴くような声で聞いてきた。
確かにこんな早朝から年頃の男女が歩いていなら恋人に間違われても仕方ないか。
『まぁ、俺はあかねみたいな美少女が付き合ってくれるなら死んでもいいぐらいだがな。』
『っっ!!!』
すぐさまあかねの顔は真っ赤になり、後ろを向いてしまった。
熱でもあるんだろうか?
『…錬様はたまに本気で言っているのか、冗談なのか分かりかねます…』
声が小さすぎてあまりよく聞き取れなかったが逆に迷惑になりそうだしやめにするか。
『じゃあ、やめにするか?あかねに迷惑だし』
そんな事を言うと振り返ったあかねは少し頬を膨らましていた。
『何を言っているのです錬様。私は錬様と一緒に歩いて行く事に微塵も迷惑ではありません。でも、今の一言で私は酷く怒りました。なので、代わりにその、手をつないで歩いて下さいませんか?』
あかねは上目遣いで頼んできた。
くっ…そんな事をされたら嫌なんて言えないじゃないか。
まぁ、言う気はないがな。
俺は自分の部屋で荷物を入れたバックを手に持ち玄関で待っているあかねと一緒に手を繋ぎながら桜の舞散る道を歩いて行った。