10話
いつも読んでいただきありがとうございます。
よければ何でもいいので感想などをくれると作者としては嬉しいです。
これからもよろしくお願いします。m(__)m
『まぁ、結果を言ってしまうと合格だ。二人ともおめでとう』
坂巻会長達が拍手と共に祝ってくれた。
『まさかですよ。今まで模擬戦では負けなしだった私の会長が負けるなんて』
『私も人間だ。負けるときだってあるさ。だがこのままでは先輩としてのプライドが許さないからな、近いうちにリベンジさせてもらうぞ波崎君』
『流石に今度は負けますよ。あんなのは単なる不意討ちでしたから』
『それでもだ。姉さんに不意討ちでも勝てないやつなんて大勢いるぞ』
鬼瓦先輩はガハハと大笑いしながらこちらを見てくる。
『やはり、錬様は素晴らしいお人です』
鬼瓦先輩に比べてあかねは目をキラキラと輝かせている。
『おっと、あまりに完敗だったから本題を忘れていたよ』
坂巻会長は俺とあかねに分厚い紙の束を渡してきた。
『これが生徒会に関する書類だ。明日までに目を通して判子を押してきてくれ』
俺は軽く鈍器になりそうな紙の束をパラパラと捲りながら確認して閉じる。
『今日中に生徒会の活動を説明したかったのですが、この時間では無理ですね』
島野先輩が淡々と答える。
『そうだな、明日は少し私情があるから明後日の放課後にまた生徒会室に来てくれ』
『了解です』
『分かりました』
俺とあかねは個別て返事をして生徒会室を出ていった。
帰り道はあかねと基本的に同じなので一緒帰り、あかねを家まで送り届けるのがあかねと会ってから俺の日課になっていた。
『生徒会の皆さんは面白そうな人ばかりでしたね』
『確かにな。色々と大変でもありそうだが』
俺は苦笑しながら答えた。
『そういや、おじさん達は元気か?』
『はい、特にお母様は将さまもたまには遊びに来いと言っておりましたぐらいに元気です』
あかねは俺とは違ってあの実験までは親がいたらしい。
親のことはあまり覚えてはいなく、今の親もあのあと実験室からあかねを救ってくれたやさしい一般市民だ。
そのときにいた俺も息子のようにしたってくれる。
『そうか、だったらまた暇なときでも遊びに行かせて貰うな』
『はい、楽しみにしてます』
そのあとはあかねと今日の話をしながら日課どうりに家まで送り俺は自宅に帰った。
『それにしても寂しいな…』
あかねから家族の話を聞いてしまったからか家の中がやけに寂しく感じてしまった。
『寝るか』
坂巻会長から貰った書類に判子を押して俺は
寂しさのあまりか晩飯も食べずに寝てしまった。
『おっす、今日もあかねさんと登校か?羨まし過ぎるぜ』
今日もあかねと登校してきた俺に対してクリスは文句を言ってきた。
『そう言うお前も女子と登校だろ』
『こいつとあかねさんを一緒にすんなよ。あかねさんのほうがこいつの百倍は可愛い…って痛てぇなミーシャ!!』
『五月蝿い…』
昨日と同じくクリスの肩に乗っているミーシャは口をへの字にしてクリスの頭を叩いている。
『全く、今日も驚きそうなことをしてるね錬ちゃんは』
『『お前のほうが驚くわ!!』』
俺とクリスのダブル突っ込みが炸裂した。
いきなり現れやがってなにがしたいんだこいつは。
『そういや聞いたぞ。お前とあかねさん生徒会に入ったらしいな』
『その話は何処で聞いたんだ?』
『風の噂かと思ったんだがどうやら本当らしいな』
『錬ちゃんは生徒会に入ったんだ。余計に潰しがいがあるね』
始はニッコリ薄気味悪い笑顔を作りやがった。
マジで怖いんだが…。
『これは一週間後の一年祭は荒れるな』
『一年祭?』
『あらら、錬は一年祭を知らないのか?』
『一応パンフレットに書いてある行事は見たんだがそんなの行事はあったか?』
『非公式だが事実上教師も黙認の行事だ』
『で、内容は?』
『そうだったな。単純に言えば喧嘩だな』
『おいおい、始が文字どうり音速で教室を出ていったじゃないか』
『それはすまなかったな。続きだが、これの始まりはとある一年生が始まりだったらしい。よくはわからないがその一年がかなり悪だったらしく上級生がそれを懲らしめたって話が拗れて今では上級生が一年にひたすら模擬戦を挑むって形になったんだ』
『へぇ〜』
『感心してる場合か、錬は特別枠でしかも一年でありながら生徒会に入ったんだぞ。それを上級生が見逃すと思うか?』
『や、やばい…俺って殺されるのか』
『ようやく事態が分かったか。まぁ、せいぜい生き残ることだな』
今回の一年祭は全力で頑張らないといけないらしいな…