葬送のフリーレンのシーズン1、9.8/10点
魔法使いのエルフの物語だった。この世界観の中でエルフがどれだけ生きるのかは分からないが、少なくとも千年位以上生きている。人間の命の儚さというものを感じつつ、魔法の発展にその世界の人類の強い想いが伝わる。
勇者ヒンメル、戦士アイゼン、僧侶ハイター、魔法使いフリーレンが勇者一行のパーティとして大陸の北側に陣取る魔王を撃破。誰一人欠けていても成功しなかった冒険譚であったというのだが、10年の冒険。その後の人生の方が長い。
エルフであるフリーレンは魔法収集の冒険を続けるが、60年後に勇者ヒンメルは死ぬ。フリーレンは泣く。エルフには感情や感性は乏しいとのことだが、人との出会いが変えたということ。一期一会のような出会いや、仲間の成長というのはやはり重要なのだろうか。
これ以上詳しく書くと何か問題になるかもしれないから、まあそこそこにしておいて、この物語で私が一番感じたことは歴史に名を残すとはなんだろうかということだった。葬送のフリーレンというのはネタバレにもならないが、彼女の二つ名のようなものであるのだが、彼女が誰よりも戦果を上げているという側面からそう言われるようだ。
しかし忘れられていく歴史の流れの中で、誰も彼女を覚えているものはいなくなる。長命のエルフは数が少ない。天地創造の女神様だけが、彼女に褒めてくれるかもしれないという、そもそも歴史の流れの中で一度も姿を現していない存在に対する信仰心を持つかどうかということで、彼女はさほど信じていない。
これを書いている私はクリスチャンなのだが、神に褒められるとは何かということを考えるようになった。最近、クリスチャンという用語は構造が入ると気がついて嬉しくなったことがあった。それはある人がいうには信徒であり、弟子であり、ある意味で救われるということは簡単なのだが、その後の奉仕は人によって異なる。どのように生きれば良いか、人間の生きる姿形とは何かということを私はイエス・キリストの生涯に重ねていた。最高善とは唯一の選択肢であり、それは神を信じ、イエスに従うことだと思ったのだ。だが人によって具体性を伴う時に、最高善と最善は違うのではないかという言葉遊びを思いついた。
私の話はこの程度で構わないとして、褒められるとは何かと考えた時に、少なくとも合格を告げられることではないと分かっているが、それくらいでないと私はあまり嬉しくないと素朴には感じるのだった。だが褒めるということはそれまでの歩みを認めて、いつでもその時点に戻れるし、セーブポイントのような、それ自体が救いのような意味付けも可能ではないかと思った。
フリーレンの弟子が一級魔術師に認定される流れでも思うことがあり、フリーレンの師匠の師匠の思いというか、弟子を取るということは歴史に名を残さなければ価値がないわけではないと言っていた。私自身の歩みというものも人目には酷いものかもしれないが、それを受け入れてくれる神がいるという信仰に落ち着いていることに、頭と心が一致しそんなことがあると思え、それを信じたくて信じることができている恵みに感謝した。
後思ったことと言えば、一般攻撃魔法という概念は私も流用したいと思った。そもそも私はあまりそういうコンテンツに触れていないので、よく分からないが決して特殊ではないのではないかと感じる。それはそれとして、私が何かを表現するとしてやりたいことは、誰かが個人的に大切にしていることが核となって後世の大きな物語の一つのピースとなるようなことである。
現実世界にはこれが足りていないように感じる点で少しニヒリズムに寄っていると判断したくなるのではあるが、まあ誰かが誰かを好きになるということが次の世代を作り出していると言えるのであれば、その意味で愛は本質かもしれない。これはエロースなのだが、アガペーは神、キリスト。私はエロースの価値を高く評価していて、アガペーに劣ったとしても匹敵するくらいは可能じゃないかと信じている。
魔族の人に対する破壊衝動というのも使えるかもしれないと思った。彼らがどう生殖しているのかは知らないが、とにかく、存在という存在に対する敵意というのが私は好きで、そもそも私はキリストも悪魔も敵に回している時期もあった。自分のことは置いておくとして、全てを無意味にする破壊というのは私は使えると思うが、だが同時に悲しみというのがある。それが私にある憐れみかもしれない。
全てが無くなってしまえばいいと思っているが、それまでの歩みが無駄になるのは避けたいというところ。これは盾の勇者の成り上がりというアニメを見て感じたことでもあるので次の機会に述べたいと思う。
自分自身との戦いというのも描かれていた。完全な一対一ではなかったが、自分の弱点は自分自身や仲間がよく分かっているもので、わずかな隙を付くという表現の仕方だった。こうして次のステージに進むことが許されたのだが、誰も成し遂げていなかったことをチームプレーで成し遂げる希望を感じさせた。




