惚気姫 作者: 封封封 掲載日:2026/03/28 本の修理屋として働く私の店には毎日のように本が届けられる。 擬態文章といって別の文章に擬態した一文を字導(じどう)ペンで囲む。すると、一文を囲う枠内の擬態文章があるべき文字列にもどる。 そうした仕事をしていると、本の修理の依頼者は私によく惚気話をする。 妻と夫あるいは恋人の話を私は聞きながら本の修理をする。 いつからか、片思いの青年が私の店によく来るようになった。やがて私は街の人たちに惚気姫と呼ばれるようになり、両思いの良さを知った。