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桃太郎ですが、残念美人の鬼姫に今世紀最大の恋をしたので結婚することにしました  作者: 月城琴晴


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第8話 鬼姫、桃太郎の部屋に来る

夜になって、鬼姫が桃太郎の部屋に来た。


「桃太郎様、少し二人きりでお話したくて。」


「あ……パジャマのままでした。」


「すみません。」


恥ずかしそうに言った。


鬼姫はとても可愛いパジャマを着ていた。


桃太郎は思う。


(無防備なやつだな。)


桃太郎は少し笑った。


「いや、いいけど。」


鬼姫は少し安心したように部屋に入る。


「失礼します。」


桃太郎は腕を組んだ。


「で?」


「二人きりで話って何だ?」


鬼姫は少し真面目な顔になる。


「今日、嬉しかったです。」


「桃太郎様が来てくれて。」


桃太郎は少し肩をすくめる。


「観光だけどな。」


鬼姫は頷く。


「それでもです。」


少しだけうつむく。


「桃太郎様、優しいので。」


桃太郎は思った。


(またそれか。)


鬼姫は続ける。


「もし迷惑じゃなかったら……」


「観光の間、私が案内してもいいですか?」


桃太郎は少し笑う。


「もう案内するって言ってただろ。」


鬼姫は照れた。


「そうでした。」


桃太郎は鬼姫を見た。


パジャマ姿で、少し緊張している。


(……。)


(かわいいな。)


桃太郎は言った。


「まあ。」


「頼むわ、案内。」


鬼姫の顔がぱっと明るくなる。


「はい!」


桃太郎は思った。


(完全に観光旅行だな。)


犬猿雉は外で聞き耳を立てていた。


犬養が小声で言う。


「今、聞いたか。」


猿田が頷く。


「ああ。」


鳥山も頷いた。


「聞いた。」


犬養が呟く。


「桃が優しいとか言ってたぞ。」


猿田

「ありえない。」


鳥山

「桃だし。」


犬養

「女泣かせの桃だぞ。」


猿田

「遊び人の桃だ。」


鳥山

「最低の桃だ。」


三人は少し黙った。


犬養が言う。


「……でも。」


猿田が腕を組む。


「鬼姫には優しいな。」


鳥山が頷く。


「それはある。」


犬養がぼそっと言った。


「桃、落ちてるんじゃないか?」


猿田

「ありえる。」


鳥山

「胸で落ちた可能性高い。」


犬養

「絶対それ。」


部屋の中。


鬼姫が言った。


「桃太郎様は優しいです。」


桃太郎

「いや……。」


外。


三人は顔を見合わせた。


犬養

「詐欺だな。」


猿田

「完全に。」


鳥山

「桃なのに。」


桃太郎は思った。


(これって……そういうことだよな。)


「結婚前提なんだよな。」


鬼姫は頷く。


「はい。」


桃太郎は少し笑った。


「それって、付き合ってるからいいってこと?」


少し意地悪に聞いてみた。


鬼姫は迷わず答える。


「はい。お付き合いしてますから。」


桃太郎は少し驚く。


(迷わないんだな。)


そして思い出したように言う。


桃太郎は少し気になって聞いた。


「そういえば、茜って元彼結構いるって聞いたけど……。」


鬼姫は首を傾げる。


「そうですね。」


「元彼は何人かいますよ。」


桃太郎は腕を組む。


「遊んでるの?」


鬼姫は少し驚いた顔をした。


「違います。」


「でも、すぐに別れました。」


桃太郎

「へえ。」


鬼姫は少し困ったように笑った。


「続かないんです。」


桃太郎は眉を上げる。


「なんで?」


鬼姫は少し考える。


「皆さん、結婚はまだいいって言うんです。」


「だから、私から別れました。」


桃太郎は黙った。


(……なるほど。)


鬼姫は少し恥ずかしそうに言う。


「でも桃太郎様は違うみたいなので。」


「嬉しいです。」


桃太郎

「……。」


(やばい。)


(この子、全部本気だ。)


「元彼ってどんなやつ?」


桃太郎が聞いた。


鬼姫は少し考える。


「色々ですけど。」


桃太郎は頷く。


(なんか苛つく。)


鬼姫は続けた。


「結構優しい方が多かったです。」


桃太郎は少し眉を上げる。


「へえ。」


鬼姫はにこっと笑った。


「でも、桃太郎様みたいなイケメンはいなかったです。」


「ふぅん。」


桃太郎は酒を一口飲んだ。


(……。)


(なんだそれ。)


鬼姫は少し不思議そうに言う。


「どうしました?」


桃太郎は肩をすくめる。


「いや。」


「じゃあ俺が一番か。」


鬼姫は少し考える。


「そうですね。」


桃太郎

「即答か。」


鬼姫は頷く。


「桃太郎様、かっこいいです。」


桃太郎は少し笑った。


「顔だけだろ。」


鬼姫は首を振る。


「優しいです。」


桃太郎

「……。」


(またそれか。)


鬼姫は真面目な顔で言う。


「だから好きです。」


桃太郎は少し黙った。


(……こいつ。)


(本当に全部本気なんだよな。)


「桃太郎様って性格もいいし、明るいし、ポジティブですよね。

 素敵です。

 顔も格好いいですけど。

 正直イケメンすぎるって思ってたんです。

 でも、性格も良くて、びっくりしました。」


そう言って笑った。


桃太郎は少し黙った。


(……。)


(そんなこと言われたことないな。)


鬼姫は本当に嬉しそうだった。


桃太郎は少し照れたように言う。


「それ、評価高すぎないか?」


鬼姫は首を振る。


「そんなことないです。」


「桃太郎様、素敵です。」


桃太郎

「……。」


(なんだこれ。)


(照れるんだけど。)


その頃。


扉の向こう。


犬養が言った。


「今の聞いたか?」


猿田が頷く。


「聞いた。」


鳥山も頷いた。


「聞いた。」


犬養

「桃が性格いいって。」


猿田

「ありえないだろう。」


鳥山

「どうやったらそうなるんだ?」


犬養

「わからん。」


猿田

「詐欺だな。」


鳥山

「完全に。」


犬養が少し考える。


「……でも。」


猿田

「何だ?」


犬養

「桃、今ちょっと照れてたぞ。」


猿田

「マジか。」


鳥山

「終わったな。」


犬養が小声で言った。


「これ以上見るのはやめたほうが良さそうだ。」


猿田が頷く。


「お楽しみになる。」


鳥山も腕を組んだ。


「桃なら絶対に手を出す。」


犬養

「確かに。」


猿田

「それしか考えられない。」


鳥山

「桃だし。」


三人は真剣な顔で頷いた。


犬養が言う。


「でも鬼姫だぞ。」


猿田

「そうなんだよな。」


鳥山

「泣かせたら鬼王に殺される。」


犬養

「確実に。」


猿田

「物理的に。」


鳥山

「桃、人生終わるな。」


犬養がため息をついた。


「まあ……。」


猿田

「何だ?」


犬養

「桃も覚悟してるだろ。」


鳥山

「いや。」


猿田

「してない。」


犬養

「だろうな。」


三人は顔を見合わせた。


「……。」


「桃、終わったな。」


「なあ、そんなに俺のこと好きなの?」


桃太郎が聞いた。


「はい。」


鬼姫は真っ赤だった。


桃太郎は少し笑う。


「俺、そんなにいいやつじゃないかもしれないよ?」


鬼姫は首を振る。


「そんなことないですよ。」


桃太郎が距離を詰めた。


鬼姫はびくっとした。


「……桃太郎様?」


桃太郎は少し意地悪に言う。


「後悔するかもしれないぞ。」


鬼姫は少し黙った。


そして小さく言った。


「それでもいいです。」


桃太郎

「……。」


鬼姫は顔を赤くしたまま続ける。


「桃太郎様が好きなので。」


桃太郎は思った。


(……やばい。)


(こいつ。)


(本気すぎる。)


鬼姫は少し恥ずかしそうに言った。


「近いです。」


桃太郎は少し笑う。


「嫌?」


鬼姫は慌てて首を振った。


「嫌じゃないです。」


桃太郎

「……。」


(かわいいな。)


犬養が小声で言った。


「やっぱり桃やるぞ!」


猿田が頷く。


「絶対にやる!」


鳥山も頷いた。


「確定だ!」


三人は扉の向こうをじっと見つめる。


犬養

「近い。」


猿田

「近い。」


鳥山

「近い近い近い。」


犬養が立ち上がった。


「よし。」


猿田

「何だ?」


犬養

「そろそろ始まるから行くか。」


鳥山

「そうだな。」


三人は静かに頷いた。


犬養

「やっぱり桃だったな。」


猿田

「ああ。」


鳥山

「桃だし。」


三人は満足そうに部屋を離れた。



※毎日更新予定

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