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桃太郎ですが、残念美人の鬼姫に今世紀最大の恋をしたので結婚することにしました  作者: 月城琴晴


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第5話 鬼の歓迎会は婚約前イベントだった

恋愛災害相談室でもこんな会話が繰り広げられた。


一寸

『歓迎会=婚約前イベントだろ。』


オオカミ

『鬼王が出てきた時点で詰んでる。』


その頃――鬼の国。

大広間には、料理がずらりと並んでいた。

肉。

魚。

酒。

団子。


「すげえ……。」

犬養が呟いた。


猿田が頷く。

「完全に宴会だな。」


鳥山は静かに言った。

「鬼ってこんな文化的だったのか。」


鬼王は豪快に笑った。

「遠慮するな!」

「鬼の国は客人を歓迎する国だ!」


鬼姫は嬉しそうに桃太郎の隣に座る。

「桃太郎様、これ美味しいですよ。」


皿を差し出した。

「……ありがとう。」

桃太郎は受け取った。


犬養が小声で言う。

「距離近くない?」


猿田

「もう隣固定だぞ。」


鳥山

「逃げ場なしだな。」


朱羅は冷静だった。

そして通信魔法を開く。


朱羅

『現在状況。』


一寸

『どうなった。』


朱羅

『姉さんが隣に座った。』


オオカミ

『終わった。』


一寸

『完全に終わった。』


朱羅

『まだ何も起きてない。』


オオカミ

『それが一番危ない。』


その頃。


鬼姫が桃太郎に聞いた。

「桃太郎様。」


「はい?」


「理想のお嫁様って、どんな方ですか?」


桃太郎が固まる。


犬養

「また来た。」


猿田

「早い。」


鳥山

「宴会の話題じゃない。」


桃太郎は頭をかいた。

「……まあ。」


鬼姫は期待の目で見ている。

「参考にしたいので!」


桃太郎は少し考えて言った。

「……一緒にいて楽しいやつ。」


鬼姫はぱっと笑った。

「じゃあ、よかったです!」


桃太郎は首を傾げた。

「何が?」


鬼姫はにこっと笑う。

「今、楽しいです!」


犬養が顔を覆った。


猿田が小声で言う。

「強い。」


鳥山

「天然だ。」


通信魔法。


朱羅

『姉さんが桃太郎を落としている。』


オオカミ

『天然最強型か。』


一寸

『あれは避けられない。』


朱羅

『……多分もう遅い。』


「鬼姫は理想の夫ってどんなのだ?」


鬼姫は少し考えて――

「優しい人。」


「あと一緒にご飯を食べてくれる人。」


「それと。」

桃太郎を見る。

「浮気しない人です。」


犬養

「急に重くなった。」


猿田

「宴会だぞ。」


鳥山

「やめろ。」


桃太郎は少し笑う。

「浮気は駄目か?」


鬼姫は真剣だった。

「悲しいです。」


桃太郎はちょっと困る。


(……真顔だ。)


それで軽くいじる。

「じゃあ俺は駄目かもな。」


鬼姫が固まる。

「え?」


桃太郎は笑う。

「嘘だよ。」


鬼姫は安心して笑う。

「よかったです!」


桃太郎は思う。

(……なんだこれ。)

(からかうと普通にダメージくるな。)


「やっぱり浮気は悲しいですよね。」


桃太郎は少し黙る。

(……なんだそれ。)

(普通そんなこと聞くか?)


今までの女たちは違った。

「桃太郎って遊び人だよねー」

笑いながらそう言って、

でも普通に寄ってくる。


だから桃太郎も

「まあ、そうだけど?」

って笑ってた。


でも鬼姫は違う。


鬼姫

「努力してくれるなら大丈夫です!」


桃太郎は思う。

(……努力。)


そんなこと言われたことなかった。


「遊び人」

「イケメン」

「危ない」


そういうのばっかりだった。

(……なんだこれ。)

(普通に)

(嬉しいんだけど。)


鬼王が言った。

「鬼退治は諦めてくれたかい。」


「いえ、鬼退治に来たわけじゃ……。」

桃太郎が言った。


「何だ、観光だったのかい。

 良かったらゆっくり観光するといい。

 きっとこの国のことがわかる。

 視野も広がるし、観光はいいぞ!」

鬼王はそう言って豪快に笑った。


桃太郎は少し肩の力を抜いた。

「……そうか。」


犬養が小声で言う。

「なんか普通にいい国だな。」


猿田が頷く。

「鬼ってもっとこう……怖い感じかと思ってた。」


鳥山が呟く。

「完全にホームパーティーだな。」


鬼姫は嬉しそうに桃太郎を見た。

「桃太郎様、よかったですね。」


「ん?」


「鬼の国、嫌なところじゃなさそうで。」


桃太郎は少し笑う。

「まあな。」


(思ってたのと全然違うな。)

(もっとこう……。)

(血とか飛んでるのかと思ってた。)


鬼姫が皿を差し出した。

「これも美味しいですよ。」


「ありがとう。」

桃太郎は受け取る。


鬼姫は少し嬉しそうだった。


犬養が小声で言う。

「距離近いな。」


猿田

「完全に隣ポジション取られてる。」


鳥山

「桃太郎、もう逃げられないな。」


桃太郎は少しだけ鬼姫を見た。

にこにこしている。


(……こいつ。)

(本当に嬉しそうだな。)


鬼姫が聞いた。

「桃太郎様。」


「ん?」


「観光するなら、私が案内しますね!」


桃太郎は少し笑った。

「いいのか?」


「はい!」


「じゃあ頼む。」


鬼姫はぱっと明るくなった。

「楽しみです!」


桃太郎は思った。

(……なんだろうな。)

(悪くないな。)


「あの、桃太郎様ってどんな女の子がタイプなんですか?」

鬼姫が真面目な顔で聞いた。


桃太郎は少し驚く。

「急だな。」


鬼姫は頷く。

「はい。大事なことなので。」


犬養が小声で言う。

「大事なんだ。」


猿田が頷く。

「完全に面接だな。」


鳥山が呟いた。

「歓迎会の話題じゃない。」


桃太郎は少し笑った。

「そうだな。」


少し考える。


「可愛い子。」


鬼姫は真剣に頷く。

「なるほど。」


桃太郎は続ける。

「あと胸がでかい。」


犬養がむせた。

猿田が顔を覆う。

鳥山がため息をついた。

「最低だ。」


鬼姫は少し考えた。

「私そんなにかわいくもないし、

 胸が大きいわけじゃないから……。

 努力しないとですね。」

鬼姫は真剣に言った。


桃太郎は一瞬固まる。


犬養が小声で言う。

「今の聞いたか。」


猿田が頷く。

「完全に勘違いしてる。」


鳥山が呟く。

「桃太郎のせいだな。」


桃太郎は苦笑した。

「いやいや。」

「努力するところじゃないだろ。」


鬼姫は首を傾げる。

「そうなんですか?」


桃太郎は少しだけ鬼姫を見た。

「……まあ。」

「普通にかわいいと思うけどな。」


鬼姫が固まった。

「え?」


犬養

「言った。」


猿田

「言ったな。」


鳥山

「ついに言った。」


鬼姫は少し赤くなった。

「そ、そうなんですか?」


桃太郎は肩をすくめる。

「だから努力とかいらないって。」


鬼姫は少し嬉しそうに笑った。

「よかったです。」


桃太郎は思った。

(……なんだこれ。)

(普通に照れるんだけど。)

※毎日更新予定

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