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桃太郎ですが、残念美人の鬼姫に今世紀最大の恋をしたので結婚することにしました  作者: 月城琴晴


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第12話 鬼姫とカップル写真を撮った

展望台に着いた。


景色が一気に開ける。


鬼姫が言った。


「景色綺麗ですね。」


とても嬉しそうだ。


犬養たちはその様子を見た。


そして思った。


(桃……。)


(戦争は起こすなよ。)


猿田が小声で言う。


「朱羅君がいるからな。」


鳥山も頷く。


「怒らせたら終わる。」


犬養が言った。


「しかも朱羅君、相変わらずいい人だし。」


猿田

「いい弟だ。」


鳥山

「普通に好青年だ。」


三人は桃太郎を見る。


桃太郎は――


景色を見ていない。


鬼姫を見ている。


ずっと。


犬養

「……。」


猿田

「……。」


鳥山

「……。」


三人は思った。


(完全に桃のやつ落ちてるな。)


犬養が言う。


「完全に桃の好み。」


猿田

「顔かわいい。」


鳥山

「胸でかい。」


犬養

「天然。」


猿田

「どんくさい。」


鳥山

「桃の弱点全部だ。」


三人は頷いた。


犬養

「頭の中、茜ちゃんでいっぱいだぞ。」


犬養が言った。


「それに茜ちゃん、桃のこと大好きだからな。」


猿田も頷く。


「あんなに桃を優しいって言う子、今までいなかったしな。」


鳥山が腕を組んだ。


「それな。」


三人は少し黙った。


前では――


鬼姫が景色を見て嬉しそうにしている。


その横で桃太郎が立っている。


でも桃太郎は景色を見ていない。


ずっと鬼姫を見ている。


犬養

「……。」


猿田

「……。」


鳥山

「……。」


三人は同時に思った。


(桃。)


(完全に落ちてるな。)


犬養が小さく言った。


「でもまあ。」


猿田

「何だ?」


犬養

「茜ちゃんならいいか。」


鳥山

「まあな。」


猿田も頷く。


「桃にはもったいないけどな。」


皆で写真を撮ったりしていた。


犬養が叫ぶ。


「こっち見ろ!」


猿田

「もう一枚!」


鳥山

「今のいいぞ!」


鬼姫は楽しそうに笑っていた。


「景色すごいですね。」


鬼王子も言った。


「ここ、夕方はもっと綺麗ですよ。」


何枚か写真を撮ったあと。


鬼姫が桃太郎を見た。


少しだけ照れながら言う。


「桃太郎様。」


「ん?」


「写真撮りましょう。」


桃太郎

「俺と?」


鬼姫は頷いた。


「はい。」


桃太郎は少し笑った。


「いいよ。」


鬼姫は嬉しそうだった。


二人で並ぶ。


犬養がカメラを構えた。


「お、カップル写真だ。」


猿田

「婚約写真だな。」


鳥山

「いい記念だ。」


桃太郎

「うるさい。」


鬼姫は真っ赤だった。


犬養が言う。


「近い近い。」


猿田

「もっと寄れ。」


鳥山

「肩触れろ。」


桃太郎

「お前らな……。」


鬼姫は小さく言った。


「……失礼します。」


そっと桃太郎の腕に触れる。


桃太郎

「……。」


(かわいい。)


犬養

「はい撮るぞ!」


カシャ。


写真が撮られた。


鬼姫はとても嬉しそうだった。


写真が撮られた。


鬼姫は嬉しそうに画面をのぞき込む。


「いい写真ですね。」


桃太郎もちらっと見る。


(……。)


(かわいい。)


その様子を見て――


猿田がにやっと笑った。


「桃、待ち受けにするんだろう。」


桃太郎

「え?」


犬養が言う。


「今の“え?”怪しいな。」


鳥山も頷く。


「目が泳いでるぞ。」


桃太郎

「泳いでねぇよ。」


猿田

「いや泳いでる。」


犬養

「完全に泳いでる。」


鳥山

「待ち受け確定だな。」


桃太郎

「するか!」


犬養

「じゃあ消せよ。」


桃太郎

「……。」


猿田

「消さないな。」


鳥山

「消さない。」


三人は頷いた。


「桃だし。」


鬼姫は不思議そうに聞いた。


「待ち受けって何ですか?」


桃太郎

「気にするな。」


(……。)


(まあ。)


(悪くないけどな。)


桃太郎は隠れてスマホを見ている。


今日撮った写真。


展望台で――


鬼姫と並んで撮った写真だった。


鬼姫は嬉しそうに笑っている。


桃太郎は少し困った顔だ。


桃太郎は少し黙った。


(……。)


(かわいい。)


少し迷う。


ほんの少しだけ。


そして。


画面を操作した。


待ち受けに設定。


桃太郎はスマホを見る。


(……。)


(まあ。)


(悪くない。)


それを犬養たちは見ていた。


猿田が言った。


「桃、絶対待ち受けにしてるぞ。」


鳥山が頷く。


「100%。」


犬養も頷いた。


「桃だし。」


三人は同時に言った。


「してるな。」


帰り道。


桃太郎は歩きながら思った。


(帰ったら……。)


(遠距離になるってことだよな。)


鬼姫は前で楽しそうに話している。


「この辺り、春になると花がすごく綺麗なんです。」


桃太郎はそれを聞きながら思った。


(なんか……。)


(辛いんだが。)


自分でも少し驚いた。


(昨日会ったばっかりだぞ。)


(何だこれ。)


鬼姫が振り向く。


「桃太郎様?」


「ん?」


「どうしました?」


桃太郎は少し笑った。


「何でもない。」


鬼姫はまた嬉しそうに歩き出す。


桃太郎はその背中を見ながら思った。


(離れたくないだろ。)


(これ。)


後ろ。


犬養が小声で言う。


「桃、顔やばい。」


猿田が頷く。


「完全に恋だな。」


鳥山も言った。


「終わったな。」


四人は帰ることにした。


鬼王が言う。


「またいつでも来なさい。」


「歓迎だ。」


桃太郎たちは頭を下げた。


「ありがとうございます。」


鬼姫は少し寂しそうだった。


そして小さく聞いた。


「……また来てくれますか。」


桃太郎は少しも迷わなかった。


「……行く。」


即答だった。


鬼姫が少し驚く。


「え?」


桃太郎は笑った。


「付き合ってるんだし。」


「行くから。」


少し間。


「茜も来いよ。」


鬼姫の顔がぱっと明るくなる。


「はい!」


後ろ。


犬養が言った。


「桃……。」


猿田も言う。


「完全に彼氏だな。」


鳥山も頷く。


「デレた。」


犬養が小さく言った。


「まあ。」


猿田

「まあ。」


鳥山

「まあ。」


三人は思った。


(茜ちゃんなら。)


(桃でもいいか。)

※毎日更新予定

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