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いずれ花咲くオルフェーブル  作者: 朝日 橋立
一章め いずれ花咲くオルフェーブル
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九話め 遊びましょ

 雨が降っているのを眺める。

 私はやっぱり梅雨が嫌いだなーと思う。


 道行く人たちの喧騒を聞きながら駅の外を眺める。

 私は今街の方に出てきていた。それも摩耶と遊ぶためだった。

 まだ待ち合わせには時間があるから、一人寂しく彼女を待っている。


 それにしても近頃はよく雨に降られる。

 以前モニカと出かけた時もそうだった。

 雨に降られて随分と苦労をした思い出がある。


 そういえば、あのあとニュースで聞いた話だが、私たちが帰った後出火したらしい。

 恐ろしいことだが現場に居合わせずに済んでよかった。


 時計を見る。集合時間まであと十分ほどある。

 少し早く来すぎてしまったろうか、と思いながらもSNSを見る。


 五分ほどした頃合いだろうか?

「ごめん!」というメッセージの通知が現れた。


 何度か瞬きをしてからメッセージを見る。

 自転車をスリップして壊した云々と書いてあった。


「もう少し待ってくれたら着くから待ってて」


 そんなメッセージが最後に続いてあって、少し言葉を失った。

 この雨の中自転車に乗っていたことと、そうなってまで来ようとしている彼女の心についてである。


「大丈夫?」


 返信をすると、すぐに既読が付いた。


「ちょっと打っただけだから、大丈夫!」


「今日やめにして、またにしようか」


「ごめんね」


 OKとスタンプを返してから、これからどうしたものかと思い悩む。

 折角ある程度のお金を払ってここまで来たのだから、何もせずに帰ることはどうにも納得できない。

 私はここらでウィンドウショッピング、あるいは散歩をすることに決めた。


 梅雨が嫌いだと言った。

 これは一重にジメジメとした空気のためだろう。

 ただ私は雨は嫌いではない。春の雨なんかは好きだ。

 今聞いているような雨が傘を叩く音、これは子気味良い。


 高いビルが重い雲を突いている。

 これを不気味だと思うものの、しかしきっと好きだ。

 訪れる夏を想像すると、とても快い気持ちになれる。


 ところで私はゲームセンターに入ることを決めた。

 あまりこういった所には来たことがないのだが、小さい頃から興味はあったのだ。

 ただ近所になかったからこそ来たことがなかった。


 親に頼もうと思ったこともあったが、どうにも忙しそうに思えて申し訳なかった。

 それも彼らがいつも家を空けていて、時折帰ってきても疲れているように思えたからだ。実際、疲れていたかは分からないが。


 騒々しい店内で、見慣れない機械に少し眩暈がした。

 ちかちかするというべきだろうか……。まぶしいものたちに少し驚いた。


 それから太鼓を模したゲームにお金を入れる。

 よくよくできた方だと思うが、中々難しいものだった。

 ただ楽しくはあった。


 それからも幾らか遊んでお店を出る。雨足は強まっている。

 ほぼ無風なのが救いだろうか?


 それにしても、良いことを知れた。

 摩耶と遊べなかったのは残念だが、ゲームセンターというのは面白いものだ。

 何だかスキップでもして気持ちを表現したくなったが、恥ずかしくてやめた。


 もう帰ろうかなと思い始めたところであろうか。

 かすかにものが落ちる音が聞こえてくる。

 結構大きなものが落ちたような鈍い音だ。


 そのために心を惹かれたというか、野次馬精神で音の鳴った方向に歩いた。

 辿り着いた場所は路地裏としか形容のできないところだ。


「大丈夫ですか?」


 考えるより先に声が出たというべきだろうか。

 私は傘もささずに座り込む女の子に声をかけていた。

章タイトルを作りました。たぶんのちに話毎のサブタイトルもつけるかもしれません。

本編でタイトル回収できないので、章タイトルでタイトル回収をしようという邪な考えです。

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