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四話め

 土曜日、モニカを連れて私はデパートに訪れていた。

 モニカの服とか日常生活に必要なものを買うためだった。


「格好いい服だよね」


 アパレルの服たちを見定めながら問いかける。

 寒色系の服を見定めているが、どれもまあまあ可愛い系なので、少し困ってしまう。


「ああ」


 肯定の返事に、更に困ってしまった。

 どうしたものかと考えていれば、モニカが私の前に躍り出て言った。


「こんなのはどうだ?」


 彼女はベージュの、言ってしまえばかわいい服を持っていた。


「良いと思うけど、それでいいの?」


 少し可愛すぎるものに思えて、問いかけてしまった。

 モニカは少し笑った調子で言った。


「可愛いのが気に入った」


「じゃあ、他にも幾つか選んで試着しようか」


 そんなこんなで他にも暖色系や寒色系に限らず色々と選び、試着をしてもらった。

 どれも可愛らしく思えた。

 結局として、試着したものは全部買うことにした。


 それから幾つかの日常雑貨を買うと、いつの間にか三時間ほど経ってしまった。

 あまり買物を頻繁にしないから少し疲れてしまって、私たちはお茶をすることにした。


「うーんと、食べたいものあるかな?」


 メニューをモニカに見せる。


「どれが美味しいだろうか」


「ミルクミルフィーユとレモンティーかな、確か美味しかった記憶があるよ」


「じゃあそれにする」


 少し考えてから、店員さんにモニカのものとアップルティーを頼んだ。

 ケーキはあまり食べる気にならなかった。今日はあまりお腹が減っていなかったからだ。


 商品を待つ間、私は本を読むモニカを時折見た。

 私も学生で当然家に居れないことの方が多いから、何か暇つぶしの本をあげようと思ったため、買い与えた。


 楽しそうに読むものだなと思う。

 モニカは古典文学を読んでいるのだが、私にはどうも良さが分からない。

 辛気臭い内容に少し疲れてしまう。


「面白い?」


 感情を知ろうと問いかける。

 モニカはゆっくりと顔をあげ、口を開いた。


「ああ、面白い。人が突然毒虫になってしまうなんて面白いだろう」


「何それ。何だかギャグみたいな話」


「もしかしたらそうかもしれない」


 モニカのお道化た様子に少し笑ってしまった。

 それからも少しその本の内容を話した。

 まだ読み初めだから人が虫になるなんてところばかりの話だった。


 話しているうちに、ケーキとお茶が届いた。

 モニカはケーキを前に、「おお」と声を挙げていた。


「半分あげよう」


 彼女は手を付ける前にこちらにケーキを差し出してきた。

 楽しみにしていたのに不思議なことだった。


「いいよ、私のことは気にしなくても」


「今日沢山世話になったお礼だ。受け取ってくれ」


 モニカはよりケーキをこちらに差し出してくる。

 その断乎と言った様子に断るのも忍びなく、結局ケーキを食べることにした。


「どうだ、美味しいか?」


 興味津々と言った様子でモニカは問いかけてくる。

 その様子が再び笑えてしまった。


「何だ、何を笑ってるんだ」


 不思議がって問いかけてくるのに、更に笑えてきてしまった。


「何でもないよ。それに、うん、美味しいよ」


 ケーキを再びモニカの方に戻し、一口アップルティーを飲んだ。

 甘い口内を少しの苦みが洗い流してくれた。


「おお、美味い」


 モニカはケーキを食べ、嬉しそうにしている。

 どうやら今日は少し良い日になった。

 彼女も喜んでるようだし、私もなんだか嬉しかった。

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