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三話め

 モニカの世話をすることになった訳であるが、服であったり色々な困りごとが残った。


「ねえ、モニカは明日何か予定ある?」


「ないぞ」


 彼女は首を横に振りながら答える。

 何となくわかっていたが都合がよい。


「明日買い物に行こうか」


 明日は幸いなことに、土曜日である。

 部活もないし、本当に運がよい。


「あっ、今日は私の服を着てくれる?」


 少し大きな服をクローゼットから取り出し、モニカに見せる。

 彼女は少しだけそれを見ると、顔を顰める。


「可愛いものだな」


 その言葉の通りだと思う。

 私が今より小さい頃、何らかの気紛れによって買った随分と可愛らしい寝間着だ。

 結局のところ一度も着た記憶はない。


「こういうの嫌い?」


「あまり好きじゃない」


「似合うと思うのにな」


 モニカは少し複雑そうな顔をした。

 嬉しさ半分といった様子だ。


「私は格好いい方が好きだ」


 珍しい子だと思う。

 モニカくらいの年ごろならば、可愛いものの方が好みだろうに。


 ふと時計が目に入る。

 もう十二時を回っていた。


「あっ、もうこんな時間。ベッド使って、私は布団出してくるから」


「問題ない。床で寝れる」


 いくらカーペットが引かれていても、それは厳しいだろうと思う。

 寒いだろうし、それに私が申し訳ない気持ちになる。


「取り敢えず、お布団持ってくる」


 久しぶりに出した布団は、少しばかり埃臭かった。

 来客があまりなかったせいだろう。

 重い布団を頑張って運んだために少し疲れてしまった。


 それから話し合いの末、私がベッドで寝ることになった。

 申し訳ないという感情もありつつ、少し嬉しかった。


 ところで、寝る前に少しスマホを見ていたのだが、学校の近くの公園が放火されたらしい。

 SNSのことだから本当なのかは知らないが、知人のアカウントだからこそ酷く現実味を感じた。





 ──────────

 ────────

 ──────





 スマホを見ると、既に時刻は一時になっている。

 これは明日は寝坊してしまうな、と思いながらもコーヒーを一息に呷る。


「楓どうしたんだい?」


 目前の熊のぬいぐるみのような存在が疑問を呈する。

 話しかけられた少女、東楓は溜息を吐いた。


「何でもない」


「そうなのかい?」


「私が嘘ついたことがあったかな」


 無理やりに、目前の存在を納得させる。

 実際、何かがあったかと言えばあった。

 少し可愛がっている後輩の恋愛事情を知ったのだ。

 これは面白いとも思うし、当然驚きもする。


「どこか元気がないように見えるけどな?」


 ウザイ追及をしてくる。

 話していて面白い話でもないだろうに。


「シロ、捨てるよ」


「ええ、やめよ。それに、僕はシロ何て犬みたいな名前じゃないよ」


 それから彼の言葉を無視し、スマホを覗き見る。

 つい先ほどだというのに、例の公園のことがもうニュースになっている。

 もう深夜だというのに暇なものだ。


「それで、他に仕事は?」


「うーんとね、あっ、一つだけあるよ」


 続きを促す。

 すると、少し面倒くさそうにしながら続きを言う。


「一匹逃げたらしいから、それの捕獲だね」


「捕獲?」


「うん、その通り絶対に殺しちゃいけないよ。君は乱暴だからね」


 煩い奴だと思う。

 元々力を渡してきたのはそちら側だというのに。


「それで場所は?」


「さあね。逃げたって言ったろう」


 どうにも癪に触って、彼を数度殴ることにした。


 ……さて、今日は天気が良い。

 綺麗な三日月も見える。

 短絡的だが、幸先の良さを想起する。そんなものだろう。

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