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消えぬ影の祈り

優しい神様よ、どうかお聞きください。

車いすの少女の足元に、私の曲がった脚をお与えください。

その足が、ほんの少しでも安らぎを得ることなく、

ただ静かに沈んでいくように。

彼女の目に映るのは、笑顔を失った世界。


色を失い、夢を描くことを忘れた画家には、

私の焼けた瞳を差し出し、

その瞳で映るのは、空虚な空間ばかり。

彼の筆が動く度に、魂の奥底から涙がこぼれ落ちます。


指を欠いた料理人には、

乾ききった私の掌を捧げ、

その手が触れるものは、冷たく無機的な食器だけ。

かつて料理の楽しみを知った彼は、

今、冷たい厨房に閉じ込められたまま。


眠りに囚われた若者には、

私の曇った夢を与え、

その夢の中で目覚めることなく、

永遠に迷い続けることを願います。

彼の心が叫んでも、闇は応えてはくれません。


飢えた孤児には、

私の濁った血潮を分け与え、

その血が彼の体に流れ、

希望を冷たく消し去ります。

彼らの泣き声は、静かな夜に響き渡り、

誰も耳を貸しません。


子を待つ夫婦には、

この痩せた身体を捧げ、

その手のひらで温もりを感じることなく、

冷たさだけを抱きしめるように。

彼らの夢が砕け散る音は、

静かな祈りの中で消えていきます。


どうか、いたずらな神様、

私の全てを捧げても、

何も変わらないことを、もう知っています。

それでも、私の魂を、

もはや無意味に、冷徹な地に捨て去ってください。

誰も知ることのないその場所で、

私の存在が無に帰し、

その痕跡すら残さずに消え去る様を、

じっと見届けてください。


私の祈りは、

何の救いも持たず、

ただ無力の証として、

この闇の中で続いていくだけ。

目を開けることなく、

ただ静寂と共に終わりを迎えます。

神様、私を完全に忘れ、

その方がすべての苦しみが無に帰するのです。

以前どこかで書いたものに文を足したものです。こんな感じの詩なんてありふれているのでしょうね。

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