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双子の天才魔術師、魔導具師を目指す  作者: 夜宵
第三章 天才魔術師の三歩目
37/40

天才魔術師、初めての魔導具製作

本日更新2話目です

『天才魔術師、魔導具の授業を受ける』からお読みください

2/2

「さて、授業の説明は以上となります。何か質問はありますか?

 ……無さそうですね。それでは最初にお伝えした通り実際に魔導具を作ってみましょう。

 今日作るのは光源の魔導具です。皆さんもお家で使っているかと思います。

 今、必要なものを配っているので少し待ってくださいね 」


 ルイーザは授業内容の説明を終え、魔導具製作の体験をはじめるようだ。授業のサポートをしている人たちーー助手の教師なのかあるいは研究室の学生かーーがさくさく必要なものを配っていく。

 レオナルドたちの手元にも直ぐに配布された。配布されたのは魔方陣が刻まれた魔石、回路を描く為であろうインクとペン、それから魔石を嵌め回路を描くための板。板には既に回路が下書きされており、特殊インクでなぞるように上書きできるようになっていた。


「これから一緒に作っていくので、勝手に進めないようにお願いします。

 まずは必要なものが手元にあるか確認からしていきます。

 もし必要なものがなければ挙手して教えてください、直ぐにサポートスタッフがフォローしますのでーー…… 」


 その後直ぐに必要なものの確認も終わり実際の魔導具の作り方の説明が始まった。


「まず魔石についてです。今日は既に魔方陣が刻まれているものを用意しました。

 こちらを見てください。これが魔石に刻まれた灯りの為の魔方陣です。

 皆さんのお家にある光源の魔導具にもこれと全く同じ魔方陣が描かれた魔石が付いているはずです。

 明るさや灯りの数、持続時間などを設定するためのものが魔導回路です。

 魔導回路は効率化や小型化を目指し日々研究されていますーー…… 」


 ルイーザが魔石や魔導具回路について説明していく。


「ふーん、これが灯りの為の魔方陣なんだ 」


「結構簡素なのね 」


「簡単なのにしてるんだろ、最初だし 」


「そうね 」


 初めて手にする魔石や回路図に興味津々の双子。ニコラは二人の様子を苦笑しながらも楽しそうに眺めていた。


「魔導回路を引くためのインクは通常のインクとは異なる特殊なインクを用います。

 魔力が籠った魔石を砕いてインクを作るためこのインクの作成は魔力があるもののみが行えますが、勿論販売もしているので魔力が無くとも魔導具師になることは可能です 」


 それぞれの説明を終え、ルイーザは教室全体に視線を巡らせる。


「では実際に魔導回路を引いてみましょう。

 今回は下書きしてあるのでそれをなぞってください。

 多少の歪みは平気ですが、離れているはずの線と線が触れてしまうと上手く作動しないこともありますのでなるべく丁寧になぞってくださいね 」


 ルイーザの説明を聞き終え、生徒たちが実際に魔導具製作に取りかかる。ルイーザの声だけが聞こえていた教室のあちこちから生徒たちのざわめきが聞こえてきた。


「よし、僕らもやってみよう 」


「そうね 」


「おう 」


 レオナルドたちもインク瓶の蓋を開け、専用のペンにインクを付け、回路をなぞっていく。レオナルドとレティーツィアは下書きに沿って大きく歪むこと無く回路を引いていく。ニコラは今まであまり線を引くことが多くなかったのか所々線が歪みながらも何とか回路を全てなぞり終えた。


「俺には向いてなさそうだ…… 」


「初めてなんだからこれからだよ 」


「そうよ、直ぐに諦めるなんて勿体ないわ 」


 自分の手元と双子の手元を見て落ち込んだニコラを双子が慰める。内心お前らに言われてもと思いつつも礼を言うニコラだった。

 今回生徒たちに配られた光源の魔導具の魔導回路は最も単純なものなっており、複雑さは全くない。線と線がぶつからないように大きめに描かれている事もあり全員が問題なく回路を描ききったようだ。

次回更新

6月1日予定

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